テラーノベル
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(夜の公園・帰り道)
カフェを出た二人の上には、満天の星空が広がっていた。
2025年ももうすぐ終わり。冷たい空気の中で、繋いだ手の温もりだけがはっきりと伝わってくる。
ルナ:「……ねえ、ハルト。今日は本当にありがとう。すごく……すごく幸せだったよ」
ルナの猫耳が、少し名残惜しそうにピョコピョコと動く。
ハルト:「……ああ。俺も、悪くなかった」
ハルトはぶっきらぼうに答えるけど、ルナの手を握る力はさっきよりも少しだけ強くなった。
ルナ:「ねえ、見て! 街の明かりが、なんだかはちみつみたいにトロトロしてて綺麗……」
ハルト(ルナをじっと見つめて):「お前、何でもはちみつに例えるな。……でも、確かにそうかもな」
ハルトは立ち止まると、ルナの正面に回って彼女の肩をそっと掴んだ。
ハルト:「ルナ。……来年も、再来年も、ずっとこうしてお前とはちみつを食べて、一緒に歩きたいと思ってる」
ルナ:「ハルト……。うん! 私も! 私、ハルトの隣に一生いたい!」
ルナが勢いよく抱きつくと、ハルトは少しよろけながらも、優しく彼女を抱きしめ返した。
ハルト:「……お前、本当に素直すぎ。……ほら、これ。お土産」
ハルトが差し出したのは、カフェでこっそり買っていた小さな『はちみつキャンディ』の小袋だった。
ハルト:「これ、明日一人で寂しい時に食べろよ。……でも、俺のこともちゃんと考えろよな?」
ルナ:「えへへ、もちろんだよ! もったいなくて食べられないかも〜!」
ルナの紫色のしっぽが、嬉しそうにパタパタと夜風を揺らす。
二人の恋は、冬の寒さを溶かすくらい、甘くて温かいまま続いていく。
つづく
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