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元貴の全身から力が抜けて、

ベッドにとろけるみたいに横たわっている。


俺はその体を、

そっと自分の腕で抱き寄せていた。


まだ元貴の吐息は浅く不規則で、

くしゃくしゃになったシャツの隙間からは、

さっきまでの熱がふわふわと溶けだしている。


首元や鎖骨には、

俺がキスで残した淡い痕が残っていて、

それを見るたびに鼓動が高鳴る。


俺自身もしばらく余韻に浸ったままで、

しばらくは元貴の髪を撫でたり、

静かに背中を摩ったりしていた。


滉斗『…大丈夫、だよね?』


そう声をかけると、

元貴はゆっくりと瞼を上げて、俺を見上げた。


元貴『うん……大丈夫…多分、//』


掠れた声で、それでも少しだけ笑ってくれる。

こんな顔、自分以外に見せて欲しくない

と思うくらい、愛しかった。


保健室の時計の音だけがカチ、カチと響く。

気づけば俺の手と元貴の手が、

自然に絡まっている。


滉斗『苦しくなったら、ちゃんと言えよ、』


元貴『…うん、』


俺は元貴の指を優しく握りしめた。


彼の指がまだ少し震えているのが伝わってきて、

胸がきゅ、と締めつけられる。


滉斗『さっきの…そんなに気持ちよかった、?』


思い切って聞くと、

元貴は顔をふいっと背けてしまった。


元貴『…だって、

若井がいっぱいキスするから…

変な声、止まんなくなって、///』


自分のことになると『僕』って

小さな声で答える元貴の仕草が、

たまらなく愛しい。


耳まで赤くなって、照れている。


可愛すぎて、思わずもう一度引き寄せて、

優しく抱きしめる。


滉斗『ごめん、でも、元貴が可愛すぎて…

どうしても俺、止められなかった、』


ちょっと揶揄うみたいに苦笑いしつつ、

額を重ねると、


元貴は『馬鹿』って拗ねた声で言いながらも、

嬉しそうな顔をしていた。


そのまま、ふたり並んでベッドに横になる。


俺の腕の中で元貴が小さく体を丸める。


元貴『……こうしてるの、落ち着く』


と、布団の中から小さな声が聞こえる。


俺は静かに背中を撫でながら、

その柔らかさや温もりに満たされていた。


滉斗『……これからも、ずっとこうしてたい、』


自分でも自然にそう言葉がこぼれた。


元貴は驚いたように俺を見上げて、

ほんの一瞬、瞳がきらりと揺れ、

それから照れくさそうに俺の服を掴む。


元貴『……やだ、ずっととか…///』


素っ気ないけど、

彼が『僕』って呼ぶ声の奥に、

ちゃんと愛しさが滲んでいる。


俺はそっと微笑んで、

彼の額に小さくキスを落とした。


窓の外を春の風が通り過ぎ、

やわらかな午後の光が元貴の横顔を淡く照らす。


手を絡めたまま、

ふたりはただ静かに寄り添い合った。


こんなふうに、ただ静かに、元貴の隣で。


この時間を――いや、これからの未来を――

きっと守り抜きたいって思う。


しばらくして元貴がぽつりとつぶやいた。


元貴『もう…授業行かなきゃ、だよね、?』


そう言いながらも、

俺の腕に少しだけしがみついてくる。


俺は小さく笑って

『まだちょっとだけ』と抱き寄せた。


身を委ねてくれる元貴の温もりが心地よくて、


俺はただ、しばらくこのまま、保健室に、

2人きりの時間を閉じ込めていたかった。




『 』“ ” の付いてない部分に

俺と書かれてあったら、若井side、

僕と書いてあったら元貴sideになります!


なんかすごい前の話と似てるな…🤔

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