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14 バイト
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大学。
大学は無事合格だった。
もちろん、渡辺先生にも報告した。1番に。
そしたら、
「すごいじゃん」
と言って、頭を優しくポンっと撫でた。
私の気持ちは、高鳴るばかりだった。
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バイト。
母と妹から離れて、一人暮らしをすることにした。
お金の面は自分で少しは何とかしたいから、バイトを始めた。
そのバイトは、高校3年の時の冬休み……
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寒いなぁーと思って入ったこともない、オシャレで本が並んでる、カフェに入った。
いらっしゃいませ と 上にあったベルが鳴った。
カウンターに座って、自分が持ってる本と、
カフェオレを頼んだ。
1度、店内を見渡してみた。
高齢のおばぁちゃん。
40代くらいの夫婦。
若めのカップル。
綺麗なお姉さん。
そして、私がもっとも会いたかった人。
会わなきゃいけなかった人。
渡辺翔太先生がいた。
眼鏡をかけて、前髪が長くて、
茶色のニットを着てる。
私は先生を見つめてたけど、先生は気づかなかった。
そして、そのまま先生は私に気づかず帰った。
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そんなことがあったから、私はそこでバイトをすることにした。
もちろん、それだけじゃない。
本に囲まれたところでやりたい、と思ったから。
『今日からよろしくお願いします!』
「俺、手塚!よろしく〜」
「私は店長の寺山です。この3人で仲良くやっていきましょう。」
手塚、という人はチャラそう。
でも、嫌いじゃない。
寺山さんは、まぁ、ごく普通のおじいさんだね。
ここでバイトしてたら、先生が来るかもしれない。
先生が、迎えに来てくれるかもしれない。
私はその思いでバイトを始めた。
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1日目のバイト終わり。
「姫野さん、もう今日は閉店。明日もよろしくね」
『はい!お願いします』
・
「○○ちゃーん、一緒に帰ろ」
『あー、ごめんなさい』
「ねぇ、もしかして嫌な奴って思われてる?」
『…多少、、』
「え、ごめん、」
『い、いや!全然、』
『馴れ馴れしいのに、慣れてないだけです、』
「じゃあ、嫌いにならないでよ」
『、なりません、!』
「よかったーじゃ、明日ねー」
今日は、来なかった。
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帰り道。
もう桜か。
一人で見る桜はキレイだけど、寂しかった。
そんな時、
「姫野ー?」
、、先生、!?
『はい、!』
「やっぱ姫野か」
『え、、深澤先生かー、』
「なんだよ、ふふっ」
渡辺先生じゃなくて、深澤先生だった。
「桜、見てんの?」
『はい。バイト終わりで』
「そっか。キレイだね。2人で見ると」
『はい。キレイです。2人だと』
「まぁ、姫野は俺じゃなくて、渡辺だもんな、ふふっ。じゃあねー」
『はい、、!?』
深澤先生が私の思ってたこと、全部言うから、びっくりしたじゃん、
渡辺先生、どこにいるの、
あいたいよ、