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気まずい。さっき変なこといったせいでルンルンな弟ベルンと食事をマナーよく食べる兄ミラル、謎にニコニコしている母ガリーシュにすましがおをし、黙っている父リザル。そして、そんな家族にどう接したらいいのか戸惑う使用人や慣れっこな使用人。ベテランともなればさらっと話題も提示してくれる。しかし、それを拾うのはガリーシュのみで他は皆黙りだ。何でそこだけ息ぴったりなんだよ!僕はツッコミを入れる。
「冬休み、友を連れてこようと思っている。その了承を得たいと思って。どうかな父様、母様?」
おっよく話した!おまえは勇者だよミラル。感心する僕をよそに
「いいじゃない。連れてらっしゃい。楽しみね」
なんて笑う母。
「地位は?」
その一言で場が凍った。
どうしてそんなこと言うの?どうして?そんな顔をするミラル。言えばいいのに、言えない地位なら付き合わなきゃいいのに。そう思う僕は薄情なのだろうか。でも僕の家はホワイト家は伯爵家だ。成金なんかじゃない。実力ももちろんだが、代々受け継いできたその座がある。そんな家が男爵、子爵なんかとつるんでいいはずかない。そう、ないのだ。ミラルの顔が青くなる。
「地位は?」
リザルは誰よりもその大切さを知っている。だから問うている。地位はと、再度問うている。
「あっ..えっと…」
見なくてもわかる。焦っている。次期当主がこんな質問にも答えられない。…見てられない。
「ごちそうさまでした。失礼します。」
そういって席を立った、立ったのにはずなのに食事前。これは…魔法!そうだこの世界には魔法がある!そしてこれはベルンの魔法。そうこの一族、ホワイト家は皆魔法を使えるのだ。母 使役、父 読心 、兄 束縛、弟 時間、僕 本…本?皆だいたいわかる。でも本ってなんだ?調べてみた。本とは専用のペンと紙で文字、絵などを書いたらそれらが現実となって現れるらしい。でも僕はそのペンと紙を持っていないからただの役立たずなんだ。珍しく母の顔が燃えている。おそらく父のあの発言、兄のその対応ちについての怒りだろう。だからいった。
「魔法ありの剣勝負、リザルが勝ったらミラルの話しは無し。ミラルが勝ったら、リザルはそれについて口出しをしない。これでどう?正々堂々戦える?」
「あぁ」
「わかりました」
さすが 母様、一瞬で終わらせるなんて。でも兄様大丈夫かな?相手はあの国内最強だぞ?まぁ完璧も時には敗北を知るべきだ。
「マラリ、ベルン、あなたたちもいずれあのようになってもらいますからね」
「うん!」
「はい」
そうか、僕の、僕らの未来は決まっているんだ。しかれたレールの上を走る列車のように。ベルンの魔法だって母様の指示だろう。自分で決めたことじゃない。僕はこの時、この世界の十分の一を理解した。