テラーノベル
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「……っ!!…も、もう、早くチョコレート作りましょ…!」
「はいはい」
晴輝さんは言いながらまたクスッと笑った。
(いつもそうやって余裕な顔して私をからかうんだから…っ、ずるい…)
私は少し拗ねたような態度を見せて、キッチンに向かおうと立ち上がったとき
立ち上がった弾みに膝が微かに震える。
早くこの耐え難い甘い空気から脱出しようと、半ば逃げるように背を向けたその一瞬だった。
後ろから、大きな体温をぶつけられた。
ドサッと重い感覚が背中に重なり
それが晴輝さんの背中で、バックハグされていると気付いたときには心臓の鼓動がより早くなっていた。
体を支配する巨大な熱量。
逃げ場を完全に塞がれ、足の力が抜けそうになるのを必死で耐える。
「…すみません、モカさんが可愛くてイジワルしたくなってしまったんです。だから、そんなに拗ねないでください。…ね?」
耳元で囁かれたそのセリフは、今までプレイしてきたどの乙女ゲームのイケメンキャラのセリフよりも破壊力が強くて。
なんなら、女性向けのASMRでしか聞いたことがないような
あまりに色気溢れる声色と言葉選びに、全身がゾクゾクと震え、鼓膜まで震えた気がした。
耳介に触れる彼の唇の吐息もズルすぎる。
「…っ、そ、そういうことサラッと言わないでください…!しかも耳元で…」
「……耳、弱いんですね。モカさん」
「しょ、しょれをやめてって言ってるんです…!!」
耳を押さえて、顔だけで振り向いて反論するも
咬舌してしまうほど口の中が乾ききり
まともな発声すらままならない。
耳を覆う自分の手の上からでも、顔面の熱さがはっきりと伝わってくる。
彼は微動だにせず「わかりましたから」と言って私の頭をポンポンと撫でるだけだった。
頭頂部に置かれた手の平の優しさと、背中に押し当てられた体温の強烈な対比。
逃げ出したいのに、この温もりから離れたくないという矛盾した感情が胸の中で激しく渦巻く。
会って1時間も経たないうちにこんなにドキドキさせるなんて、ホストかなにかかと疑ってしまうほどだ。
私が経験がないだけなのかもしれないけど、晴輝さんの行動は確実にメロ男のそれだった。
そんな一面も含めて、好きになってしまったんだからしょうがないけど。
◆◇◆◇
それからチョコ作りを始めて1時間後───
完成したチョコは3時のおやつに食べようということで、リビングのソファに腰掛けた私たち。
甘い湯気と湯煎したチョコの香りに包まれた1時間は、作業に集中することでなんとか正気を保つことができた。
けれど、再び訪れたこの静寂と密室の空間は
先ほど以上の張り詰めた緊張感を伴って二人を包み込む。
コメント
1件
**第10話、読み終えたよ…!!🌸** もうね、耳元でバックハグとか卑怯すぎるでしょ晴輝さん…!!🥺💦 エモすぎてこっちまで膝震えたわ!「可愛くてイジワルしたくなった」って何それ破壊力やばくない?ASMRレベルの囁きとか反則だってば〜〜😭💕✨ チョコ作ってる間もずっとドキドキが続く感じとか、二人きりの静寂の重さとか、その空気感めっちゃ好きです……!モカさんの気持ちすごく分かるし、まだまだドキドキさせてほしいです!!続きが待ちきれないよ〜〜💞(200字)
ひより
9,202
鷹槻れん

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#強引
#シークレットベビー
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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