「……利緒様、本当によろしいのですね」
明かりひとつつけていない室内。
窓の外から差しこむ月あかりだけが、青みをおびた光で部屋を照らしだしているなかで――あたしは、部屋の壁に背をあずけているラシッドの問いかけに短く息をはいていた。
「……だから、何度同じことを言わせる気? あたしは、海春を助けるために、彼女からレインを奪うって決めたの。……そのためなら、どんな手段もいとわないわ」
自分にあてがわれている客人用の寝室で、あたしは布張りの立派な長椅子に身を投げだすようにして座ると、あらわになっている素足を組んだ。
今夜、あたしはレインをこの部屋に呼んで、彼を誘惑して、身体の関係を交わして彼をあたしのものにしようとしていた。
海春たちと湯浴みをすませたあと、ひとりでずっと海春からレインを遠ざけるにはどうすればいいか考えていたのだけれど、ついにはこの方法しか思いつかなかったのだ。
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