※最初に掲載した注意書きと前提をよくよくご覧の上、読み始めてください。
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※甚だしい捏造
※実在の人物、団体とは一切関係ありません
※書いている人間の妄想癖がひどいです。
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ワンクッション
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クリスタルの能力を使い封じれば、何か大事なことを忘れてしまう。
大切なことが記憶からなくなる。
グルッペンは、そう言っていた。
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ジェルジンスキー博士を乗っ取っていたクリスタルとの、核融合炉を巡る戦闘は、あっけないほどのグルッペンの圧勝で終わった。
クリスタルの暴走は終わり、大いなる力は消えるだろう。
「ひとまず……終わったな」
「……ああ、そうだな」
「戻るぞ、エミさん。亜留間先生達に報告せねば」
「……グルッペン?」
何だろう。
この違和感は。
「……続き、は」
「続き……? ああ、ゾムの治療か。あそこまで回復できているなら、クリスタルの超技術がなくても、彼らなら何とかしてくれるだろう。安心しろ」
「!!」
まさ……か……?
「どうした?エーミール」
「……いや。それより、キミはどうなんだ、グルッペン。あれだけ人外の力を行使したのなら、反動はあるはずだ」
「ふむ……。まあ、多少のだるさはあるが、自力で歩けるし問題はない」
「……念のために研究所に戻ったら、科学班の連中に診てもらえ」
「確かに。何かしらの不具合が出ても、おかしくはないはずだからな」
やはり。
エーミールは歩み行くグルッペンの背中を見つめ、握りこぶしを固める。
「大丈夫か、エミさん。行くぞ」
「……ああ」
エーミールは握りこぶしを解き、グルッペンの後に続き歩き出した。
これでいい。
エーミール自身も望んでいたことだ。
これでいい
……はずなのに。
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「ふむ。心電図も脳波も問題ない。MRIもかけたが、特段異常もなし。あのクリスタルの力を体内に宿していた割には、健康体ですね」
「軽微な頭痛やだるさはあるでしょうが、充分な休息と栄養を取っておけば大丈夫でしょう」
「ありがとうございます、亜留間先生」
「貴方はクリスタルの能力を享受し、無事生還できた数少ないサンプルです。当面、経過観察に協力お願いしますよ」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。では」
「エーミール君、しばらくの間、グルッペン君のお世話をしてあげてください」
「承知しました」
「行こうか、エミさん。腹も減ったし、ステーキでも食いに行こう」
「いきなり肉では、消化に良くない。せめてうどんにしておけ」
何気ない軽口を叩きながらの診察室を去る若者たちの姿を見送ると、亜留間先生は診察室の入り口スイッチを押してドアを閉めた。
診察前に淹れた緑茶はすっかり冷めていたので、温かいお茶を淹れ直そうと思ったが、しばらく逡巡した後、冷めたお茶を手に取り椅子に腰掛け直した。
「問題は、記憶の方みたいですね。今のところグルッペン君は、それでも問題なさそうですが……」
亜留間先生は、ズズッと冷めたお茶を啜った。
「さて、エーミール君。キミはこの状況、どうしますか?」
【続く】
【独白】
亜留間先生やりりか先生を、いくらフィクション小説モドキとはいえ、敬称略にするの、無理……
絶対に無理……
すいません……