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#大人の恋
鷹槻れん

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#ハッピーエンド
美凪ましろ
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コメント
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第9話、読み終わりました…。冒頭のほっこりした温かい空気から、一転して防犯カメラの映像で奈緒さんが真実を知ってしまう展開、胸が締め付けられました。「馬鹿みたい」の一言に、あの夜の楽しい時間が全部塗り替えられてしまう辛さが詰まっていて…。それでもビーフシチューを混ぜながら感情を閉じ込める姿に、彼女の強い意志を感じました。義父の「何かあった?」という優しさがまた沁みますね。次が気になります!
目を覚ますとベッドの中だった。
時計を確認するとまだ0時過ぎくらいだ、楽しくてつい飲み過ぎてしまったのか途中から記憶が曖昧になっている。
楽しかった。
今日はもうその気持ちのまま眠ってしまおうと思った時、ドアが開いて誰かが入ってくる。
海かな?
お礼を言うために起きた方がいいだろうか?
そんなことをぼんやり考えていいると、その人はベッドに入り私のすぐ隣に来た。
「奈緒」
返事をしようとしたが、眠くてそれも億劫だった。
「寝てる?」
どうしよう、返事を・・・しないと
「今までずっとあきらめてきた、だけど欲張ってもいいのかな」
何を言ってるんだろう
「おやすみ」
海はそういうと背後から私を抱きしめる。
海の香りがとても心地よく安定剤となって意識が完全に途切れた。
朝、海の腕の中で目が覚め昨夜の事が断片的に思い出して来た。
久しぶりに楽しいお酒で飲み過ぎて足に力が入らなくなり海に横抱きでタクシーに乗り込み家に着いた時に海にまた抱きかかえられて家に入った。
更には服を脱ぎ散らかしながらベッドルームに入りそのままダイブした。
「最悪」
そっとベッドから出て部屋着を着る。
脱ぎ捨てたはずの服はハンガーにかけて壁にぶら下がっている。
海がやってくれたんだ。
まだベッドで眠っている海を残して顔を洗って簡単に髪をまとめるとキッチンに向かう。
その途中リビングのソファに昨日持っていたバッグが置いてある。
バッグの中から小さなケースを取り出すとピアスを取り出して耳につけてキッチンに戻り朝食の支度を始めた。
食器棚に耳を映して微笑んでみる。
「気づくかな」
サラダに温めたバターロール、野菜スープにオムレツをテーブルに並べていると「おはよう」と声が掛かった。
「おはよう、昨日はありがとう、そして迷惑かけてしまってごめんなさい」
「迷惑なんてかかってないよ、むしろ奈緒のかわいいところが見れて嬉しかった」
海は私の耳を触ると「似合ってる」と耳元で囁いて椅子に座った。
海を送り出してから、いつもの作業を済ませるとしばらくは自分の時間だ。
昨夜の醜態はどんな感じだったろう、恥ずかしいけどちょっと確認してみよう。
リビングのカメラはSDカードに分割して録画するタイプなので、カードを取り外すとベッドルームにむかいベッドの上でパソコンを起動して動画のサムネをざっと見ていく。
その中に気になるものが映っていた。
気になるサムネの2つ前のものから再生をする。
海がソファに座ってスマホを見ている。
何かを打ち込んでいるようなので、きっとLINEかなにかをやっているのかもしれない。
しばらくすると海が驚いた表情になりその視線の先には
弥生が立っていた。
「来ちゃった」
弥生はそう言うとソファに座る海に跨りキスをしようとしたところを海が止める。
「ここではやめようって言ったじゃないか」
「だってぇ、今日はあの女とデートしたんでしょ。ずるい」
「それでも、目的達成するまでどんな些細なことでも疑われることはだめだろ」
「じゃあ、キスだけでもいい」
そいうと弥生は海にキスをした。
「本当に、もうこっちではダメだ。これだけは守ってもらう」
海の声が今まで聞いたことのないほど低い、弥生はすこし驚いた表情に見えた。
「わかった、それとこれを持ってきたの」
小さなチャック付き袋を海に渡しながら
「明後日、急遽出張になったから」
海はその袋をうけとると「わかった、もう行ってくれ」と言うと弥生はもう一度海に軽くキスをして戻っていった。
ナニコレ
今の動画をコピーしてパソコンに保存をすると、SDカードは元のカメラに戻した。
なにこれ
何これ
馬鹿みたい
ピアスもらって浮かれて
両耳のピアスを外して一つはケースにもどして一つはティッシュにつつんでジュエリーボックスにそのまま放った。
ビーフシチューをゆっくりゆっくりトロ火で混ぜる。
楽しく感じたあのひとときを封じ込めるように。
私の感情も封じ込めるように。
向こうの家で完成させるため鍋ごと他の料理と共にカートに乗せて押していく。
キッチンに入るとお義父さまがリビンングから歩いてきた。
「今日はなんだい?奈緒さんの料理が美味しいから夕食が楽しみになって外食をする気が無くなったよ」
「そう言っていただけて作り甲斐があります。チョコありがとうございました。すごく美味しいけど勿体無くて、でも眺めているだけでも楽しいです」
「ははは、そんなに喜んでもらえるなら渡してよかった」
ガーリックトーストをオーブントースターに入れるとビーフシチューを皿に盛り付けていく。サラダを並べたところでガーリックトーストを取り出してテーブルに置き、家に戻ろうとした時
「奈緒さん、何かあった?」
「え?」
「なんとなく沈んでいるように見えたらから」
「そんな事ないですよ、それでは」
涙が出そうだった。
お義父様はこんな些細な心の揺れまで気がついてくれる。それとも、私の感情が言うことを聞いてくれなくて隠せないの?
あんな奴のために絶対に泣きたくないのに、あの二人がキスをしている映像を思い出してしまう。
今からこんなんじゃ、弥生を追い詰めるなんてできない。
もっと強くなりたい。
キッチンに戻ってくると海が既に帰宅していた
「奈緒?どうした?」
「何が?」
動揺を悟られないようにしないと。
海は頬を手のひらで包むと親指で涙を拭った。
いつの間にか涙がこぼれていた。
海の指はゆっくりと耳たぶを触り
「ピアスどうして外してるの?」
ピアス、あんたのくれたものをつける気がしないだけとは言えないし、迂闊にも涙を流してしまった理由にするのも悪くない。
「せっかくもらったのに、片方を無くしてしまって。探したけど見つからなくて」
海は私を抱きしめる
「だから泣いていたんだ、ピアスなんていくつでも買ってあげるから」
私は海の腕のなかでイヤイヤをする。
「誕生日にもらった物だから価値があるの、家で落としたことは間違いないと思うから、すこしづつ探そうと思ってる」
「そうか、俺も気をつけてみるようにするよ。だから、泣かないで」
「うん」と腕の中で頷いた。
夜、海に求められるまま抱かれた。
この男にとっては、子供を得るためだけの行為。
でも、お前たちの為に子供を産むなんて絶対にしない。
だけど
永遠に会いたい。