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第4話 【 儚い記憶 】
私はそんな本を読んだ。
聞いた。
メイが、居たことを。
この街に
……
いや、私には関係ないわ
赤の他人。
でも、メイってどんな見た目だったのかしら。
……
「 そばかすがあり、黒髪、一重、唇は薄め…… 」
「 なにこれ。 」
「 そんなの、メイじゃないわ 」
なんとなく、そう感じた。
私は
黒髪で
二重で
肌がとても綺麗で
肌が白く
茶色い瞳
……
少し
少しだけ
似ててほしいな。
「 ユナ。 何しているの? 」
「 あ、お母様。 」
「 少し、メイについて調べてたの 」
「 そう 」
「 …… 」
「 お母様、 メイについて知りたい 」
「 それは本の女の子よ。 」
「…… お母様、 」
「 何故、この子を知っていてメイと付けたかったの? 」
「 …… 」
「 メイのような、素敵な子になってほしいからよ」
……
違う
こんなのじゃない
「 でも、メイ死んでしまうのよ? 」
「 そうね。 」
「 元気かしらね、」
「 元気だよ、きっと。 」
……
なんで
黙るの
お母様の部屋で見つけた。
古い本。
結の命。
第1章
ユナと言う女の子
第2章
命
。
何これ。
まるで
双子みたいね。
本当にほんの中だけかな。
きっとそうね。
ね、ユナ。
ユナは生きてる。
メイは死んでる。
私が15の年、
死んだら
……
なんて
暗いわ
だめよ、
生きなきゃ。
貴方の分まで。
ね。
END