駅前の人通りが多い帰り道。
はぁ…
今日も普通だったな…
私、米沢 菜摘 は溜息をつく。
5月にもなってまだ友達がいない私。
もうクラスではグループが
できあがっている状態。
そんな中に入り込める隙もない。
私が社交的で明るくて、
親しみやすい子だったら…
そう考えるが首を振る。
そもそも陽キャなら残される
こともないよね…
クラスのグループには必ず
陽キャグループことキラキラグループ
が存在する。と思う。
そして周りにちらほらと
小さいグループがある。
そんな少人数であまり目立たない
私にピッタリなグループにでさえ
所属できなかった私はぼっち。
友達に近い存在ならいるが、
アレはもう遠い存在だ。
しょっちゅう絡まれるが
ウザいと思う反面嬉しいと思うこともある。
私も友達がほしいな…
出会いとかないのかな、運命的な…
柄にもないことを考える私。
いっそ恋愛なうのバカップルを
見習い、恋愛をしてみようか…
そんなことを考えていた私は
誰かと思いっきりぶつかってしまった。
地面に尻もちをついた私は
尻もちをついた衝撃で半泣きだった。
コンクリートって痛いよね!
ダンゴムシはこんなの食べてんだよ!
でもこんなに痛かったっけ!
暗いこと考えてるからかな!
「大丈夫ですか?」
上から投げかけられた声を聞き、
慌てて私は立ち、顔をあげる。
目の前にいたのは
顔が整った青年…ではなく、
白くまの着ぐるみを着た、
ティッシュ配りの人だった。
お店の宣伝中らしい。
思わず拍子抜けする。
なんでこんな衝撃が強い…
めちゃくちゃ痛かったぞ…
我に返った私は頭を下げて謝る。
宣伝中の方こと、白くまさんは
とんでもないです、と言わんばかりに
両手をブンブン振る。
取れちゃうぞ、手袋。
さよならを告げ、また私は歩きだす。
コンクリートが硬いこと、
着ぐるみの触り心地は気持ち良いこと、
改めて知らされた私はそんなこんなで、
いよいよ家がある住宅街の手前に
差し掛かった。
そこの角を曲ればもう家だ!
小走りで角を曲がると、
「うわっ」
またもや人とぶつかった。
厄日だね⭐︎
コメント
3件
初めまして!m(*_ _)m すごく面白いです!!!! 続き楽しみにしてます🎶