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アリィ「ただいま〜。」
ポルポル「ギー!」
アリィ「今日はゆっくり休みたいし、ハイ」
ジーク「なにこれ?」
アリィ「なんかこの町の名物料理なんだって。 」
ジーク「見た目は普通のパンだな?」
アリィ「まぁまぁ食べてみなって。」
ジーク「ぱくっ。もぐもぐ」
ジークはパンを食べると口をもごもごさせる。
ジーク「!?これ美味い!パンってパサパサするのに、これ凄いみずみずしくて美味い!」
アリィ「でしょ!?この町は野菜がよく育つから、野菜を使った料理が多いんだ。これはパンの中に野菜がいっぱい詰め込んであるんだって。」
ジーク「しかしこれまぁ凄いな。上手くバランスが取れている。」
アリィ「ねっ!普段食べてるのは薬草とか干し肉だから、これで少しは健康になればいいけど…。そういえばね、本当はもっと安いはずなんだけど少し高くなってて…。」
ジーク「まっ、たまには贅沢もいいだろ。価格高騰か…、まぁ悪魔の仕業だろうな。」
アリィ「うん。私達が倒したのとは別の悪魔だけどね。」
アリィがそう言うとジークは宿の窓を見つめる。
ジーク「…俺達は自分の身を守るので精一杯だ。そういった仕事は専門家であるハンターに任せるのが1番だ。」
ジークがそう言ったあと、アリィもジークの視線の先を見つめる。
アリィ「…獣人…?」
ジーク「ああ。」
アリィ「初めて見た…。」
ジーク「そうか、お前は…そうだったな。
獣人は、俺達人間より身体能力が高い。戦いに特化した種族だ。戦い以外にもその身体能力を活かして仕事に就く奴らが多い。」
アリィ「…ここの人達いい人ばっかだったよ。悪魔、無事に討伐されるといいな。 」
ジーク「そうだな。今日はもう、余計なことを考えずに寝よう。お前は昨日一晩中見張りをしてくれていたんだし、尚更な。」
アリィ「そう…だね。」
ジーク「…複雑か?」
アリィ「そりゃあね。…でも考えても仕方がないよね。」
ジーク「今日は何も考えずゆっくり休め。」
アリィ「うん、おやすみジーク。ポルポル。」
ポルポル「ギッ!」
ジーク「おやすみ、アリィ。ポルポル。」
アリィ「ん…パチ…。」
アリィがパチリと目を覚ます。
ジーク「ん、おはよう。アリィ。」
アリィ「おはよう…ジーク。」
ジーク「よく眠ってたな。もう11時だ。」
アリィ「ほんとだ…。」
ジーク「ゆっくり休めたか?」
アリィ「うん。ところでポルポルは?」
ジーク「起きてるよ。」
ポルポル「ギッ!」
アリィ「ふふ、ポルポルもおはよう。今日は…」
ジーク「昨日は食べたらずっと寝てたからな。
今日は食材調達の後に、ナイフを研いでもらう。ついでにカバーの修理も。後は矢の補充くらいか。アリィは何かあるか?」
アリィ「私は特に…あ!」
ジーク「どうした?」
アリィ「えっと…良かったらなんだけど…ポルポルにも何かおしゃれなもの買ってあげたいなって…。」
ジーク「別にいいぞ。」
アリィ「えっ!?いいの!?」
ジーク「言っただろ、思ったより稼げたって。
こいつが何考えてたのかは知らないが、助けてもらったのは事実だ。何かお礼にいいものを買ってやるといい。 」
アリィ「わーい!やったね!ポルポル!」
ポルポル「ギー!」
アリィ「じゃあ私達は、2人で行ってくるね。」
ジーク「ああ。」
ジーク「これ下さい。」
ぐ〜
店主「はいよー。」
ぐ〜
ジーク&店主「……。」
ぐ〜。と誰かのお腹がしきりに鳴く。
ジークが周りを見渡すと、近くには涎を垂らした猫の女性獣人がいた。
ジーク「…食べます…?」
ジークが若干引きながらも哀れみ、先程買った食材を差し出す。すると女性獣人は食い気味に泣きながら答える。
女性獣人「いいんですか!?あいがとうございまず!!もう3日もなにもだべでなぐで…!」
女性は感謝を述べるとそれはもう一心不乱に食らいついた。
ジーク「すごい食いつき…」
店主「姉ちゃん、あんたその格好からしてハンターだろ?結構稼げてるんじゃ…」
女性「わだじ、むがじがらうんがわるぐで…もうなにやってもだめで…うう〜…!」
女性「聞いてくださいよ!今回の依頼は森に悪魔が出たらしいので、それを狙ってたんです!でも、全然探しても探してもみつがらなぐで…!」
ジーク「ん?森…?」
店主「なんだ兄ちゃん、心当たりでもあるのか?」
女性「心当たり!?なんでも教えてください!お礼ならなんでもしますから…!!」
ジーク(森…悪魔…この辺で森って言うとひとつだよ…な…あれ、俺達…悪魔…はっ…!?)
ジークの顔が徐々に青ざめていく
女性「さぁ!少しのことでもいいんです!さぁ!」
ジーク「し、失礼しましたああああぁぁぁ!」
ジークはそう言って目にも止まらぬ速さで逃げていく。
女性「あぁ!せめてご飯のお礼を!」
女性もジークを追いかけていく。
ジーク「結構ですううううううう!!」
店主「モテるねぇ」
ジーク「違うわ!ぼけ!」
一方その頃
アリィ「うわ〜っ!ポルポル超可愛い!」
ポルポル「ギー…!(小さく鳴く)」
2人のファッションショーが行われていた。