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それなりには経験してきたけれど、もっともっとと思ったのは初めてに近い。

「このままじゃ、なに?」


彼が意地悪そうな顔をして動かずにいる。もったいぶって胸を舐められると、その快感が全身をかけめぐる。

「お願い、もっ、と、きて──」


目の前が快感で溢れた涙で霞む。

彼がゆっくり抽送を始めればそれだけで甘い声がどんどん溢れ出る。


「あっあぅっ……ああんんんっ!!!」

「はぁ……はぁ……」


体のぶつかる音が、部屋に響くのが聞こえるだけで、耳が熱くなる。

彼が覆いかぶさってきて上半身が密着すると背中に手を伸ばして、ぎゅっと力をこめて抱きつき快感に震えた。


「だめだめっ!! いっちゃぅ!!」


果てても果てても、彼は抽送をやめない。いつの間にか四つん這いにされて、後ろから攻められていた。

ベッドに顔を突っ伏して目を瞑り、快感を身体中で感じると、意識が飛びそうになる。


「やばい、出そう……」

「い、いいよ、イッて?」


ガクガクと目の前が揺れる。揺さぶられながら、胸の頂をいじられて何度も何度も快感の波が自分をさらっていく。


「こっち向いて?」


くるんとむきを変えられて、パチンと視線が絡む。気持ちよさそうな彼の顔、腰を振るその間をみれば、いやらしく蜜壺から出入りしているのが見える。


「どうですか、俺のセックス……?」

「う、うん……ああっ!!」

「ちゃんと言って?」


ますます抽送が早まり、ぐちゃぐちゃと水音が激しくなる。両手を掴まれ、のけぞっていやいやと首を振った。


「あああっ、き、気持ちいいっ!! だめっ、またいっくぅーー……!!!」


彼の小さな呻きを聞きながら、目の前がチカチカしてだんだん白くなる。

力が抜けていくのを感じながら、そのまま意識を手放した。


すっと目を覚ますと、彼の寝顔が目の前に見えた。長いまつ毛に整った顔。

子犬のようにかわいい彼の顔に釘付けになる。

窓の外は少し明るくなり始めていた。今日は土曜日。


会社は休みだし、ゆっくりしても問題はない。休日出勤して仕事を終わらせようと思っていたけれど、この様子じゃたぶん難しそう。


一度、家に帰ろう。あ、シャワー浴びてないし、体べとべと……。

どうしよう。やっぱりそのまま帰ろうか。

でも、ここからだと電車に乗らないと帰れないし。

布団の中でもんもんと考えていると、んんっと彼が私を抱きしめてくる。


ぼんっと顔から火が出るかと思ったけれど、すぐに安心感が押し寄せてきた。

なんか、すごく安心する。


これから復讐で手を組もうとしている相手に抱く感情にしては、ずいぶん穏やかだ。

彼の胸に顔を埋めれば、もう少しこうしていたいような気持ちになる。


「……ふじわら、さん?」

顔を上げると、すぐそこに彼の顔があって、思わず体を引いた。

「あ、あの、ご、ごめ、えっと」

「ねぇ、もうちょっと……寝よ?」


ほぼ寝ぼけているであろう永井くんが、猫なで声で誘ってくる。

されるがまま、もう一度彼の胸に顔を埋める。

すーすーと彼のかわいらしい寝息が聞こえて、心臓の音がトクトクとなっている。

ぬくもりを感じていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。

もう一度目を覚まして体を起こすと、彼の姿は部屋の中にはなかった。

ベッドの下でくしゃくしゃになっていた服や下着を取ろうと手を伸ばしていると、ガチャッとドアの開く音がする。


「あ、起きてた」

「お、お、おはよ」


すっかり身なりを整えた永井くん。リラックスしたファッションも可愛らしい。


「朝メシ、食べますか?」

「へ!? あ、朝メシ?」


シーツにサッと身体を隠す。昨日全て見られたけれど、こうも明るいとさすがに恥ずかしい。


「はい、これバスタオル。そのままじゃまた襲いそうなんで、それ巻いて」

「お、お、襲……」

「シャワー浴びますか?」


コクコクと首を縦に振り、彼がリビングに戻ってからバスタオルを巻いてドアを開けた。

清潔な空間に息をつく。きれいに片付いているそのリビングの真ん中に置かれたソファ。右側にカウンターキッチンがあり彼が手元を動かしている。


「朝メシ、用意しとくんで。シャワーどうぞ、玄関に向かって右側です」

「あ、ありがとう……」


パウダールームで自分の体を見れば、胸元にひとつ紅い痕が残る。

ちゃんと見えないところにつけてあるのだなと変に感心してシャワーを浴びた。

彼と同じボディソープ。

メンズ用のスーッとした香りが心臓をバクバクとさせた。


リビングに戻ると、コーヒーのいい香りがたちこめる。

彼に促されて、ソファにすとんと腰かけた。


「簡単ですけど」

「わー!!!」

おしゃれな木製のカッティングボードをお皿がわりに、きれいに盛り付けられたキウイとバナナとオレンジ。

焼きたてのトーストは厚切りで食べやすいように半分にしてくれてある。


「お店みたい」

「まあ、たまには」


いただきます、とパチンと手を合わせた彼と一緒に、自分もいただきますをして食べ始める。


あれ、なんか。幸せ?

蜜音の花が開くとき~復讐のためにイケメン後輩と夜のサブスク契約結びました!?~

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