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リトルナイトメアIII
⚠️ネタバレ、解釈違い等
「Hey…!ロゥ、あの紐切って!」
僕はアローンの頼みならなんだって聞く。
「ここを土台にしてあっちに飛び乗ろう」
だって、どんな時でも僕に道を示してくれた。
「眩しっ…、」
僕は眠っていた。ホコリがたつこの部屋に、外からの光が指す。
体を起きあげ、目で周りを見渡す。
「…アローン?」
目で見渡すと、床には鏡の破片が転がっている。
昨日僕はアローンと一緒にあの世界を抜け出したはずだった。
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「行こう…、アローン」
やっとこの悪夢が終わった。僕たちの恐ろしくて長い物語は、もう終わったのだ。
僕は鏡に手を添え、アローンに手を差し出す。
「なにしてるの…早く」
どんなに言っても、後ずさりするばかり。
前みたいに怒ったりしないから。
「私は行けないよ」
アローンは躊躇っていた手を下ろし、真っ直ぐ僕を見つめる。
「どうして…」
「ロゥの悪夢を終わらせるには」
言いかけた所で、僕はアローンの手を取りギュッと握った。
「一緒に戻ろう。僕たち、ずっと一緒だよ」
鏡に入って、僕は自分の部屋に戻ってきた。
繋いでたはずの手を確認すると、そこにアローンの姿はない。
「アローン?」
振り返ると同時に鏡が割れ、衝動で目を瞑っている間に鏡は粉々になった。 もう何も映さなかった。
アローン視点
「なにしてるの…早く」
ロゥは私の前に手を差し出した。
でも、私にその手を繋ぐ資格はないんだ。
「私は行けないよ」
私はロゥと離れる覚悟をできているから。
「ロ ゥの悪夢を終わらせるには」
ロゥの悪夢を終わらせるには、私がいたらダメ。
だって私は夢の中でしか生きられない人形なんだから。
言おうとすると、ロゥは私の手を強く握り離そうとしない。
「一緒に戻ろう。僕たち、ずっと一緒だよ」
一緒に戻りたかった。ずっと一緒にいたかった。
どれだけそう思ったか。
握り返すと、ロゥは鏡の中へ入っていく。
「いたっ…、」
はじき出された。そう、私は戻れないんだ。
君を悪夢から解放する為に、私は君と離れるんだ。
どうしようもない地獄だったこの世界で、君は光だった。どんなに怖くて、足がくすむような状況でも、君と手を握れば、君と抱きしめあえば、どんなものでも怖くなかったんだ。
思えばロゥがいなかったら、逃げきれなかったところもある。
つまり何が言いたいかって、私の中でロゥは…うーん、なんて言い表せばいいかな。
軽く聞こえる言葉かもしれないけど
私とロゥは固い何かで繋がってる。
なにがあってもちぎれることのない、強いなにかで。
さようなら、大親友。