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#ダンジョン
麗太
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可愛らしい見た目と変にマッチしている丁寧な話し方のパイロに答えるレイブは干し肉を齧ったままで腰を上げながらである。
「準備も何も(クチャクチャ)、荷物も背負ったまま寝ていたし(クチャクチャ)、いつでも大丈夫だよ(クチャクチャ)な? 皆 (ゴクン)、ぷはぁー」
『『(ゴクン)ぷはぁー』』
畜生、恥ずいぜ……
パイロは気にする素振りも見せない。
『左様でございますか、ではゆるゆると参りましょう』
「はいはい、おっ! ちょっと待ってくれよ」
言いながら周囲をキョロキョロと見回したレイブは、脇に繁茂していた青草を一掴み、力任せに引き千切るとペトラの頭の上に乗せながら誰にとも無く声を掛ける。
「ここで良いだろう、おーい続きはここで喰ってくれ! 早く来ないと先に行っちまうぞぉっ!」
ピョンっ!
言い終えると同時に、近くの草むらから一匹のバッタが飛んできてペトラの頭に止まった。
驚いて見つめているパイロにレイブは笑いながら言う。
「こいつはテューポーン、俺たちの仲間なんだよ、へへへ」
『へぇ』
レイブ自身が気が付いているかどうかは定かでは無いが、ここ三日間でテューポーンとの関係性、主に立場に変化が生じているようである。
判りやすく言うと、もうすっかりマスコット的な扱い、もっとはっきり言えばカーストの最底辺になって来ている事が窺い知れる、極端な実力主義、良く言えばリアリストと言えるだろうが、全くゲンキンな物だな……
当のバッタは気にするでもなくペトラの頭の上でピョンピョンホッピングを繰り返しているし、楽しそうだしまあ良いか。
「じゃあ行こうか」
『では私に付いて来て下さいね、他の者が皆さんの周りを歩きますので何か有ったりして立ち止まる時は声を掛けて下さい』
「? ああ、判ったよ」
灰色リスのパイロの物言いにどこか引っ掛かる物を感じたレイブであったが、揃って可愛らしい瞳を向けているラタトスクに限って悪巧みの類は無いだろう、そう判断して言われた通りにする事に決めた。
歩き始めてみると四肢を使って移動しているラタトスクたちは殊の外小さくて目立たない。
――――なるほど、先程の言葉は万が一にも俺達がはぐれてしまわない為の気遣いだったのか…… いやラタトスク、親切じゃないのぉ~
納得しているレイブであった。