⚠︎アメリカ視点
その瞬間ーー
身体が動いた。
ギュ
俺は、ロシアの身体を抱きしめる。
言葉を探す。説得する言葉も、励ます言葉も、何も浮かばない。
だからこそ、身体が動いたんだと思う。
俺の腕は自然に締まった。力を込めるでもなく、ただロシアの細い背を抱き留めるように。ロシアの体は小刻みに震えていて、その震えが胸に伝わるたびに、何かがぎゅっと締まる感覚があった。
ロシアはしばらく黙っていた。顔を押し付けるようにして、俺のシャツをぎゅっと握る。その指先の力に、胸が締め付けられる。
数分後
🇺🇸「話してみろ。喋れるなら、聞くからさ」
選択肢を与えるように、柔らかく言った。説教はしたくない。
ロシアは小さく息を吐いて、震える声で言った。
🇷🇺「……怖いんだ。全部、消したいのに、消えない。それに、死ねない。でも、アメリカに会うと、ちょっと……楽になる」
なんとも言えない気持ちになった。
🇺🇸「そうか…」
ロシアに何をしてあげたらいいか、どんな言葉をかけてあげたらいいか、全く分からない。
ロシアの苦しさを全て理解してあげることは出来ないし、ロシアの心の中を覗くことも出来ない。
ロシアが何に苦しんで、何に絶望しているのかさえ分からない。
だから、俺はまたロシアを抱き寄せる。
🇺🇸「…全部は分からない。けど、ここにいることならできる」
正直に言うしかなかった。言葉を飾っても、ロシアに届かない気がしたから。
だけど、言った通りロシアに温もりをあげることはできる。
🇺🇸「泣きたいなら、泣けよ。俺は笑わないからさ」
言葉は短く、それ以上は続けられなかった。何を言っても軽く聞こえる気がしたからだ。だから沈黙のまま、ロシアの背を撫でる。
やがて、震えは少しずつ弱まり、ロシアは力を抜いた。
その重みが俺の胸に寄りかかる。
ロシアの「楽になる」──それは薬や酒が与える安堵や、高揚感に似ているのかもしれない。でも、もし俺がその代わりになれるなら。俺の存在で、ほんの少しでもロシアが自分の身体を傷つけるのをやめることが出来ることなら。
窓の外はまだ夜で、部屋の中は暗いまま。
俺はロシアの呼吸と心音を感じながら、ただ抱き続けた。
朝
ロシアが起きる。
数分後ぐらいにロシアがかすれた声で言った。
🇷🇺「……なんで、来てくれたんだ」
🇺🇸「当たり前だろ。来ない理由なんてないよ」
ほんの少しの沈黙のあと、ロシアの肩が揺れた。笑ったのか泣いたのか、分からない。
🇺🇸「なぁロシア。全部を一度に解決しなくていい。苦しい時は苦しいって言えよ。俺は聞くから」
背中を撫でながら、ゆっくりと続ける。
🇺🇸「お前が薬とか酒に頼らなくても、少し楽になれるように……俺は隣にいる」
ロシアは小さな声で「……ほんとか」と呟いた。
🇺🇸「ほんとだ。嘘はつかない」
俺は、誓った。
ロシアが「ちょっとでも楽になる」瞬間を、俺は沢山作ってやる。
切りが悪くてすいませんねー!
次回この話の続き書きます。
ではまた!
コメント
8件
なめくじ様ファンの皆様方!!現在なめくじ様は別垢の件でこの本垢に戻れなくなってしまっています!どうかよろしくお願いします🙇
え、嘘初コメだ。 いつも見てます大好きです!!!!!!!(?