テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
初めての小説なので、拙い部分もあると思いますが、温かい目で読んでくださると幸いです🙇
「しまったなぁ…」
ショッピングモールから出てきた凸もりは、雨を見ながら小さく絶望した。
「傘、持ってきてないんだよなぁ…駅まで遠いし、どうしよう…」
凸もりはふとスマホを見る。18時。雨がやむのを待っている暇はない。
「傘、買うしかないのかな。もう家にたくさんあるし、節約したいんだけど、仕方ないな。」
そう言ってショッピングモールに戻ろうとした瞬間、
「傘、いる?」
声がした。凸もりが振り向くと、そこにはさぁーもんがいた。
「いいよ。俺、折りたたみも持ってるし。晴雨兼用のやつだけど。」
そう言って、さぁーもんは長傘を渡してきた。
「明日、返してよ。」
そう言って彼は去っていった。
凸もりはしばらくその場で傘を握っていた。
黒い、どこにでもありそうな傘。目印にイクラのキーホルダーが付いていた。
しかし、凸もりは一つ疑問を抱いた。
「あれ…こんな傘、さもさん持ってたっけ?」
空を見上げる。
「新しく買ったのかな。」
そうつぶやき、傘をさして駅へ向かった。
俺はまだ知らなかった。
この傘が俺の人生を左右する事件を巻き起こすことを。