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今回はふうせん様のコンテストに参加させていただきます🙏

青×桃




温かい布団から匂ういい匂い。温かい朝ごはんの匂い。

青「ないこ、そろそろ起きや」

俺の体を揺すって起こすまろ。

青「あ、起きた?」

青「朝ごはん出来てんで」

そう言った目の前のまろは死んだはずのまろだった。

桃「何でまろが…死んだんじゃなかったの…?」

驚いたような顔をしてクスッと笑う

青「俺がいつ死んだんよw」

あぁ、なんだ夢だったのか。

夢だとわかりホッとする俺にかわりまろはまだ笑ってる。

桃「あー、なんかお腹すいたなー」


リビングに向かうと出来立てのトーストとコーヒーが置いてあった。

青「なぁ、何で俺がいきなり死人扱いされたん?w」

桃「変な夢見てたみたいw」

青「へぇ~どんな夢?」

興味が湧いたのか夢の内容を知りたがるまろに覚えてる限り話す

桃「んーっと、あんまり覚えてないんだけどなんか町がぐちゃぐちゃで建物も崩壊してて」

桃「まろが建物の下敷きになってたんだよね」

青「ないこ…俺に恨みでもあるん…?」

恐る恐る聞いてきた質問に拗ねたふりをして答える

桃「この前、酔っぱらって俺の寿司食べたよね~」

青「ごめんって~」

焦ったように謝るまろ。

でももう怒ってないしむしろお詫びに回らないお寿司に連れてってくれて嬉しいくらい。

でも本当に夢でよかった。

改めて安心する。

桃「ねぇちょっと寒くない?」

暖房の効いた部屋で温かいご飯を食べているにも関わらずとても寒く感じる。

青「温度上げよか?」

18度から22度に上げる。

しばらくしても寒さは変わらなかった。

青「ないこ熱あるんちゃう?」

別にしんどいとかはない。

だけどとてつもなく寒い。

まるで冬の外にずっといるみたい。

青「ベッドで温まるか?」

桃「うん、そうする」


ちょっと前まで温かく感じていたベッドもあまり温かくない。

むしろあってもなくても変わらないくらい。

桃「俺どうしちゃったんだろ…」

何かの病気なんかじゃないかと不安になってくる。

青「今日はいつもよりちょっと冷えてるし最近また寒くなり始めてるもんな」

桃「………まろは寒くないの?」

青「俺は別に…?」


ゴゴゴゴ

桃「え、何?!」

周りのものがガタガタと揺れている。

地震だ。

しかも結構大きいし長い。

青「ないこっ!」

次の瞬間俺の視界は真っ黒に包まれた。


桃「……っ…!!」

目が覚めた。

あぁ、夢だったのか。

全て夢だったのだ。

最初からご飯なんて食べてなかったんだ。

最初から起こしてもらってなんかないんだ。

そう。

ある日、あの夢みたいな大きな地震が何の余地もなく俺たちを襲った。

そして、家にいた俺とまろはそこで地震が収まるのを待つしかなかった。

けど、地震が大きすぎて大型の家具や地震対策した家具は次々と倒れた。

まろは倒れた家具下敷きになりかけた俺を庇いまろが下敷きになってしまったんだ。

けど辺りは暗い。俺も何かの下にいるのだろう。

ただ運良く潰されずにいる。

桃「何とかしてここを出ないと…」

俺だって無傷じゃない。けどまろは俺よりもっとひどいけがだろう。

スマホでまろに連絡を取りたいがスマホは壊れてしまっている。

まろは大丈夫だろうか、生きているだろうか。


??「大丈夫ですか?!」

桃「はい、ありがとうございます…。」

救助にきてくれた人のおかげで何とか瓦礫の下から出ることができた。

町での救助は結構進んでいた。

怪我人は大きい病院に運ばれていた。

幸いにも病院は大きく地震で崩壊することはなかったようだった。

まろが病院にいるとは限らないが一か八かでその病院へ行ってみることにした。



桃「まろ……。」

たくさんの機械や管で繋がれ、横になっていた。

体のあちこちに包帯が巻かれていて痛々しかった。

桃「ごめん……。助けてくれてありがとう…。」

桃「夢のこと思い出したよ。」

夢でも助けてくれたよね。

でもまだ死んじゃダメだよ。

そう願ってもピッピとなる心電図は次第に弱く今にも直線になりそうだった。

何で俺たちがこんな風にされなきゃいけないんだろう。

俺は横たわるまろにしがみついた。

好きだよ。世界で一番愛してる。

だからっ…。


桃「これからもずっと一緒だよね…?」

そう言った次の瞬間だった。


ピーッ

待って…待って、ダメ…。

俺、まろがいなくなったらどうすればいいの?

これから誰と幸せになればいい?

まろじゃなきゃ嫌なのに。

あの日常が幸せだったから今、この現実に深く突き落とされるような感じがした。

溢れて止まらない涙。

顔がぐしゃぐしゃで喋ることができない。

絶対手放したくなんてなかった。

こんなことになるならずっとあの夢の中にいたかった。

終わりがあるなんて知りたくなかった。

もうきっとあの夢でしか会えない。幸せになれない。

俺はまろにしがみついて頬に温かくものが伝わったまま深い深い眠りについた。

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