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(冬休みの駅前・待ち合わせ)
ルナは、今日のために新しく買った紫色のコートを着て、そわそわしながらハルトを待っていた。
寒いけれど、心臓がドキドキして体中が熱い。
ルナ:「ハルト、遅いなぁ……。あ、来た!」
人混みの中から、ハルトが少し走ってやってくる。
ハルト:「わりぃ、待たせたか? ……って、お前、その格好」
ハルトはルナを見て、一瞬言葉を失う。
ふわふわの猫耳に、白いファーのついたコート。まさに「冬の妖精」みたいだったからだ。
ルナ:「えへへ、似合ってるかな?」
ハルト(顔を赤くして):「……別に。……普通に、可愛いんじゃねーの」
そう言ってハルトは、ルナの冷えた手を自分のコートのポケットにぐいっと入れた。ポケットの中で、二人の手が重なる。
ルナ:「ふぇっ!? ハ、ハルト……」
ハルト:「寒いだろ。……今日は、お前が行きたがってた『はちみつカフェ』に行くぞ。予約してあるからな」
(はちみつカフェにて)
目の前に運ばれてきたのは、黄金色に輝く「たっぷりハチミツのパンケーキ」。
ルナ:「わぁぁぁ! 食べたーい!!」
ルナはいつものように、目をキラキラさせて身を乗り出す。
でも、ふとハルトの顔を見て、少しだけ恥ずかしくなって動きを止めた。
ルナ:「……あ、私、また食いしん坊な顔してた?」
ハルト(優しく笑って):「いいよ、その顔。俺は、幸せそうに食べてるお前が一番好きなんだから」
ハルトはそう言うと、パンケーキを小さく切ってルナの口元へ運ぶ。
ハルト:「ほら、あーんしろ」
ルナ:「……あーん!」
口いっぱいに広がる、とろけるような甘さ。
それは、大好きなハルトと一緒にいる、この世界で一番幸せな「恋の味」だった。
つづく