東京都立大誠高等学校
桜の花びらが風で大きく舞い、堂々たる姿を見せる大きな校舎。
その校舎はとても綺麗でたくさんの桜の木に囲まれるなか、まるで笑顔で僕達を出迎えているかのように輝いていた。
蒼生
「・・・」
沢山の生徒が校門をくぐる中、ひとり立ち止まった。
蒼生 「今日から高校生か・・。 あまり気乗りしないな。」
顔を上げ、校舎を眺めながら彼はそう言った。
するとそこに、1人の生徒が現れる。
翔「 ここが大誠高校か?なんか豪華だな。 なんつうか、強豪校って感じがすげえする。」
蒼生「 ん?」
蒼生は翔を横目に見ながら隣に立った。
蒼生「 よっ、名前は?」
翔「 ん?だれお前」
蒼生「 俺は蒼生、あおいって呼んでくれよ」
翔「 おう!俺は翔、しょうって呼べ」
蒼生「お前はなんでここの高校に?」
翔「女子の制服が可愛かったから」
蒼生「はあ?お前馬鹿正直すぎるだろ」
翔「いやいやいや、じゃお前はなんでここに入ったんだよ」
蒼生「ここは全ての分野においてトップレベルの高校で、スポーツ全般が強いからだ」
翔「え?まじ?そんなすごいのかよここの高校。知らなかったわ…」
蒼生「お前よくこの高校に入れたな。幸運だと思った方がいいぞ?」
翔「え?お、おう」
蒼生「ほら行くぞ、入学式が始まる」
広々とした校舎が3棟並び、第3体育館にて入学式が行われた。 中は想像よりも遥かに広く、豪華な式典が用意されていた。沢山の着飾られた花に贈呈品、沢山の先生方が並んでいた。 真ん中にはレッドカーペットが敷かれていて、その先には階段があり、演台へと続いていた。 左右には生徒用の椅子が大量に並べられていて、これもまたひとつずつ丁寧に着飾られていた。
-演説-
校長「えー、 新入生の皆さんおはようございます。校長の田邊です。 我が校への入学、本当に嬉しく思います。ここでたくさんの事を学び、活用し、誇り高き大誠生徒になり、将来への道を自ら切り開いてください。応援しています。そして・・・・・」
蒼生「 だいぶ新入生が多いな。」
-誰かと目が合う-
蒼生「 あっ」
咲良「 えっ」
-目を逸らす-
蒼生「( 気まず。目が合っちまった。でもきっと同じクラスじゃないだろ。)」
咲良「(最悪。目が合った。)」
校長「 以上です、皆さん今日から大誠高等学校の生徒であることを肝に銘じて過ごして下さい。」
アナウンス「 新入生、退場」
蒼生「やっと終わったな。どこのクラスになったのか分からないから、広場に行って確認しに行かないとだな…」
-広場-
広場は天井があまりにも高く、180度全面ガラスで円形状に造られており、その後ろの壁には本棚が並べられ沢山の本が置かれていた。
蒼生「マジでなんなんだこの高校。国内屈指の最大敷地内を誇る高校とは聞いていたが、ここまでとは…」
沢山の新入生が壁紙の前に集まっていた。
翔「俺のクラスは…あ、あった!Bクラスか」
蒼生「よっ、また会ったな翔」
翔「よう!お前はどこだった?」
蒼生「まだ見てないんだ」
翔「なんだよ、早く見てこいって」
蒼生「ああ」
-壁紙に少し近付き目を細める-
蒼生「Aクラスだ」
翔「なんだお前Aクラスか」
蒼生「みたいだな」
翔「お前と同じだったら気楽だったのにな」
蒼生「まあそうだな、頑張れよ」
翔「おう、お前もな!じゃ!」
-2人はそれぞれのクラスへ向かった-
AクラスとBクラスは隣接しておりいつでも行き来ができる。
そして階段を挟んで右側にCクラスDクラスと繋がっている。
蒼生「ここか、俺のクラスは」
咲良「あっ」
蒼生と咲良は再び教室の前で出会った。
蒼生「あんた、さっきのやつ?」
咲良「そうだけど」
蒼生「まさか本当に同じクラスになるとは思ってなかったな」
咲良「え?」
蒼生「目が合ってしまって気まづくなったかと思ってたから」
咲良「ああ。目が合っちゃったのは仕方ないわよ、気にしないで」
蒼生「そうだな。」
2人はそれぞれの席を確認する。
咲良「ちょっと待って、あなた隣なの?」
蒼生「そうみたいだな。」
咲良「信じられない、同じクラスに隣の席って。」
蒼生「長い付き合いになりそうだな。」
咲良「はああ」
教室の扉が開き誰かが入ってきた。
苑田「はい、みんな席に着いて」
蒼生「担任か?」
苑田「今日からここのクラスの担任となった苑田(そのだ)だ。よろしく頼む。そして さっそくだが、小テストを行う。入学する前にお前たちの家に送られた課題があったと思うんだが、そこから出てくる問題だ。簡単だからさっさとやってくれ」
貫太「まじかよー。俺課題やってねーんだけどー。」
優依「え、私もやってないんだけど最悪だわー」
苑田「テスト配るぞー、さっさとやれー」
蒼生「入学初日からテストか…」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!