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指を這わせ終わると、銃兎はため息をついた。
今回ばかりは、皆自分の察しの良さを恨んだだろう。
「あー、銃兎さん、大丈夫っすか……?」
一郎が気を利かせてか話しかけてくるが、今は余計なお世話である。
「……はぁ、まぁ……大丈夫、ですよ……はぁ」
ため息が止まらない銃兎は総受けを引いたのは間違いないので、17人はどれを引いたか言った。
山田一郎 吸血鬼パロ
山田二郎 媚薬
山田三郎 関節キス
碧棺左馬刻 結腸攻め
毒島メイソン理鶯 セッ×ス
飴村乱数 ハメ撮り
夢野幻太郎 炭酸プレイ
有栖川帝統 おしがま
神宮寺寂雷 女体化
伊弉冉一二三 オメガバース
観音坂独歩 ドムサブユニバース
白膠木簓 目隠し
躑躅森盧笙 捕縛
天谷奴零 触手
波羅夷空却玩具
四十物十四 ポッキーゲーム
天国獄 放置プレイ
『さて、もう引き終わったかね? 』
「あ! 」
『……ふむ、引いたのは銃兎くんか』
銃兎はその発言にぴくりと反応し、ぎろりと睨む。
「黙ってろ、俺の名前を気安く呼ぶんじゃねぇ」
『おぉ、怖い怖い』
相手はおどけたような声を出し、『じゃぁ、順番になったら部屋に入ってくれたまえ』と言い、声は聞こえなくなった。
「部屋っつっても、何もねぇ……だ……ろ……?」
一郎が部屋を見回すと、今まで真っ白な壁だった所にドアができている。
ドアにはドアプレートがかけてあり、【一郎×銃兎 吸血鬼パロ】と書かれていた。
一郎と銃兎は顔を見合せ、2人同時にため息をつくと、部屋に入っていった。
「でも……部屋にはベットしかないですね」
部屋に入ったはいいものの、部屋は殺風景だった。
白く大きいベットが部屋の中心に置かれているだけ。
「……あの、銃兎さん……」
「……一郎くん? どうかしましたか?」
銃兎が後ろを振り向くと、一郎が肩を上下させながらこちらを見ていた。
心なしか、少し息も荒いようだ。
「え……一郎くん? 貴方……」
「銃兎さん……ごめん、俺、今なんか……血が欲しくてたまんないんだよ……」
一郎は口からはぁはぁと息を吐き出している。
その口からは、鋭い牙が見え隠れしていた。
「そういうことですか……」
実際にその種族のようにする……どのような方法かは分からないが、まずは一郎と自分にかけられたことを全うする。
そうすると、きっと一郎の症状も治るはずだ。
「一郎くん、おいで」
銃兎はネクタイを外し、シャツのボタンを1つか2つ外す。
そして首元をはだけさせると、一郎に向かって手を差し出した。
「……はぁ……はぁ……」
一郎はその姿を見て、ゆっくりと寄ってくる。
「そうです、いい子ですね。こっちへおいで」
銃兎は一郎に優しく呼びかけながら抱き込むように首元に顔を寄せさせる。
「……はっ……銃兎……さん……」
「はい?」
「傷……残っちまった……ら……ごめん……」
「そんなこと気にしませんよ」
銃兎がちいさくふふっ、と笑ったのを見た一郎は、銃兎の首筋をすんっ、と嗅ぐ。
そのまま、ゆっくりと牙を沈み込ませる。
「……っ」
銃兎はじゅる、と耳元でなる血を吸う音から意識を逸らそうと、必死に考え事をする。
しかし、一郎がそれを許してくれなかった。
「ひっ……!? あぅ……」
一郎は何も悪気は無かったのだが、もうちょっと奥の方の血を吸いたかったため、銃兎の頭をぐっと自分の方に寄せたのだ。
その時に耳に指が触れたのと、牙が更に奥に沈んだ刺激で銃兎はつい甘い声が出てしまった。
「……ぷはっ、ごめん、銃兎さん。痛かった?」
一郎はパッと顔を上げ、銃兎の方を見る。
「ぁ……ぜんぜん……へーき……ぇす……」
「……なら、もうちょっと良い? 」
一郎は銃兎の身をあんじつつも聞く。
「いいよ……」
銃兎はいつもの饒舌はどこへ行ったのか、ぽやぽやとした話し方をしている。
「ぁ……」
牙を上書きするように噛むと、銃兎から甘い悲鳴が上がる。
一郎は、そういえば……と思い出していた。
昔、pi○ivを読み漁っていた頃や今、吸血鬼の唾液に、媚薬の効果があるとか何とか……でも作品によったから、これが媚薬によるものか、銃兎自身が敏感なだけなのかは分からない。
「ひ……ぁっ……」
一郎が血を吸うたびに声が漏れる銃兎は、もういつもの銃兎ではないのかもしれない。
一郎はムラムラとした気持ちと戦いながら、血を吸いたいという欲求が収まるまで銃兎の血を吸った。
「銃兎さん、銃兎さん」
一郎は銃兎の肩をゆすりながら、銃兎がいつも通りに戻るのを待っていた。
今の銃兎は口から唾液を垂らし、翡翠の瞳は蕩けきった、男の欲情を煽る姿になっていた。
一郎もそろそろ我慢の限界である。
そろそろ本気でいつも通りに戻さなければ、一線を超えてしまう。
そんな予感があった。
「銃兎さん」
名前を呼びながら頬をつまんで伸ばすと、銃兎は「ん……?」と返事をする。
「もう俺らのは終わった。次は二郎とだ」
「そっ……か……」
銃兎は柔く微笑み、「私の血の味、大丈夫でした?」と聞いてくる。
一郎はきょとんとしたが満面の笑みで
「最っ高だったよ。めちゃくちゃ美味しかった」
と言った。