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第三話


でも離れると緊張してきて、教室のドアを恐る恐る開けて入った。

私は緊張で体がガチガチになりながら、座席表を見て席に座った。

少し緊張が解れて机の中に教科書やノート、筆記用具を入れていると「やぁ、僕はトレバーだ。君は?」と隣の男の子に声をかけられた。

「あ、私はマリー。よろしく」と軽く解釈して準備を再開しようとしたら「そのポシェットはどうしたの?」とポシェットを指さした。

「ユッタさんにお願いして布を貰ったの。大事な物だから形見放さず持ち歩きたかったから…」

「へぇ~、凄いね。って!自分で作ったの?」と目を見開いて驚いている。

「うん。お母さんが昔教えてくれたのを思い出して作ったの」と微笑んでいると「いいね。親が近くにいてくれるなんて」と微笑み返してくれてから二人で時計に気づいて話をやめた。

周りは段々気づいてやがて静かになった。

「おはようございます。入学式お疲れ様でした。私は担任のユリンです。よろしくお願いします」という簡単な先生の自己紹介が終わって皆の自己紹介が始まった。貴族が多いから名字を持っている人が多くて自信が無くなってしまったのと反比例して緊張が高まってくる。

「じゃあ次、マリーさん」とユリン先生が言ったら私はガチガチになりながら「は、はい」と震えた声のまま「マリーです。家は農家ですが、村へ帰って地域で役立てられるようにこの魔法学校へ入学しました。よろしくお願いします」と今までに無い量の視線に緊張しながらなんとか言い切った。


そんなこんなで一日が終わった。

「はは、疲れたみたいだね」とカールさんが食堂で隣に座る。

「はい。村は人口が少なかったので…初めての事ばかりで体がガチガチです」とため息交じりに言うとカールさんは苦笑した。

「まぁ、僕も城育ちだから最初はびっくりしたよ。夜会でもほとんど出席した事なかったし…」と少し顔が暗くなった。

ん?夜会ってなんだろう?

「まぁ、段々慣れてくるから大丈夫だよ」と微笑んでから食べ始めた。


それからカールさんに花畑で夜風に当たろうと誘われた。

「やっぱり、気持ちい」と両手を広げて深呼吸をしている。

「本当ですね。気持ちいです」と私も真似して深呼吸をしてみる。

「あ、それでだけど卵は順調?」

「はい。でも孵化する感じが全くなんですよ…」と苦笑する。

「う〜ん。でも孵化しなくてもいいんじゃない?本来は魔力を扱えるようにする事を目当てに渡されたんだし」と微笑んでくれる。

「確かに、私が魔力を扱えるようにするために渡されたんだしいいのか」『確かに』と顔にドドーンと書いてあるのでカールさんは苦笑している。

それから無言の時間になった。私は一人で空を見上げていると両親が星屑のどれかなのかもと思ってしまうと胸が急に苦しくなってしまう。

「え?大丈夫?」と私に気づいたカールさんが寄り添ってくれる。

「はい。少し両親の事を思い出して…」と言ったら「え…って!」とカールさんが悟った。

「両親は二年前に会って…それっきりです。それから兄妹三人で…」と言ったところで涙が込み上げてきて泣いてしまった。

カールさんは無言で私の背中を揺すって慰めてくれた。


少しすると私も落ち着いたので部屋まで送ってくれた。

「ありがとうございます。ちょっとみっともなかったですよね…」と俯くと「みっともなかったなんて思ってないよ。むしろミーナは頑張ってきたんじゃん。だからそんな事思う必要なんて無いと思うよ」と頭を撫でてくれた。

クレアを思い出してしまった。クレアはお姉ちゃんじゃなくて母のように必要以上大人びていた。

そう思うと、少し切なくなる。

「じゃあ、おやすみ」と手を振ってくれたので「おやすみなさい」と振り返した。


二日が経ち授業も一通りオリエンテーションが終わったので今日から授業内容に入る。

教科書に載っている事を少しカールさんに教えて貰ったので理解が出来たけど、予習が出来なかった所になると、と思うと気が重くなる。

でも、貴族は家庭教師が教えてくれているのかと思うと羨ましくなる。

お昼は一人で食べる。三年生では授業の担当の先生がいつも時間を過ぎるので一緒に食べられない。

それから午後の授業が始まって偶に居眠りしている生徒も見える。だけど先生に魔法か何かで起こされている。

私は裁縫を午後にやっていたのでそこは強かった。

そんなこんなで授業が終わった。

私は今さらだけど、カールさんが居ない事に気がついた。

風邪でも引いたのかと思ったけど、さっき学中の集まりがあるという噂を小耳にしたので風邪では無いと思った。

私は食べ終わると前の夜空の見える花畑へ行った。

「気持ちい〜!」と体一杯に息を吸った。

私は家に代々受け継がれる子守唄を歌った。昔から歌だけは自信があった。

そしたらポシェットが揺れているのに気がついた。

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