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第5話 【 ユナ 】
14の年。
お祖母様に聞いたの
「 お祖母様、 ユナ という名前に漢字をつけるならば、何にしますか? 」
「 そうねえ、…… 」
「 人と人との結びを作って欲しいから 」
……
「 そうなんですか! 」
「 とても、素敵です。 」
「 ユナ、貴方はなんて漢字にする? 」
「 …… 、なんでしょうかね笑 」
「 佑奈、かな? 」
「 …そう、 」
「 少し、席を離すわ。 」
「 はい! 」
「 お祖母様、戻って来ないな 」
「 んー、暇。 」
「 あ、お祖母様の漢字、メモしておこう 」
そう思い、紙を取りに行こうとしたら
「 ユナ様!、」
「 あら、セバスチャン。 どうしたの? 」
「 お祖母様を見ておりませんでしょうか? 」
「 なにか、席を離れると言っていたわ 」
「 ……、そうですか 」
「ありがとうございます 」
お祖母様は軽度の認知症。
また庭で歌っているのよ、きっと。
15の年。
お祖母様が死んだ。
事故だった。
ユナに残してくれたものは何も無い
「 物じゃなくても、なにか…… 」
そうだ
名前。
名前だ!
「結、とかいて」
ユナ。
「 ふふ、笑 」
「 メイの本にもあったわね、 」
「 結。 」
本当に運命だな、って
「 ユナー? 」
「 なんですか?お母様。 」
「 おばあちゃんから、漢字を… 」
「 …考えてくれましたよ 」
「 結、でユナだと 」
「 そう、 」
END