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もしひな

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21

第21話もしも日向が病んでいたら

♥

306

2022年08月10日

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ただ単にこういうのが書きたくなって書いた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日はクズに殴られた

クズというのは俺の母親

毎日毎日男を連れ込んでは自分の部屋で今日も汚い声を上げている

父親は事故の時、俺をかばって死んだ

死体はひどかった

左目が吹き飛んでいた

それから母は壊れた

父がもともと頭がいいほうなので勉強をさせられた

料理も得意だったのでやらされた

俺はどんどん父に似ていった

だが一つだけ

背が違った

それはどうしようもない

母は俺を父の代わりにしようとしているのだ

だから俺を父にそっくりなやつにした

だけど背の大きさはどうしようもない

背の低さから俺を見るたび殴ってくる

勉強や料理ができるから父親を思い出し

背の低さで自分の息子、父はもういないと認識してしまう

それがムカつくのか

理由はわからないがただひたすら毎日のようにクズは俺を殴ってくる

それを見たクズが連れ込んだ男は俺を殴った

クズの知り合いはクズ何だなと認識させられた

ある日

珍しくクズが帰ってこなかった

だがクズは帰ってこないほうが個人的には都合がいい

ぱぱっと料理を作ってからそれを食べ、風呂に入り眠りについた



ふと顔が濡れた気がした

多分夜中

外が暗く月がぼんやりと光っているのがわかった

それと同時になにかが自分に覆いかぶさっていたのがわかった

ゆっくりと目を開けると何故かスプーンを持ったクズだった

突然のことに固まっているとクズがぼそっと呟くように喋り始めた


「お前のせいであの人は死んだんだよ」

「だから代わりにお前があの人になってもらわなきゃいけない」

「もう背のことは諦める。でも私が最後に見たあの人は左目が吹き飛んでいた

だからお前の左目もくり抜いたらあの人に似るだろ?」


狂っている

一言で言うとそうだろう

それ言った後クズは、

アイツは俺の左目にスプーンを滑り込ませ

抉るように取った

俺の目に激痛が走り俺は意識を手放した



気がつけば朝だった

アイツはもう家を出ていた

とりあえず俺はニュースをつけ朝飯づくりに移った

ニュースを見ていると近くで交通事故が起きたとのこと

ひき逃げで被害者は左目が吹き飛んでいたらしい

左目

なにか突っかかることがあった

そのままニュースを見ていると被害者の特徴にオレンジ色の髪というのが出てきた

そうか

アイツは俺の左目を事故でなくしたということにしているのか

つくづくクズだ

もともと前髪が長くてよかった

前髪で目が隠れる

学校ではバレないだろう


学校につきいつも道理朝練をこなし

授業を受け昼休みに入った

日向は授業の終わりの合図とともに屋上に向かった

普段からあまり人が来ない屋上は授業終わりなだけあって人が居なかった

日向は弁当を起きそれを広げずフェンスによった

フェンスにもたれかかりため息をつき歌い出す


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あってないような ふたりのヒミツを

全部まとめてロッカーへ

重なり合った愛と愛を

また全部まとめてロッカーへ

それは想像でできたシアワセを

詰め直そうと閉じ込めたココロ

(僕は能動的に忙しい身なんだ)

お邪魔な荷物はぽぽいのぽいぽいぽい

指先から 伝わる感動を

全部まとめてロッカーへ

喉元から 搔き出す感情を

全部まとめてロッカーへ

ふが抜けてる君は「ふ」必要

それが何だって事なんだってば

(忙しい内緒は卒業しよう)

なんて好き勝手言ってさ…!

それじゃ サヨナラ サヨナラ

コインロッカーベイビー

巡り巡る恨み晴らせ

後から後から混ざる種は

メを掲げようと震えてた

けれど ごめんね ごめんね

コインロッカーベイビー

廻り回る命燃やせ

痛みを逃れて夢の中へ

現実を隔てて笑ってた…

背中越しに 伝わる感動を

全部まとめてロッカーへ

受話器越しに 吐きだす感情を

全部まとめてロッカーへ

あってないような ふたりのヒミツを

一歩下がって見つめて

絡まり合った 愛と愛をまた

全部まとめてロッカーへ

人も油もいつかはおいる?

それが何だって事なんだってば

(忙しい内緒は卒業したよ)

はやく「好きだ」って言ってよ…!

傷ついた心

叶わない夢

大切な想いを

元に戻して

されどバラバラ マダラに紛れ

敢えてナマナカ ミダラに塗れ

待てど暮らせど怖気づいた頃には

ちょいと遅すぎた間に合わない…

(サヨナラ サヨナラ

コインロッカーベイビー

巡り巡る恨み晴らせ)

(後から後から混ざる種は

メを掲げようと震えてた)

それじゃ

サヨナラ サヨナラ コインロッカーベイビー

巡り巡る恨み晴らせ

後から後から混ざる種は

メを掲げようと震えてた

けれど ごめんね ごめんね

コインロッカーベイビー

廻り回る命燃やせ

痛みを逃れて夢の中へ

笑みを浮かべて

まどろみながら

冷たくなっちゃった…!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


歌い終わると同時にチャイムが鳴る


「そろそろ戻るか」


日向はまだ手を付けていない弁当を拾い上げ

教室に戻った




教室に戻った後授業を受け

放課後になる

今日は部活がないのでクラスメイトたちは

ゲーセンに寄ろうなどと話しながら帰っていく

ついに教室には日向だけになった

だが日向は席を立とうともしない

そのまま10分20分とどんどん時間が過ぎていく

すると日向は突然席を立ち荷物も持たずフラフラと歩き始めた

フラフラと歩きながらある曲を歌い出す


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

生まれる前は しんでいたんだから

生まれる前に 戻るだけだから!

きみの 虚しく傷んだおもいと危険思想を

ひとつ 分けてはくれないか

きみの ただれて腐った未練のかたまりを

惨め 惨めに つみあげて

いたい いたい つらいな?

うた、 うたう たのしいー

むかう むかう めのまえ

簡単だよ!

まあ、

生まれるまえは しんでいたんだから

生まれるまえに 戻るだけだから!

(からっから)

あー

生まれるまえは しんでいたんだから

まあ、

生まれるまえに 戻るだけだから。

もう怖くないよ


ぼくの 私情にまみれた哀れな 憂いごとを

誰か 一緒に救わない?

ぼくの形を 弄って変えちゃう ばけものを

ひとつ ころしてくれないか


愉快 不快 喰らいな

ねむい?ねたい?ねちゃいな

眠っている あいだに、

つれていくよ

おうおうお

まあ、

生まれるまえは しんでいたんだから

生まれるまえに 戻るだけだから!

(からっから)

あー

生まれるまえは しんでいたんだから

まあ、

生まれるまえに 戻るだけだから、

もうつらくないし

痛くないし

怖くないよ

(ほんとだよ)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

歌を歌い終わる頃には屋上のドアに来ていた

日向は取手に手をかけ開く

鍵はかかってはおらずすんなり会いた

すると日向はまた歌い出す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

見え透いた嘘 信じ切ったりして

気付いたこと 気付いたこと

もう立ち止まるには遅いということ

黒ずんだ心 放っておいたりして

分かったこと 分かったこと

もう立ち直るには遅いということ

ああ、そんな奴の子に生まれて

惨めを真面目に蔑さげすまれて

分かってることは否認の失敗と

形骸化けいがいかした愛よ

おぼこ娘のおとめさび

役立たないものと覚えたり

残った役目は奴隷の再生成せいさん

それだけが生命

この輪廻転生を仕舞えよ

いざぶち壊したれよこの世と

心と 体と これまでの無数の安寧を

はびこった偶像を見捨てよ

絡まった現状を見切れよ

冷たく 正しく 切り取れよ、歪ゆがんだ迎合を

残念に 生まれ損なったあなたには

どう足掻いても

見るも無残な生き先しか 残っていないから。

いっそのこと、涙は枯らして

潔く諦めようぜ そうして幸せになろうぜ

(あ、そっか)


見え透いた嘘 貪ったりして

気付いたこと 気付いたこと

もう夢の終わりが近いということ

黒ずんだ言葉 言い放ったりして

分かったこと 分かったこと

もう罪の咎めは近いということ

そんな無様なカタチに生まれて

自分に向く吐き気に追われて

分かってることは否認の失敗と

機能不全の愛よ

おぼこ娘のおとめさび

げに下らんものと見付けたり

叶えて進ぜよう、まだ見ぬ君の

「産まれたくない」を

この輪廻転生を仕舞えよ

いざぶち壊したれよこの世と

心と 体と これまでの無数の安寧を

この森羅万象を逃れよ

入り組んだ感情を躱かわせよ

この手に この目に 刻まれた無数の重態を

度重なる

自問自答、危険思想

大体喰らい尽くした愛の本性

今に見てろよと切った啖呵の純然かつ不格好な敗走

「生きてる間だけが全てだ」って信じきってる純な妄想誕生!

と、奴隷の再生産、それだけの生命

繋いでは切って安全を自ら失っていく妙な快感

湿っぽい言葉ぶちまけてやって密室に湧く次の犠牲者

こんな気持も味わえる時点で解っているだろう この世のこと

こんな痛みも味わえる時点で解っているだろう その後のこと

笑えないことばかりだったよな、

いつからか

積り積もった思い出に

クラっとくるわ!

両の視界を濡らして濡らして

終わったあれと別れようぜ

完全に 生まれ損なったあなたには

どう もがいても

見るも無残な生き先しか

選べないから。

いっそのこと、涙は枯らして

ためらわずに 旅立とうか

もう一度 産まれ直そうか

そうして幸せになろうぜ

君は何も悪くないぜ

(多分)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そろそろ死ぬか」

「さよならバレー部の皆さん」


歌い終わると同時に日向はそれだけ言い残し屋上から飛び降りた

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コメント

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初見です。 主様のストーリーすごく好きです!! この話の続き?その後ー…とかあったりします??見たいです!

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