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(ハルトの家のキッチン・夜)
外はしんしんと雪が降っている。
ルナは、ハルトが作ってくれた特製の「はちみつホットミルク」を両手で持っておいしそうに飲んでいた。
ルナ:「ん〜……あったまるぅ。やっぱりハルトが淹れてくれるのが一番好き」
ミルクの湯気で、ルナの紫色の髪が少ししっとりしている。
猫耳も、安心したようにリラックスしてピコピコ動いていた。
ハルト:「……飲みすぎだ。口のまわり、真っ白だぞ」
ハルトは苦笑いしながら、キッチンペーパーでルナの口元を拭ってやる。
でも、その手はすぐには離れなかった。
ルナ:「ハルト……?」
ハルト:「……なあ、ルナ。さっき、これからもずっと一緒にいたいって言ったの、本気だから」
ハルトの大きな手が、ルナの頬をそっと包み込む。
ハルト:「俺、お前が他の奴から食べ物もらって笑ってるの見るだけで、本当はめちゃくちゃイライラするんだ。お前のその『はちみつ食べたーい!』って顔、俺だけに見せてほしい」
ルナ(心臓がバクバクして):「それって……ハルトも、私と同じ気持ちなの……?」
ルナは持っていたコップをテーブルに置くと、ハルトの服の袖をぎゅっと掴んだ。
ルナ:「私もね、ハルトの隣にいるのが一番安心するの。ハルトの作るはちみつが、世界で一番大好きなの!」
ルナが顔を真っ赤にして叫ぶと、ハルトは一瞬驚いた顔をして、それから優しく微笑んだ。
ハルト:「……欲張りだな。でも、いいよ。一生分のはちみつ、俺が用意してやる」
ハルトはルナを自分の方へ引き寄せると、そのおでこに優しくキスをした。
窓の外の雪は止み、夜空には冬の星が輝き始めていた。
つづく