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橘靖竜
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「コーヒーでも買うか」
眠気と戦いながら福音ダンジョン前に到着する。朝早いからか福音ダンジョン前は人の行き来が少ない。近くの自販機で微糖のコーヒーを買って一気に飲み干してから転移ゲート前に移動する。
「おはよう、ゲートご利用かい?」
「おはようございます、5層まで行きます」
「最近行方不明者が出てるから気おつけて」
行方不明者か…前の奴か私とは別件か?
まぁ頭の隅にでも入れておこう。
転移ゲートを使い5層の広場に転移する。
すぐに右手にガントレットを付けて、左にメリケンサックを装着してから村を出る。
村を出てから6層までの道のりを突き進む。
途中はゴブリンしか出てこないので出会い次第殴り倒して行き1時間程で6層に到着する。
その勢いのまま、6層、7層、8層、と着々と私は突き進んでいった。
7層から、狼に魔法を使うゴブリン等多様なモンスターが現れたがレベル差の問題なのか難なく倒すことが出来た。
私のレベルだと此処らへんは合わないらしい
9層入り口に到着した時には私はモンスターの返り血で服や顔が酷い状態で人に見せれる物ではなかった。
9層には湖があるからそこで洗う事にしよう。
湖を見つけ、周りに人の気配がない事を確認してから服を脱ぎ湖で顔と服を洗う。
「ステータス確認しとくか」
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山田愛菜
レベル15 Gランク
HP82/82 MP108/108
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スキル
〇〇の吸血鬼の従者,魅力,怪力,吸血
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吸血、対象のHP、血を吸う事により相手のHPを自分のHPに変換する。
遂に吸血鬼らしいスキルが来たなぁ
使い勝手が良さそうで私はうれしいよ。
ちょっとニヤついてしまったが今私は、下着以外付けてない半裸なのを思い出す。
濡れた服に着替えて、近くの木の枝と着火剤とライターで火を起こして服を乾かす。
暖を取りながらこれからの事を考える。
10層はボスエリアになっていて、入るとボスを倒さないと出ることが出来なくなっているらしい。探索者協会の情報やネットに流れてる情報を見るに基本ホブゴブリンらしいが、物凄い低い確率で上位種のゴブリンやオークが出てくると言われている。
ホブゴブリンなら私のレベルでも大丈夫だが
ゴブリンキングとかが出てきたらマジでヤバイ、死ぬ可能性大である。
各ダンジョンの10層の死亡者が多くて良く
テレビ等では議論の対象にされている。
政府や探索者協会はボスには最低6人パーティ以上を推奨しつつ、探索者ならダンジョンに入った時点で自己責任だと言っている。
私はパーティーに入る気も無いから失然的に
ソロで攻略する事になる。
推奨はレベル12からなので、レベル15の私なら大丈夫だと思う。
私が進むべきか考えるていると、何かがこちらに近づいてる気配を感じる。警戒しながら気配がした方向を見やる。
「あっ、あの、すいません、ちょっと捻挫しちゃって少し一緒に休ませてくれませか?」
人間の女の子だ。セミロングの黒い髪に魔法使いのようなマントを付け、腰にはダガーのような小さめな剣がある。
「あー、うん、大丈夫ですよ」
「本当にすいません、お邪魔します、あっ私
芦田加菜《あしだかな》と言います。よろしくお願いします」
「よろしくね。私はマガって言います」
本名言って大丈夫なのかな、この子?
芦田さんは16才で一攫千金を夢見てダンジョンに潜っているらしい。今回は20体以上のゴブリンの群れに遭遇し、殲滅出来たが脚を怪我してしまったとのこと。
芦田さんは年も近く同じソロで活動してるからか気が合いダンジョンに居るのを忘れて、楽しく談笑してしまった。私の死んでる表情筋が久しぶりに働き笑顔になれた気がする。
「ふふ、久しぶりに楽しいお喋りが出来たな
ありがとうね愛菜ちゃん」
「いえいえ、私も久しぶりに楽しい時間を過ごせました。…そろそろ解散しますか」
「はい、休ませてくれて本当にありがとう」
私達は連絡先を交換してから別れる。
変な人じゃなくて良かった…
はや走りで10層への階段前まで移動して
次を考える、ここからどうするか?
正直不安だがいつかは挑む場所だし今の私ならホブゴブリンなら倒せるはず…
私は緊張しながら階段を降りていく。
.
.
.
階段を1分ほど降っていくと開けた場所に出る
開けた先に異常にでかい黄緑の何かが此方を見据えているのが分かる。
「あぁ、しくった」
小さい声でそう呟きながら後ろを見ると階段の入り口は薄い透明な何かで塞がれている。
やっぱり逃げれないか…行くしか無いな
私は覚悟を決めて黄緑のモンスターの前まで辺りを警戒しながら近づいていく。
私が近づくまで動く気が無いらしい。
オーク、動画などでも色が見た事ないから多分オークの中でも上位にあたる存在だろう。
私は近くまで近づいてから一気に走り出す。
私の今出せる全力でコイツを殴るしか無い!
オークは私が近づくと地面から何かを持ち上げ私に向かいソレを振るう。
瞬間、物凄い風圧と刃の様な鋭い物が私を襲い、私は後方に吹き飛ばされ壁にぶつかる。
「んぐっぁ」
階段付近の壁に叩きつけられ身体中切り傷が出来ている。正面を見るとボスは元いた場所から動かずこちらを見ている。
此方がもう一度動こうとすると周りから緑のオークが何処から共なく現れていた。
「マジでヤバイな…」
オークの一体が此方に走りだし剣で私を切りにかかる。瞬時にガントレットで受け止めて左のメリケンサックで横っ腹を殴る。
オークが鈍い声を出し動きが止まった隙に
ガントレットで無理やり剣を押し返して体制が崩れた瞬間、両手で力一杯オークを殴る。
殴り続けるとオークは血を流し倒れた。
すぐに周りを見ようとしたが遅かった。
私が一匹に集中してる間に無数のオークがすぐ側まで近づいていた。マズイと思ったのもつかの間に槍を持ったオークに私は脇腹を刺されてしまう。
「ゔぅ…」
痛みから呻き声を上げてしまう。
何とか反撃しようとガントレットで槍を持つオークを殴ろうとするが、届かない。
私の拳はオークを殴る前に剣を持ったオークに腕を貫かれていた。
あまりの痛みで動けなくなった隙に、四方八方から迫っていたオーク達の剣や槍で私は身体中を刺され切り付けられ血溜まりに伏せる。
口から血を噴き出し喉から声が出せない。
手や脚の感覚が無く動かす事が出来ない。
目の前には見えるのは自分が流したであろう
血溜まりの地面に、私を囲みニタニタと笑っているオークの集団たち。
トドメとばかりに棍棒を持つゴブリンが私に棍棒を振り下ろし、私は意識が薄れる。
ーー最後に見た景色は真っ赤だった。