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会うことも無いまま見捨ててしまったあいつ
あいつは今どうしているだろうか。
あのサングラスと組んだ、正直言うといけ好かないし、意見も全く合う気がしない。
だけど厄介な奴等への対処として一時的に組んでやっている。
今日はそんなサングラスと敵情視察に来た。
俺が見捨てた彼奴を見に。
周りは炎と煙で覆われて砂埃が舞っていた、むせ返るような血の匂いに心底吐き気がする。
ソ連「…で、あいつは何処に居るんだ」
アメリカ「日帝chan?ここら辺にいんじゃね?」
あまりにも曖昧な情報を聞いて俺は少し苛立ったが、落ち着いて話した。
ソ連「国自らが戦場に居るのか?」
アメリカ「ああ、そこはちゃんと確定した情報だ」
アメリカ「絶対に居る」
信じられない、軍に任せて自分は指揮だけしていればいいのに、わざわざ自らを危険に晒してまで先陣切ってる国が居るなんて。
頭がおかしい
アメリカ「uhh…日帝chan怪我してないかな…」
ソ連「敵を心配してどうする」
アメリカ「んな事言ったってな…」
ソ連「…っ!」
突然爆音が鳴り響き、俺達は急いでそこらの瓦礫に身を隠した。
日帝「っ…はぁ」
日帝「物資が足りん…」
一般兵士「お国様、お怪我は」
日帝「問題無い」
日帝「腹はざっくりやられたがな」
一般兵士「それは大丈夫だとは言えません……後は我々に任せて治療を」
日帝「ダメだ、奴等を一旦追い返すまでは戦い続ける」
一般兵士「…分かりました」
一般兵士「くれぐれもお気を付けて、貴方は私共の祖国様なのですから」
日帝「ああ、分かっている」
そいつはそう言うと俺らの軍の方へ走って行った。
一般兵士「はぁ…相変わらず頑固なお人だ…」
アメリカ「…行ったか?」
ソ連「ああ」
アメリカ「日帝chan怪我してたよー!」
アメリカ「腹ざっくりやってたー!!しかもそのまま戦いに行っちゃったし…」
彼奴が大日本帝国…
アジアの狂犬とか呼ばれていたが、少しイメージと違ったな。
背が低く、頑固で…
ソ連「…気になる奴だな」
アメリカ「…はぁ!?」
アメリカ「駄目だからな絶対!日帝chanは俺が狙ってんだよ!」
アメリカ「めっちゃ前からずっとだよ!!」
アメリカは俺のコートを掴みながら大きく揺らしてきた。
ソ連「気になるって言っただけだろ」
アメリカ「これ以上ライバルが増えんのは御免なんだよ」
アメリカ「Did you understand?」
ソ連「分かった分かった…」
アメリカ「本当かよ」
日帝「…米国……そんな所で何をしている」
ソ連「…!」
気づいたら彼奴が目の前に立っていた、近くで見るとやはり小さい、背丈が俺の半分ほどしかない。
アメリカ「日帝chan〜」
アメリカ「俺らただ見に来ただけだってー…すぐ帰るから」
日帝「その必要は無い」
アメリカ「How?」
日帝「お前を返すつもりは無いからな」
日帝「無論、そこのでかいお前もだ」
鋭い目で俺を睨んできた、こんなに体格差、人数差がある中でこの態度なのは逆に尊敬する。
ソ連「…」
日帝「何か言ったらどうだ?」
斬らない程度に手に力を込めて俺の腹に刀を突き付けてきた。
未だその目は俺に向いたまま、臆する様子は無い
目を合わせる為か、首が上に向いている。
ソ連「…ちっさ」
日帝「は?」
思っていた事がつい口に出てしまったらしい、大層苛立たせしまったみたいで、眉間にはシワが寄り、血管が浮き出ている。
日帝「遺言はそれでいいんだな」
アメリカ「Hey!俺を置いて2人で話すなよ!」
アメリカ「ソ連!お前は日帝chanに近寄んな!」
日帝「…お前っ…ソビエトなのか!」
ソ連「そうだが」
それを聞いた日帝は少し動揺してからまた怒った表情に戻った。
日帝「…っ、そうか、貴様が裏切り者か」
裏切り者?
ああ、そういえば大日本帝国とは中立条約を交わしていたんだった。
まぁ、もう俺が破棄したが。
日帝「……」
日帝「今日は見逃してやる」
アメリカ「えっ、もうちょっと話そうぜ」
日帝「話す事など何も無い」
ソ連「俺も是非お前と話したいな」
日帝「……お前ならこのクソ米国よりは話がまともにできそうだ」
ソ連「俺の国に1度来い」
日帝は少し考えた後に1度ため息を着いて言った。
日帝「…いいだろう」
日帝「貴様には…条約破棄の件で話があるからな」
ソ連「いいんだな、じゃあいくぞ」
アメリカ「え、俺は?行っちゃダメなの?」
日帝「当たり前だろう」
日帝「貴様は英国の所でぬくぬくと過ごしていればいいじゃないか」
日帝「永遠に」
“英国”というワードを聞いたアメリカは少し動揺した後、平常心に戻り起こった
アメリカ「親父と一生一緒とか絶対嫌だわ!てか俺と一生会いたくないの!?」
ソ連「こいつはいつも煩いな……」
ソ連「早く行くぞ」
俺は日帝の腕を掴もうと手を伸ばした。
パシッ
日帝「……触るな」
掴もうとした手が弾かれた。
どうやら会って早々に嫌われてしまったようだ。
日帝「……やはりダメだな……だめだ」
何を言っているのか分からないが、こいつ大丈夫なのか?
日帝「予定を思い出した、貴様との話はまた今度にしよう」
ソ連「いや、今がいい、行くぞ」
日帝「だから予定があると言っているだろうが」
予定なんてどうせ嘘だ、俺を遠ざけるために決まっている。
なぜだか今コイツを逃がしたらもう二度と寄っては来ない気がする。
アメリカ「あんま無理やり誘うんじゃねぇよ」
ソ連「俺の勝手だろ」
アメリカ「さっきも言ったが、ライバルが増えるのは嫌なんだよ」
アメリカは俺にズカズカと近ずいて来て、圧をかけるようにして俺の服を掴んだ。
アメリカ「わかるか?」
アメリカ「俺はお前よりずっと前から日帝chanと一緒に居るの」
アメリカ「ぽっと出のお前が俺から奪えるようなもんじゃねぇんだわ」
日帝「黙っていろ、斬るぞ」
アメリカ「えっ…俺めっちゃ嫌われてる」
日帝「とにかく私は…帰…る」
日帝は突然腹を抱えて肩で息をし始めた、目の焦点が合わなくなって手で口を抑えている。
アメリカ「に、日帝chan…?」
アメリカ「どうしたんだよ、具合悪いのか…?」
日帝「…っふ…ぅ」
呼び掛けにも応じない、アメリカが肩を揺らしてみても一向に気付かない。
アメリカ「日帝chan!!」
アメリカ「俺…俺……分かんないよ、どうすればいい!!」
アメリカ「…お前を救う為に何をすればいい!!」
こんな状態の奴に聞いた所で返事が返ってくる訳もないのに、此奴はとことん馬鹿らしい。
ソ連「…あまり揺らすな、寝かせておけ」
ソ連「傷口に布を当てて圧迫しろ、痛がっても辞めるな」
アメリカ「あ…ぁ、日帝chanが死ぬ……」
ああ、此奴もダメだ
俺はアメリカを押し退けて日帝を寝かせると傷を圧迫した。
叫び声さえ上げない、相当まずい状態らしい。
敵国であるし此処で見捨ててもいいが、如何せん俺は此奴に興味が湧いてしまった、アメリカは使えないし捕虜として自国に連れ帰る事にしよう。
ソ連「…此奴は俺が連れていく」
アメリカ「…は?」
アメリカ「そ、そんなん駄目に決まってんだろ、日帝chanは俺の…」
ソ連「このまま放置してたら死ぬぞ、此奴」
アメリカ「……分かった…分かったから俺も連れてけ」
ソ連「…仕方が無い」
俺は日帝を抱き上げると、ヘリを手配してそれに乗り込んだ。
長い飛行時間、どんどん青ざめていく日帝を見て、何となく少しだけ不安になった。
ソ連兵「祖国様、お帰りで」
ソ連「医者を呼べ、今すぐ」
ソ連兵「どこかお怪我を?」
すこし余裕のない俺はしつこく聞き返してくる兵士に苛立って静かに圧をかけるように言い放った。
ソ連「…早くしろ」
ソ連兵「…っ、申し訳ございません、すぐに手配します」
その兵士は駆け足で医者を呼びに行って、俺はそこらにあった医療テントのベットに日帝をとりあえず寝かせた。
アメリカ「…」