宮殿を出て市街地に近づくにつれ、窓を閉めていても馬車内にかすかに入ってくる臭いにやるせない気持ちになった。
(外はひどい臭いなのね……)
からりと晴れていればすこしはましのようだが、今みたいに小雨が降り始めると、湿気で臭いが立つのかもしれない。
なんとかしたい、と気は急くが、政治に顔がきかず、資金もない以上、具体的な策は思いついていない。
私にできることといえば、出会った人たちに地道に状況を説明して、改善を訴えていくくらいしかない、というのが今の結論だった。
しかし幸いというべきか、現時点で施しを命じられているのは貴族たちばかりだ。
ゴミが川や土壌を汚染し、井戸水も飲めなくなれば、命に関わる。
彼らにとっても他人事ではないし、私の危機感を共有してもらえたら、もしかして行政に働***************************
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