テラーノベル
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京夜「え?それ、確か恋太郎くんの偽名…」
氷介「は?なんでお前がそんなこと…」
急に現れた“彼”は普段の彼からは感じられない何かを持っていた。何が起こったのかさっぱりだ。
先程の大きな音を聞いたのか生徒たちやダノッチが階段から降りてきた。
四季「さっきの音なんだよ?!」
皇后崎「…あれ誰だ。」
四季「え?レンに決まって……」
皇后崎「馬鹿、ちゃんと見ろ。」
どうやら皇后崎くんも気付いたようだった。“彼”はもう恋太郎くんではない。
氷介「…お前ら鬼か?」
矢颪「はぁ?お前もそうだろうが。」
氷介「冗談は大概にしろよ。僕は桃太郎機関隊長だ。」
みんなぽかんとしている。そうしたら四季くんが顔をしかめていた。四季くんだけでは無い、みんなそうだった。
四季「冗談言ってんのはてめぇだろ…?シャレになんねぇよ。どうしちまったんだレン!」
すると“彼”は不愉快そうに眉間に皺を寄せている。普段の恋太郎くんのそんな表情を見た事がない。
氷介「ぎゃーぎゃー喚くな耳障りだ。大体なんで僕がこんなとこにいるんだ?てめぇら拉致りやがったか?」
彼の口から信じられないほどの暴言や言葉遣いが出てくる。こちらを睨みつける目が震え上がるほど恐ろしい。
氷介「僕はさっきまで桃太郎機関にいたはず…こんなこと有り得るか?」
無陀野「…お前自分が桃太郎だと言ったな?」
氷介「あぁそうだよ。僕は桃太郎だ。」
ダノッチはしばらく考えたあと大きなため息をついた。気だるげに“彼”を見つめてはまたため息をついた。
無陀野「今の状況が大体分かった。ついてこい。」
氷介「はぁ?誰がおめぇらについてくんだよ馬鹿か?」
ダノッチが無言で“彼”にじりじりと近づいて行く。そして素早く彼を背負い投げする。早すぎる動作に受身を取れず、“彼”が地面に叩きつけられる。
衝撃でごほごほと咳き込んでいる。
無陀野「ついてこい。二度は言わない。」
さすがの“彼”でもついて行くしか無かった。
氷介side
さっきから変な事ばかり起きている。僕は確かに桃太郎機関にいたはず。なのにこんな鬼の根城にいるなんて。
それにここの鬼は僕のことを「レン」や「恋太郎」と呼んでくる。なんで僕の本名を知っているんだ。
無陀野「お前らは世界が一つだと思うか?」
急に厨二臭い質問をしてきた。なんだコイツは。やっぱり馬鹿か?
世界がひとつかどうかなんてそもそも決まっていることだろ。
氷介「1つに決まっているだろうが。」
無陀野「違う。世界は無限に続いている。」
呆れた。こんな馬鹿な考えを言うために僕をここまで連れてきたのか?世界が無限だと?いいや、世界は限られている。当たり前だ。
無陀野「パッとしないやつも多いだろう。俺が言っている世界は“地球”ではなく、“分岐点”にあるからだ。」
無陀野「“分岐点”というのは誰かの選択で世界が無限に分岐することだ。もちろんこの世界は数ある分岐した世界のひとつに過ぎない。」
分岐点だと…?つまり僕はたくさんの世界線が重なっている中のほんの一部だと…?じゃあ一体、僕は何人いると言うんだ…
無陀野「俺の推測に過ぎないが、こいつはその分岐した世界の1部だ。本当なら発生しないはずの桃の力が恋太郎の方に発生したことで世界に“バグ”が起きた。」
氷介「はは……冗談じゃないぞ…じゃあ別世界の僕はこんな所で鬼として生きてるというのか…」
無陀野「そう言うことだ。お前とこの世界の恋太郎が世界に同一人物として見なされた。だからお前はここに呼び寄せられた。」
ではもう、僕の住んでいた世界は消えたのか?元の世界とこの世界が統合された今、僕は桃太郎機関隊長という地位を世界に奪われた。
四季「ふざけんなよ…!じゃあ元の恋太郎は消えちまうのかよ!恋太郎かえせよ…!!」
無陀野「落ち着け。元の恋太郎は“桃の力が発生しなかった世界”にいるはずだ。そこに統合することが出来れば元に戻る。」
皇后崎「そんなこと出来るのかよ。」
無陀野「今のところは無理だ。」
あのガキ…不満なのは僕の方だ。僕は桃太郎機関でも結構エリートだったんだぞ。努力も惜しまずしてきた。なのにそれを全部失ってお前らと仲良しごっこだと?ふざけるのも大概にしてもらいたい。
氷介「とにかく、僕は元の世界に戻るためなら何でもする。お前らとの仲良しごっこだってな。」
こんな馬鹿みたいなことにわかには信じ難いが、今は従うのがいいだろう。
そう思い、不愉快な彼らを背に去った。
四季「腹立つ……!なんなんだアイツ!」
無陀野「我慢しろ。俺らも協力してこの世界の冬麗恋太郎を取り戻す。」
そして桃太郎である僕の鬼との共同生活が始まった。
※伊都氷介
この名前は1話の時まじでちょろっと出てた恋太郎の偽名です。
ストーリーめっちゃ変に飛んでますね。すみません(;_;)
コメント
2件
めっちゃ気になる!