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リクエストありがとうございます…!
今回はやわしゅん強めです…!
ドカン、という鈍い衝撃音と悲鳴が病棟の廊下に響き渡ったのは、昼下がりのことだった。
小児科の廊下で、パニックを起こした体格の大きな少年が暴れ出した。
そのまま、近くにいた幼い患者に向かって倒れ込もうとした——その瞬間、舜太が体ごと割り込んだ。
少年と小さな子を間一髪で庇い切ったものの、勢い余って非常階段の踊り場へと激しく転落。
カン、カンと無機質な音が響き、踊り場の踊り場で打ちつけられた舜太の右足は、素人目に見ても尋常ではない角度に曲がっていた。
「ぐっ……あっ……!!」
激痛に息が止まる。視界が真っ白に明滅し、冷や汗が引きちぎられるように噴き出した。
皮膚の下で折れた骨が神経を圧迫し、足先まで焼け付くような痛みが走り抜ける。
息を吸うことすら満足にできない。
「舜太……!? しゅんちゃん!!」
真っ先に駆け下りてきたのは、近くにいた柔太朗だった。
曲がった右足と、痛みで激しく喘ぐ舜太の姿を目にした瞬間、柔太朗の顔から血の気が完全に引いた。
「触っちゃダメだ……!太ちゃん! はやちゃん!!救急カートと固定具!!舜太、骨折ってるかもしれない!!」
普段のクールな姿からは想像もつかない、叫び声のような柔太朗の声。
「しゅんちゃん!? ウソやろ……っ!?」
「仁人、処置室空けろ! 太智、ストレッチャー!!」
駆けつけた勇斗と太智も、あまりの惨状に息を呑む。
即座に駆けつけた仁人が現場を仕切り、素早い応急固定と鎮痛剤の投与が行われた。
処置中の激痛に舜太は柔太朗の腕を爪が食い込むほど強く握りしめ、ボロボロと涙を流して耐えるしかなかった。
数時間におよぶ緊急手術と処置が終わり、個室のベッドに横たわる舜太。
右足は重厚な創外固定器とギプスで厳重に固定され、点滴のチューブがいくつも繋がれている。
痛みに耐えかねて投与された鎮静剤のせいで、舜太の意識はまだフワフワと霞んでいた。
「……ん……っ……」
「……舜太? 気づいた?」
一番に聞こえたのは、かすれた柔太朗の声だった。
ゆっくり目を開けると、ベッドの脇に座る柔太朗の顔があった。
髪はボサボサで、目は真っ赤に腫れている。
「……じゅう……?俺……」
「喋らなくていいよ。……足の骨が折れて、手術。けど大丈夫だから、」
そこへ、ドアが開いて太智、勇斗、仁人が入ってきた。
太智は舜太の顔を見るなり、涙をポロポロとこぼしながらベッドに駆け寄る。
「しゅんちゃぁん……っ! よかった、目が覚めてほんまによかった……! あんな大きな怪我して……痛かったなぁ、怖かったなぁ……っ!」
「太智、泣きすぎだって……。でも本当に無事でよかった!あの角度見たとき、俺、心臓止まるかと思ったぞ……」
勇斗も目元を拭いながら、愛おしそうに舜太の頭を大きな手で包み込んだ。
仁人は静かに眼鏡を外して目元を固く閉じ、小さく息を吐いた。
「……庇った子供も、暴れた子も無傷。お前が体を張って守ったから」
「……よかったぁ。みんな……ごめん、心配かけて……」
「謝らんでええ! 今は自分の体のことだけ考えたらええからな!」
太智たちがひとしきり舜太を撫で回し、痛みを気遣う言葉をかけた後、「点滴の様子見てくる」「美味しいもの買ってきてやるからな」と、一旦部屋を後にした。
再び訪れた静寂。
残された柔太朗は、依然として舜太の手を両手で強く握りしめたまま、微動だにしない。
「……じゅう?手、痛くない?」
力任せに握られている手を心配して声をかけると、柔太朗はゆっくりと首を振った。そして、痛々しいギプスが巻かれた舜太の右足を、悲しそうに見つめた。
「……痛かったでしょ。あんなに足が曲がって……僕の目の前で、血の気が引いていくしゅんを見て……生きた心地がしなかった」
ぽつり、ぽつりと溢れ出す声。
「僕がもっと近くにいれば……僕が先に気づいていれば、しゅんがあんな目に遭わずに済んだのに。……僕のせいにさせてよ」
「じゅうちゃん……そんなことないって……」
「あるよ。……もう、絶対に離れない」
柔太朗は握っていた舜太の手を自分の頬に寄せて、静かに瞳を伏せた。
「車椅子の移動も、着替えも、ご飯も……全部俺がやる。トイレだって付き添う。過保護だって煙たがられてもいい。しゅんが元通りに歩けるようになるまで、全部僕に頼って」
いつもの冷静な姿からは想像もつかない、執着に満ちた深い愛。
舜太は、自分を心から大切にしてくれている柔太朗の熱を感じて、胸がキュッと締め付けられた。
「……ふふ、分かった。じゃあ、じゅうに全部お世話してもらうな」
「うん。約束」
扉の隙間からその様子を見ていた勇斗、仁人、太智。
「……柔太朗、相当ショックだったんだな。あんな顔、初めて見たぞ」
「現場で一番最初に舜太に駆け寄ったの柔太朗だったからね……。今は満足いくまで甘えさせてやろう」
「ほんまやね。しゅんちゃんが元気になるまで、みんなで超過保護チーム結成や!」
温かい仲間の愛に包まれながら、病室には少しだけ穏やかな時間が流れるのだった。
コメント
3件
今回もとっても素敵なお話しです✨️ リクエスト書いてくださってありがとうございます😊 しゅんちゃんが子供達を庇って大怪我をしてメンバー全員に心配されて過保護なじゅう様の愛情しかと受け取りましたそして心配で泣くだいちゃん達とっても仲間思いで感動しています😭 書いくださってありがとうございます😭 次の投稿楽しみにしています😊 体調不良にわ気おつけてくださいね。
うわ、今回めちゃくちゃ心臓に堪えた……。危ない場面を身を挺して止めた舜太が、あんなに痛そうで読んでるこっちまで息が詰まったよ。しかもその後、柔太朗がああやって「全部俺がやる」って執着に近い愛情を見せるの、ドキドキしたな。クールなキャラが崩れてるところにグッと来る。太智が涙ポロポロなのも含めて、このチームの絆がひしひしと伝わってくる名エピソードだった。
びび
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#山中柔太朗
Freesia
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