テラーノベル
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たまに、夜が重すぎて立っていられなくなる。
そういうときは、白い粉にちょっとだけ頼る。
大丈夫。
ほんの少しだけ。
誰も俺のことなんか信じちゃいない。
そりゃそうだろ、俺自身が一番信用してないんだから。
でも時々、信じてるフリくらいはしてやる。
その方が客も金を落としてくれるからな。
後ろで結ぶほどじゃないが、肩にかかるくらいの髪が、
酔いで湿った夜風に揺れている。
手入れはしているはずなのに、どこかだらしない。
それが逆に、客には受けがいいらしい。
俺自身は、どうでもいいけど。
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