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不明ちゃん。
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第四章 ―― 雪山の上に佇むアストラル・エデン白樺の原生林を出発してから、五日後。
僕たちは、吹雪の山道を登っていた。
「さっっっむ!!!」
ゴォォォォォ……。
視界が真っ白だ。
雪が顔に叩きつけられ、息をするだけで肺が痛い。
《アステリア》を背負いながら、僕は必死に雪を踏みしめる。
「なんで空中都市が雪山の上にあるんだよぉ……!」
ノヴァが冷静に答える。
「古代文明は秘匿性を重視していました」
「もっと行きやすい場所に作れよ!!」
すると横から、小さな笑い声。
レイナだった。
彼女は、吹雪の中でも不思議と平然としている。
「ふふっ、でも景色は綺麗だよ?」
「景色見る余裕ないってぇ……!」
僕が叫んだ瞬間。
吹雪が、一瞬だけ晴れた。
そして――。
「……え」
遥か上空。
雲の切れ間の向こうに、“それ”はあった。
巨大な都市。
空に浮かんでいる。
白銀の塔。
宙を巡る光のリング。
滝のように空から流れ落ちる水。
まるで天空そのものに作られた神殿。
アストラル・エデン。
夕陽を反射し、黄金色に輝いていた。
「すげぇ……」
思わず立ち尽くす。
ノヴァが静かに言う。
「古代天空文明の中枢都市です」
「かつて“星を管理した都市”と呼ばれていました」
レイナも、その都市を見上げていた。
だが彼女の表情は少し険しい。
「……でも、おかしい」
「え?」
「都市が、動いてる」
その瞬間。
ゴゴゴゴゴ……。
空中都市の周囲を回っていた巨大リングが、ゆっくり加速し始めた。
空が震える。
都市の一部が赤黒く染まっていく。
ノヴァの警告音。
「高エネルギー反応!」
「ヴォイド侵食を確認!!」
次の瞬間。
ズガァァァァァン!!!
アストラル・エデンの一角が、内側から爆発した。
炎。
崩落する塔。
そして都市の中心から――巨大な黒い翼が広がる。
「……ドラゴン?」
いや、違う。
それは“天使”だった。
六枚の翼。
白銀の装甲。
だが身体の半分が、黒いヴォイドに侵食されている。
そして胸の中心には、巨大な赤い目。
その存在が、ゆっくりこちらを見下ろした。