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俏亜
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#snjn
ひつじ
4
10
曽野は一人輪の外にいる吉田を見つめると隣にピッタリとついて座った。突然のことに驚いて顔をあげた吉田の表情は見ていられないほど辛そうで。
「っ!おれ!喉乾いたから自販機行ってくる!じんちゃんも行こっ!」
「えっ、俺は別に……」
「いいから!じゃあ行ってくるねー!」
「うわぁ、ちょ、舜太っ!」
吉田の両手を掴んで無理やり連れ出した曽野。自販機に行くと思いきや反対方向に歩いていく。
「舜太…?こっち自販機ないよ。」
「うん。」
「うんって……。どこ向かってるの。」
「いいから着いてきて。」
到着したのは人気の無い非常階段。
こんな場所あったのか……。
初めて来る場所に少しの不安を心に持ちながら曽野を見るとなぜか曽野が少し悲しそうな顔をしている。
「舜太、どうしたの。」
「どうしたのはこっちのセリフ。じんちゃん、なんでそんな辛そうなの。」
「っ、!いや、さっきも言ったでしょ、ほんとに大丈夫だって。」
「そんな顔してるじんちゃんほっとけるわけないやん。なんで隠すんよ。俺らメンバーやろ。なんでも話してや。」
「……話せないんだって。」
話してしまったら。
引かれるかもしれない。気付かなかったなんて馬鹿だななんて言われるかもしれない。
この気持ちを。
諦めなければいけない。
叶うわけないと。自分の口から話してしまったら。
現実を受け止めなければいけない。
それが辛かった。
優しく声をかけてくれた曽野にも、何も言えない。
「話せないって何?」
「っ、そのまま、話せないんだよ。」
「じゃあ俺、なんも出来んやんか。こんなにじんちゃんが辛そうにしてるのに。」
「……ごめん。」
「あーーもう!!」
下を向いていると何かにふわっと優しく包まれる。それが曽野の腕だと気付くのには時間はかからなかった。優しい、落ち着く匂いに包まれる。
「じんちゃん。よーーーく聞いてな?」
「う、うん。」
「じんちゃんは俺らのリーダーやけど、リーダーだからって何でもかんでもひとりで抱え込まんでええんよ。リーダーはひとりじゃ成り立たないやろ。リーダーのためにメンバーがおるんやから。」
「……。うん。」
「だから、ひとりで全部背負わんといて。リーダーなんて肩書きに囚われんといて。じんちゃんは俺の大事なメンバーで仲間なんやから。辛そうなら助けたいって思うんよ。」
「舜太、…ありがとう。わかった、……俺の話聞いてくれる?」
「うんっ。」
嬉しそうにニコッと微笑む曽野の笑顔に安心する。
吉田は起こったことを1から全て話した。
佐野のことをずっと好きだったこと。
この前佐野に山中のことが好きだと言われたこと。
それから佐野の恋愛相談に乗るようになったこと。
昨日山中から佐野が好きだと聞いた事。
それを佐野に教えたこと。
全て話し終えると心の重りが少し軽くなったようで、涙が溢れてくる。
おかしいな、昨日いっぱい泣いたのに。
曽野は静かに話を聞いていた。全て話し終え泣き始めた吉田をまた優しくその長い両腕で抱きしめる。
しゃくりを上げて子供みたいに泣く吉田の頭を落ち着くまで撫でた。
「ぐすっ、しゅんた、ありがとう。」
「あーあ、もー、こんなに泣いてまって。」
曽野は困ったように笑いながら頬に流れる涙を拭う。大人しくされるがままの吉田の両肩に手を乗せ曽野は深呼吸した。
「じんちゃんはさ、まだはやちゃんのこと好き?」
「えっ、……。どうだろ、……うん、多分まだ好きだと思う。」
「そっかぁー、はやちゃんかぁ、強敵やな。」
「しゅ、舜太?どうしたの?」
「うわぁあ」と取り乱す曽野に驚きを隠せない。
さっきまでの落ち着いた様子とは打って変わって、ひとりでブツブツと「うわー、どーしよ!!」など言ってひとりで慌ててる曽野。
吉田はそんな曽野を見つめることしか出来なかった。
コメント
9件
しゅんちゃん!?もしかして……
黄さん失恋と思いきや(失恋ではある) まさかの!!! 急に嬉しい展開きました(笑)
しゅんたまじかあェ……