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かつて、異世界は調和と平和の中で繁栄していた。
しかし、その平和は一人の野心ある人間によって脅かされていた。
彼は異世界を支配しようとし、そのためには手段を選ばなかった。
彼の目に留まったのは、かつて異世界で魔狼に愛され、
強大な力を持つメイの母親だった。彼は彼女を利用することで、自分の野望を実現させようと企んだ
母親は、異世界の人間によって引き起こされた悲劇的な出来事によって
心を闇に染められてしまった。愛するものを失い、絶望の淵に立たされた彼女は、
その心の闇を利用され、強力な呪いを生み出してしまう。
その呪いは、彼女を結界の中に閉じ込め、異世界全体に影響を及ぼすほどに増幅されたその強い闇の力は
異世界の動物や精霊たちにも影響を及ぼし、彼らを凶暴な魔獣へと変えてしまった。
彼らは恐怖を振りまき、人々を襲うようになった。母を深く愛する魔狼もまた、
その強大な力によって自らの力を封じ込められてしまう。
この混沌とした状況を打破するためには、メイの覚醒が必要だった。
メイは、母の力と直接つながる唯一の存在で、彼女が覚醒することで母の呪いを
解く鍵を握っていた。メイの覚醒は、母の心の闇を浄化し、
異世界に再び平和をもたらす唯一の希望だった
そのためには、メイは自らの内に秘められた力に目覚め、
母と異世界の運命を左右する壮大な戦いに挑まなければならなかった。
その旅は困難で危険に満ちていたが、メイは愛する母と異世界を救うため、
立ち上がる決意を固めた。
屋上に立っていたメイは、ふと自問自答する。
「またここに?」その声に応えるように、そこにはもう一人のメイが現れ、
笑いながら話しかけた。
「どうだった、男性との初キスは?あ、その前に副官としたっけ?」その問いかけに、
メイの顔が一気に赤く染まった。
「そんなこと言ってる場合じゃないの!直ぐに副官に知らせないと。」
男のメイは穏やかに「蓮隊長なら大丈夫だよ、あの人強いから。」しかし、
メイはまだ心のどこかで不安を感じていた。
「でも...」
「それより」と男のメイは言葉を切り替え、椅子に腰掛けながら尋ねた。
「呪いの解き方はわかった?」
メイは首を横に振った。「まだ何も...」
「そうかな?ここに来ているってことは、その兆候があったはずだよ。」
メイはその言葉に「兆候?」と反応した。
「そう、ここに来る前に何かしたよね?」その問いかけに、メイはハッとして顔を赤らめた。
男のメイは微笑んで言った。「ふふ、そう君の心にある深い愛情が呪いを解く鍵になるんだ。」
「愛情が鍵になるの?」メイの声は不安と期待が混じり合っていた。
母は長い間、その深い愛の力を闇に侵されてしまった。
だから、母と同じ能力を持メイが必要なんだ。」
男性のメイは更に言葉を続け「この世を救うのはメイの持つ深遠なる愛情だ。
その際に、性別などの区別は無意味だ。メイの存在は性別によって定義されない、特別なもの。
その心と肉体が愛によって育まれ、成長することで、いずれ母を取り巻く闇も消散するだろう。」
メイは言葉を詰まらせた。「で、でも愛情ってその...」
くっすっと笑いながら「ただ誰とでも関係を持てと言っているわけではないんだ。
大事なのは愛を理解すること。その後は、君の魂が正しい道へと導いてくれるだろう」
男のメイの言葉に、メイはほっとしたように見えた。「そうすれば、あなたも戻れるの?」
「そうだよ、元の一つの魂にね。」その瞬間、空間がゆがみ始めた。
メイは何が起こったのか理解する間もなく、屋上から落ちていった。
その落下の中で、メイは何か大切なことに気づきかけているようだった。
遥か遠く、メイの名を呼ぶ声が響き渡る。その声の主、翔太が心配そうに問いかける。
「メイ、大丈夫か?」意識を取り戻したメイは、ぼんやりとした視界の中で翔太の顔を見つけ、
驚きと安堵の声を上げる。「翔太…」「そうだ、隊長が魔獣に!」
タケルが事の成り行きを説明する。
「隊長はもう一人で討伐してきたらしい。メイを担いでここまで来たんだ。」
メイが驚いた様子で「そうなの」と返す。
蓮が無事であったことに胸をなでおろす。
翔太「いまごろ副官に絞られてるはずだよ」
その頃、蓮が副官の厳しい言葉を受けていた。
「いったいどういうことだ、単独行動するなんて規則違反だぞ!」
蓮は申し訳なさそうに「すまない、近くに隊員がいたので、逃げるまで引き付けただけだ。」
「隊員がいただと?いったい何をやっていたんだ」と副官が詰め寄ると、
蓮は急に眼を泳がせ、「えーっと、剣の訓練して..」と言葉を濁す。その様子に眉をひそめる凌。
「もういい、お前の処罰は後回しだ。今日は美智の国部隊が来る。
士気を上げて、全力で魔獣討伐に挑むんだ」この言葉に、
蓮の表情は一変し、「わかった」と答え、部屋を後にした。