12月19日 午前0時
寒い冬の夜道に1人少女の姿があった。
「ねっねえ、君どっどうしたの?」
「…」
「もしかして、迷子になっちゃった?お父さんと、お母さんは?大丈夫?よっよかったらさぁ、ぼ、僕の家に来てあったかい飲み物と、美味しいご飯を食べない?そ、その後、お父さんとお母さんを探しに行こう?ね?それがいいよ!」
「…」
「だから、ね?一緒に僕の家に行こう?」
ぐいっと男は、少女の腕をつかみ、引っ張った。だが、少女は怯えることなく、男の目をみやり、こう言った。
「ねぇ、1個だけ聞いていい?」
「も、もちろんだよ!」
「あなたってさぁ、最近有名になってる、少女誘拐連続殺人犯だよね?」
「そっそんなわけないじゃないか!急に何を言い出すんだ!君は! 」
「じゃあ、これ見ても違うって言える?」
少女は鞄から、なにかを取り出し、それを地面に叩きつけた。
「そ、それは…」
地面に叩きつけられたものは、写真だった。その写真に写っているのは、少女を無理やり、車に連れ込んでいるたものや、少女を殺害し、その死体を愛でている写真だった。
「こっこんなの捏造だ!僕がそんなことするわけ、、!」
「じゃあこれ聞いても違うって言える?」
次に少女が出したものは、音声記録機だった。少女がボタンを押すと、音声が流れ始めた。
『いや、いやっ!やめてください!家に返してください!…なんですかそれ?ナイフ?やめて、やめてください!だれか、だれかたすけて!! 』
『ハハッいくら助けを読んでも無駄だよここはだーれも住んでいない山奥の地下なんだから。』
『ひっ 』
『ああ、やっぱりその顔最高だよ!興奮する!』
『いやっやめて!いやああああああ!!』
その音声は目の前にいる男と、知らぬ少女の声だった。知らぬ少女の声は悲痛な叫び声だった。
「これ聞いてもアンタじゃないっていえる?」
「…うるさい、うるさい。うるさい!うるさい!うるさい!うるさいうるさいうるさい!そんなに僕が気になるなら、君も殺してやるよ!!」
男が少女に襲いかかろうとした瞬間、少女と男の間に1人の少年が割り込んできた。
「ねぇ今君、ルリを殺そうとした?」
「「!!」」
グサッ
血の滴る音とドサッと男が倒れる音がする。
…どうやら男は死んだようだ。
私ルリは男を殺した張本人の方にふりかえる。
「相変わらず敵には容赦ないわね、ルイ?」
「だってルリを殺そうとしたんだよ?こんなやつ死んで当然だよ!!」
「はぁ…まぁターゲットを捉えられたから、良しとするか。…行くよ、ルイ」
「うん。」
ー12月19日午前0時10分ー悲しき運命を背負う子供を月明かりが包み込んで消してしまった。
コメント
2件
ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))