「ふう〜次は何乗りたい?太陽(たいよう)、明日香(あすか)」
永島啓次郎(ながしまけいじろう)はこの日、妻と娘、息子とで遊園地へ遊びに来ていた。
「またこれ乗りたい!」と太陽。
「えぇ〜どうしようかな〜」
そう啓次郎は渋る。面白がっているのもあるかもしれない。
「乗りたい!乗りたい!」
太陽が乗りたがっているアトラクションはジェットシャトルスライダーというもので長く伸びる青い滑走路をスペースシャトルのような乗り物でではしるという単純なものだ。そのジェットコースターはこの遊園地の中で子供には大人気。加減やスピードがちょうどよいのかもしれない。
「しょうがねえな〜よし!乗るぞ太陽!」
啓次郎は太陽を連れ、本日二回目のジェットシャトルスライダーに乗る。一方、妻・結里(ゆり)と明日香はアトラクション近くにあるデニックレストランで一休みすることにしたという。
「もうすぐだよ〜太陽!」
「やばい!どきどき!」
「お!また言葉覚えたな!?」
「えっへん!」
太陽は最近覚えた言葉を駆使しながら今の感情を表現する。
「どうぞ〜楽しんできてくださ〜い!」
係員から案内されジェットシャトルスライダーの乗り物に乗る。啓次郎の隣りに座っている太陽はドキドキとした顔で今か今かと出発を待っている。我が子の顔を優しい顔で見つめる啓次郎は落ち着いていた。まあ二回目というのもあるだろうが。
ウィーンという音とともにスペースシャトルは走り出した。段々とスピートが上がってくると啓次郎の隣に座っている太陽は顔が強張ってゆく。きっと怖いからだろう。啓次郎は先程と変わらず落ち着いた表情で前を見ていた。
ウィーン!音が大きくなりスピードも先ほどと比べ物にならないほど上がってゆく。
「キャーーーーー!!!」周りからの悲鳴が大きくなる。その中に太陽もいた。
―来る!
啓次郎はこのアトラクションの山場に備えシートベルトをしっかり握る。
ウィーン!!そういった直後、スペースシャトルが空へ飛んだ。そしてガシャン!という音とともに青い滑走路へ再びついた。
「ん?」
啓次郎は目を疑った。スペースシャトルが滑走路へ着地した瞬間、啓次郎の目の前の滑走路の上に丸くポータルのようなものがあったのだ。中は真っ黒だ。何があるかわからない。
「ええええええ!!??」
アトラクションの悲鳴ではない悲鳴が滑走路の上で聞こえる。スペースシャトルがそのポータルを避けるわけではない。じゃあ―
啓次郎の乗ったスペースシャトルはそのポータル一直線にはしった。そしてウィーン!!という音が鳴り響き、そのポータルの中へ入った。
コメント
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メリーゴーランドめっちゃ好きで乗ってた