「けどさ…」
智明の声は真剣だった。
ひよりは、素直にその瞳を見つめた。
「俺が守るから…」
智明の指先が、ひよりの濡れた唇をそっとなぞる。
ひよりは、その人差し指を咥えて、舌先で愛撫しながら挑発的な笑みを浮かべた。
ひよりの首筋を、智明の指が撫でる。
風が吹くと、その軌道上に冷気を感じた。
ひよりは、そんな性的な感覚が好きだった、
智明の膝の上にまたがる。
ひよりが大好きなくしゃくしゃの顔が、恥ずかしそうに笑っていた。
ふたりの顔が近付いていく。
触れる鼻先はこそばゆくて、そのお陰で、互いの声を至近距離で感じ合えるのは快感だった。
智明の手が、ひよりのガウンのボタンを外していく。
ひよりは囁くように言った。
「ねえ?」
「ん?」
「私のどこが好き?」
ひよりの首筋から鎖骨に沿って、智明の指先がやさしく踊る。
その声に、エクスタシーに達しそうになったひよりは、必死で堪え続けた。
「長くて綺麗な首が好きだよ」
「他には?」
「そのわりに逞しいイカリ肩」
「他には?」
「声も顔も性格も…」
「もっと言って…」
ひよりの吐息に被さる智明の唇。
「割れた腹筋も、長い足も好きだよ」
ひよりは、智明の身体を引き寄せて、喘ぎながら囁いた。
「私も…」
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