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将来はこうなりたいって夢がいくつもあったり、ちょっと仲良くなっただけで親友だとか、ちょっと優しくされただけで好きになったりだとか。笑っちまうほど夢見がちな性格なんだ、俺は。 そんな性格も、君に出会ってから、余計にひどくなったような気がする。
人気のない場所、1人で座り込み、涙を流した君の姿を見てトドメを刺された。君の頬を伝う群青色のそれが、不覚にも輝いて目に映った。
その青に照らされて、俺は、初めて、君の愛おしさに気づいたんだ。
思わず近寄って、「大丈夫?何があったの?」なんて声をかけてしまった。こちらを振り向いた君の瞳に、そこに溜められた涙に心も体も吸い寄せられてしまった。
不可抗力だった、伸びた指は君の涙を拭った。そのせいで、吸い寄せられたままの指も、何もかも、君にひっついて離れなくなった。
雪解けの時期にはミスマッチな少し寒さも感じさせる季節外れの装いに、悲しみがフィットした微笑み。
あっという間に、その君の全てに引きずり込まれる。こんな表現は夢見がちすぎるかもしれないけど、まるでファンタジーの世界に入ったみたいに、ふわふわした気持ちだった。俺だけを見つめる、その綺麗な瞳がそうさせたんだ。
通り雨みたいに一瞬で恋心を奪われてしまった。
本当にあっという間に、全然タイプって感じじゃないのに、ときめきが、この鼓動が浪費されていく。だめだ、だめだ。
こんな恋、俺にとって良くないのに。
そんな思いをだらだらと持て余したまま、月日は流れて、君は変わっていってしまった。群青の涙を流していた純粋で穢れのない君はもうかすれていて、愛想を振り撒いたり、誰が見たって好かれそうな服を着たりして。その代わりに俺は落ちぶれてどんどんと変わっていく君を映し出すだけで何もできない鏡みたいになって。君は垢抜けて、みんなの「キミ」になった。
僕だけが知っていたその瞳の美しさもみんなに奪われてしまった。だめだって、もう無理だってわかっているのに恋心は止まってくれなさそうだ。
あっという間に、ファンタジーが遠ざかっていく。不本意に落ちてしまった俺は君にいつまで執着してれば良いんだ?こんな恋心もう吐き捨ててしまいたい。
ぱっと見て、お幸せそうでなにより、なんて、心にもない言葉がポンポン出てきてしまう。
君と出会った頃の、ときめきが、この鼓動が、歪みかけている。
あぁ、だめだ。今の君には俺にとって心のハードルにしかなっていない。
さよなら。それが、きっと答えなんだろう。
さよなら。って、わかってるはずなのに。
君が誰かに笑顔を振り撒いているところを見ても、君が誰かのために髪を伸ばしたりしているところを見ても、俺の中には嫉妬心しか燻らなくて、この恋にさよならなんて言い出せるわけもなくて、だから曖昧に、もう忘れたんだってフリで誤魔化していた。
今もそうだよ。
あっという間に、君というファンタジーに引きずり込まれて、通り雨みたいに気づいたら潜んでいた恋心を奪われていて、全然タイプじゃないのにときめきが浪費されて行って、だめだってわかっているのにやめられなかった。
それでも君を見るたびに、あっという間にファンタジーから抜け出せなくなる。こんな得体の知れない恋心初めてなせいで、どうやって対処すればいいかもわからない。やっぱり、垢抜けた君だってタイプじゃないのに、僕の心に相反してときめきが無限に増えていく。
だめなんだ、こんなんじゃ。君に執着してるようじゃいつまで経っても成長できない。僕にとっては悪い恋なんだ。
笑っちまうほど夢見がちな性格は君のせいでひどくなったよ。
そうやって君がまた群青色の涙を流すから 、俺はまたしても、ふりだしに戻ってしまった。
また、恋に落ちてしまった。
「バッドフォーミー」/Official髭男dism
藤原聡さんの描く一途な男性像が良すぎてほんとに好きです。115万キロのフィルムとかイエスタデイとか、もう素晴らしい。
そして、いつも自己満なこんな小説を見てくださったりいいねしてくださる方ほんとにありがとうございます!!!とても嬉しいです!!