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どうも‼wakaです‼今回もミオがフラグを折っていきますよ‼

それでは、どうぞ‼


デュソルバートを退けたあと、私達はただずっと階段を上っていた。ここには、たくさんの修道士や修道女がいるはずだけど……。

そういえば、アルドさんとノアさん、元気かな。本当に申し訳ない事をしちゃったな……。あんなに私を実の娘のように接してくれたのに、恩を仇で返すってこの事だよ。本当に。

いや、今は目の前の敵を倒すことだけに集中しなくちゃ。

ふと、キリトが真剣な顔で訊いて来た。

キ「なぁ、ミオ、ユージオ」

ユ「な、なんだい」

ミ「えちょっと待って怖いよそのキリトの真剣な顔」

キ「おい……」

私の根っからの本音に、走りながらもジト目を向けてくるキリト。しかし、キリトの質問は思わずズッコケそうになる程小さい事だった。

キ「今、何階だっけ……」

ユ・ミ「「おい……」」

ユージオとシンクロしてふらりとよろめく。

ミ「真剣な顔だからどんな爆弾が降って来るかと思ったら……まぁ、私も分からないけど。ユージオ、何階なの?」

私も分からない、とユージオを見ると、明らかに呆れた表情のユージオと目が合った。

ユ「はぁ…次が29階だよ。まさか、数えてなかったんじゃないだろうな」

ミ「そのまさかです‼」

キ「いや、普通は階段には階数表示があって然るべきだと思わないか」

潔くそういう私とキリト。一度立ち止まると、キリトは踊り場の壁に背中を預けた。

キ「しっかし、もう随分と上った気がしたんだけどなぁ……腹減ったなぁ……」

ミ「ふーん?じゃあ、その右ポケットがなんか膨らんでるのはなーに?」

あからさまにギクリとするキリト。ユージオもそれに気づいていたらしく、疑惑の目を向ける。

キ「2人とも意外と目敏いな……」

そう言って、キリトはポケットから肉まんを2つ取り出した。

ミ「ふふふ……」

キ「な、なんだ?ミオ」

ユ「どうしたの?」

そう尋ねられるのと同時に、私は左ポケットから美味しそうな匂いがするものを取り出した。

キ「なっ!そ、それは……!!」

ミ「その通りだキリトクン!!これは肉まんだ!!」

ユ「はぁ…そうだと思ったよ、ミオ」

実は私も肉まんをくすねておいたのだ。これで3つ揃ったので、遠慮なく肉まんにかぶりつく。

ミ「……めっちゃうま」

隣の育ち盛りの青年2人も、ものの数十秒で食べ終わってしまっていた。

ユ「ご馳走様。……で、どうする?あと30分も上れば50階だけど…正面から乗り込むのかい?」

キ「んーー……」

ミ「んー?」

キリトが難しい顔で唸る。

キ「そうだなぁ……。整合騎士の恐ろしさは嫌と言うほど分かったけど、あのおっさんとの戦闘を見た限り、あいつらはやっぱり連続技に慣れてない、というより、未経験なんだろうな。一対一の接近戦に持ち込めれば勝機はあると思いたい。でも、敵が複数のうえに準備万端待ち受けてるんじゃ、それも難しい」

ユ「じゃあ、正面から行くのはやめて、他の道を探す?」

ミ「でも大階段が唯一の通路だってカーディナルさん言ってたし、50階にいる整合騎士さんたちは、どうにかして私達をそこで倒しておきたいんだろうね」

キ「ああ。ということで、俺達も切り札を使わざるを得ない状況なんだけど、幸いおっさんが警告してくれたおかげで、50階に突入する前に長ったらしい術式を準備しておく時間がある」

ユージオはハッとした顔で呟いた。

ユ「そうか……武装完全支配術…」

ミ「だったらさ、私が50階に入ったら、最初に斬りこむからその後にキリト達が完全支配術を使ったら?」

私の提案に、キリトは「いいじゃないかミオ君」と冗談半分の口調だが、ユージオが申し訳なさそうな表情で言った。

ユ「そのことなんだけど…ミオ、キリト」

ミ「ん?何でも言っていいよ?」

ユ「僕の完全支配術はさっきの整合騎士の技みたいな大威力の直接攻撃って感じじゃないんだ」

キ「え、そ、そうなの……?」

ミ「ほうほう、一度詠唱してみてよ」

すると、ユージオは淀みなくすらすらと武装完全支配術の術式を唱えていく。最後の「エンハンス・アーマメント」は抜きで。言い終わると、キリトはニヤリと笑った。

キ「なるほどな。確かに攻撃的とは言いづらいけど、でも使い方次第で充分に役立ちそうだぞ。俺の完全支配術とも相性は悪くなさそうだし…ってミオ?」

ミ「……ぜんっぜん、わかんない……」

ユ「ミオの気持ちは分かるよ…それよりも、キリトのはどんな技なんだい?」

いや本当に分からないんだって‼キリトなら分かるかもしれないけどね⁉わからないよ私には‼無理!

キ「見てからのお楽しみだ」

そう言ってのけるキリトをユージオは軽く睨んだが、キリトはどこ吹く風で流す。

キ「ま、作戦とも言えないような作戦だけど、50階に辿り着いたら、俺達が術式を詠唱するのと同時に、ミオが真っ先に整合騎士たちに斬りこむ。それで敵の位置や数を確認して、俺達の準備が出来たら、ミオは一度後ろに下がって俺達が術をぶちかますって感じでいいな?そうすれば全員を無力化できるかもしれない」

ミ「さんせーい」

ユ「……そう、だね」

ユージオは悩んでいる様子だったが、やがて顔を上げると「うん」と頷いた。

ユ「…じゃあ、それでいこうか…っ」

不自然に声を途切れさせ、ユージオはある一点を見つめた。あれれ~?まさかの~?来ちゃったかな~?頭では「やっぱり」と思いながらも、ユージオが見つめている階段上をキリトと見上げる。そこには、修道服に身を包んだ双子の女の子2人が、こちらを凝視していた。片方はおさげで、もう片方はショートカット。どちらも茶髪だ。先に口を開いたのはショートカットの女の子だった。

フィ(フィゼル)「君達…誰?」

ユ「こ……子供…?」

ユージオが戸惑ったような声で言う。

フィ「あの…あたし、じゃない私は、公理教会修道女見習いのフィゼルです。そんでこっちが同じく修道女見習いの…」

リ(リネル)「リ…リネルです」

2人の声は震えているが、これが演技だと思うとぞっとする。役者目指した方が良いと思うよ、本当に。

フィ「あの…ダークテリトリーからの侵入者っていうのは、あなたたちのことですか?」

キ「は……?」

驚いた顔をするキリトとユージオ。しかし、キリトは「子供は苦手なんだ。お前らに任す」と言い、私とユージオに丸投げした。まぁ別に良いけどね?麻痺毒に気を付ければね?

でも、できるだけ早く芽は摘んでおいた方が良いよなぁ……。

そう思った私は、ずんずん階段を上り、フィゼルちゃんとリネルちゃんに近付いた。

フィ「…え……?」

リ「な、なんですか……?」

ミ「君達、整合騎士だよね?」

ユ「は……?まさか」

私のド直球な問いに、少女2人は呆気にとられた顔をした。しかし、向こう側もなかなか化けの皮を剝ごうとはしない。

リ「何言ってるんですか。まだまだ見習いの私達が整合騎士になんてなれるわけないじゃないですか」

フィ「そーそー。だって神器だってなんにも持ってないんだよ?」

私は左腰から剣を引き抜くと、剣の先っちょでフィゼルちゃんの左腰にある剣の鍔を持ち上げた。見えた刃は濁った緑色。キリトは、何かに気付いたのか、「あっ」と口を開いた。

キ「それ、ルベリルの毒鋼だろう。さらに、その鞘。南方の紅玉樫製か…?」

ユ「毒鋼だって…?」

ミ「多分(絶対)、私達の事を毒で麻痺させて整合騎士サマの前で首を斬り落とそうとしてたんだろうけど、毒素分解術式を唱えておけば対処も難しくない。しかも、修道女が剣を持ってるってちょっとおかしいと思ったんだよね」

原作知識を織り込んでそう言い終えると、フィゼルちゃん達は「なんでバレたの‼」って顔をしてた。んまぁ、こういう時に、やることは1つっしょ‼

ミ「ちょいと失礼~」

フィ「な、なによ‼」

リ「は、離してください!」

急いで後ろに逃げようとした2人の腕を、いつの間にか隣まで来ていたキリトとユージオが掴む。私はその間に、毒が塗られている短剣を鞘から抜くと、浅く傷をつけた。

フィ「っ……なん、で」

リ「こん、なっ…はずじゃ…」

そう言って悔しそうにしながらも崩れ落ちる少女たちを、私は階段の踊り場の隅っこに寝かせ、囁いた。

ミ「背が小さいからって、見くびってもらっちゃ困るよ」

フィ・リ「「っ……」」

恐らく、短剣が2本しかなかったのは、私なら小さいから直ぐに気絶させられると思ったのだろう。……残念‼

私は立ち上がると、キリトとユージオをそれぞれ見つめてから笑った。

ミ「さっ‼行こう、上に」

キ・ユ「「ああ‼」」


ミオ(19歳)

原作知識フル活用してフラグを折った。さて、ファナティオ戦では…?

キリト(19歳)

大図書室の時点で、フィゼルたちのこともミオから聞かされていたから、なんとかミオに話を合わせた。結構頑張った人。

ユージオ(19歳)

記憶力良い人。いつでもツッコミ役だけど時々天然。そういうとこも可愛いよな、ユージオ。


読んでいただきありがとうございました!!

よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)

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