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1輪

8 - 共犯

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2025年08月27日

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『宮城佳奈。』

私は幼い頃から、人の顔が醜く見えていた。


そこら辺を歩く学生、老夫婦、サラリーマン…


みんなそうだ。


でも、何故かこの子だけは


可愛いんだ。


猫宮雫さん。私の生徒。


男の子からモテる、明るくて、可愛らしくて…


正直いうと、好き…なのかもしれないが、


生徒に恋心を抱くなんて馬鹿だ。


私は幸せに過ごしていた。たまに猫宮さんに話しかけて、癒してもらったりして…


そんな平穏な日々も、終わった。


猫宮さんが轢かれた。一命は取りとめたが、大怪我。


その原因は…谷川誠斗。同じクラスの子。


2人は幼なじみのはず、なぜ…?


とにかく話を聞こう。包丁でも持って。



___________________________________『谷川誠斗。』

なぜ先生がこんなことを聞くのだ?


クソ女の差し金だろうか…


「答えて欲しいの。」


「…違います」


「あの子が嘘をついたってこと?」


やっぱり、あのクソ女…


「貴方が話さないなら、少し乱暴な手を使うしかなくなるんだけど。」


「どういうことでしょうか。」


先生が包丁を取り出す。なんて醜いんだ、今の先生は。


「正直に言わないと刺すよ。」


冗談でも、脅しでもない、本気だ。


私は罪を犯さず、できる限り真っ当に生きてきた。


たとえ醜くとも、道に迷う人を助け、ボランティアにも積極的に参加したのに…


真っ当に、生きたのに。


「…何黙っているの?」


「…本当に殺す気ですか?」


大丈夫、大丈夫。


「本気よ…猫宮さんを大怪我させて、謝罪もなく…」


「俺は何も、」


「うるさい!」


普段出さない大声を出し、少しクラっとしている。その隙を見て、包丁を奪う。


「かえ…返しなさい…」


俺は、生き抜くためなら何だってしてやる。


生きるためなら、誰だって殺してやる。


「先生、ごめんなさい。」


俺は先生の心臓に1突きし、生徒指導室から走って出た。


___________________________________『安城百合香』


職員室に用があり、廊下を歩いていると、生徒指導室から誠斗くんが走って出てきた。


私をちらっと見ると、逃げてしまった。


「…え?」


何の気なしに生徒指導室を覗くと、中には…


心臓を突かれ死んだ、先生がいた。


「ど…どうして?誠斗くんが…?」


いや、分からない…呼び出されて行った誠斗くんが、たまたま目撃した…?


どうすればいいんだ…?


…いや…私は…


私は黙って、生徒指導室の鍵を閉めた。





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