テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
高校って、たまに馬鹿みたいにうるさくて、
たまに妙に静かで、だけど毎日が同じようで
全然同じじゃない。
けど俺には、毎日、
絶対に変わらないことが1つある。
“元貴が、とにかく可愛すぎる”ってこと。
例えば今、1限目が始まる前。
俺は教室の後ろの席でだらんと
椅子にもたれてる。
隣を見ると、
俺の彼女の元貴が、ちょこんと座ってる。
元貴は自分のこと“僕”って呼ぶし、
声も細くて落ち着いてて、
整った顔立ちは女子より綺麗。
だけど性格はちょっと頑固で、優しくて、
照れ屋で……とにかく、ずるいくらい可愛い。
滉斗『おはよ、元貴』
元貴『……ん、おはよう、若井』
今日も、
少しだけ伏せ気味に目を合わせてくれる。
それだけで、俺の心臓はやばい。
可愛すぎる。ほんとに。
朝のHRが始まるまで、
元貴は鞄から文庫本を取り出して読み始めた。
唇をきゅっと結んで、ページをめくる細い指が
震えるたび、俺は何かに耐えるように
机の端を握る。
読書してるだけなのに。
こっち見てないのに。
何これ、天使降臨した?
滉斗『んね、元貴、今日も天使だね』
元貴『…?
なにそれ……変なこと言わないで』
ちょっと頬を染めて、眉を顰めるその顔。
尊い。ていうか、抱きしめたい。
でも今ここで抱きしめたら、
クラスメイトたちがギャーギャー騒ぎ出す。
昨日も後輩に、
『若井先輩、好きな人いますか?』
とか聞かれたし。
好きな人って…もう彼女いるのよ。
天使みたいな。
こっそり机の下で、
元貴の手の甲に自分の指を滑らせる。
びくっ、とした元貴が俺を見上げて、
小さく口を開けた。
元貴『…若井、駄目、
今、みんな見てるから……』
滉斗『じゃあ、後で人気のない所行って
壁ドンからのちゅーね』
元貴『なっ…何それっ…ばっ…馬鹿…///』
真っ赤になって俯く元貴が可愛すぎて、
机に頭打ちそうになった。
ほんと無理、可愛すぎる、
天使……というかもう、俺の命。
昼休み。
食堂に行く気分でもなかった俺は、
元貴と一緒に教室で弁当を広げていた。
俺の弁当は買ってきたサンドイッチ。
元貴の弁当は、お母さんの手作りらしい。
蓋を開けた瞬間、
ふわっと甘い卵焼きの匂いがする。
滉斗『美味しそう、それ』
元貴『…いる?』
滉斗『え、いいの?』
元貴『……若井なら、いいよ』
スッ……と差し出された卵焼きを、
そのままぱくりと食べる。
元貴『……何その顔、美味しい?』
滉斗『めっちゃ美味しい、
それより、元貴が俺に“あーん”してくれた
事実の方が尊い』
元貴『…っ、あーんなんてしてないし、////』
滉斗『じゃあして?』
元貴『や、やだ……恥ずかしいもん、///』
恥ずかしがってる元貴、150点。
食べながら俺の方をチラチラ見るその目が、
本当に優しくて、可愛くて、
こんな存在が隣にいるのが信じられないくらい。
あぁ、もう、世界中に言いたい。
俺の彼女、
元貴が可愛すぎて死ぬんだけど???
放課後。
帰り支度をしてると、元貴が制服の襟を
直しながらぽつりと呟いた。
元貴『……若井、今日も一緒に帰れる?』
滉斗『もちろん、毎日一緒って決めたじゃん』
元貴『……そっか、嬉しい』
嬉しいって。
そんなの、俺の方が100万倍嬉しいよ。
鞄を肩にかけて、元貴の頭をぽんぽんと撫でる。
滉斗『帰り道さ、
公園のベンチでちょっと寄り道しない?』
元貴『…なんで?』
滉斗『元貴のこと、もっと見てたいだけ』
元貴『……そんなこと言われたら…
…断れないじゃん……///』
耳まで真っ赤になって、でも目を逸らさず、
俺を見てくれた。
その瞬間、俺は確信した。
この世界で一番可愛いのは、
俺の彼女の元貴だ。異論は認めない。
そしてその可愛さは、
明日も明後日もきっと更新されるんだろう。
俺はそのたびに、叫びたくなるんだろう。
『今日も好きが増したんだけど!!!!!』
って。
…で、多分また照れた元貴に、
“馬鹿”って言われるんだろうな。
幸せだからいいの。
コメント
13件
やばいwkiさんside好きすぎる笑 普段余裕あるかと思いきやomrさんへの愛が爆発してますね☺💕︎2人の一つ一つのやり取りが微笑ましいし、公共の場では控えめだからこそ、2人きりになった時に意味分からないくらい甘々になるのか… 主さんまさか天才だったりします? (←分かりきったことですねꉂ🤭)
若井さん大森くんLoveなの尊い(´;ω;`)ほんとに大森くん初コメ天使だと思う👼若井さんの気持ちめちゃくちゃ分かります💞
はぁぁぁぁぁぁ...... 今日も私は何回か口角と心臓が旅立っています。どうしてくれるんですか? もっとイチャイチャてぇてぇを見せてください。