テラーノベル
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単行本三巻、十四編前後の軸。チセ視点より。
エリアスが、私に会わせたい人がいるというので、目眩・耳鳴り・下血の薬を袋に入れて家を出た。
「こんなに多くの薬…」
「うん」
薬は、私の腕いっぱいいっぱいだ。
「どんな人なんですか?」
「あんまりこっちに来ないんだけど、もう時期だから来ると思ってね。チセと同じ日本人さ。嫁ができたと知ったら向こうから茶々を入れて来ると思って、それより先に言っておいた方がいいだろう?昔から僕に ” 可愛い可愛い ” と言って付きまとって来るんだ」
エリアスは私を振り返りながら言った。私は、それは好意があるからなんじゃないか….と思ったけど黙っておいた。街を超えて電車に乗って、少し歩くと、大きなベージュのお屋敷があった。
「ここですか?」
「そうだよ」
家の塀にいるカラスにエリアスが視線を向けると、カラスは家に大きな羽を広げて入っていった。一分もたたないうちに、家の中から、私と同じくらいの身長の女性が出てきた。黒い髪を肩まで下ろして、目元と唇にメイクをしている。黒いローブの間からチラリと見える肌。黒いズボン…と、全体的に暗めだ。
「エリアス!…と、あぁ、可愛らしいお嬢さん。君が噂のスレイ・ペガかな?ユウです。よろしく」
重そうな瞼で、目付きが悪いように感じたけど優しそうな人だ。
「チセ・ハトリです。よろしくお願いします….」
薬の間から顔を出して、軽くお辞儀をする。
「ユウ。僕のお嫁さんだ」
「あぁ、聞いてる聞いてる。遠かったろう?薬も多いし。上がって行きなよ」
鈴が転がるように高い声。見た目は私と同じくらいに見えるけど、エリアスとこんなに親しそうにするなら、多分私よりも年上だ。
「じゃあ。チセ。足元に気をつけてね」
「はい….おじゃまします」
入ってすぐに魔法でお茶とお茶菓子を淹れてくださったので、薬は机の上に置いて、椅子に腰掛けた。
コメント
1件
第1話、ありがとうございました🥀 チセ視点で、エリアスが「会わせたい人がいる」って言うから連れて行かれる感じ、すごく好きでした。薬いっぱい持ってる姿がもうチセだなあって思うし、ユウさんの登場シーン、黒い装いなのに声は鈴みたいで…何か秘密がありそうで気になる🤍 エリアスの「可愛い可愛いって付きまとってくる」も、何か過去を感じさせてドキドキしました。続き、絶対読みたいです🌙