みるみる内に青ざめていた表情も血色の良さを取り戻し、あんなに辛かった情緒不安定さや、イジメを受けまくって哀しんでいた表情も明るくなる。
ふと、ベルは感謝の笑みを浮かべて鴉を見ると話せる事に驚いて双眸を見開く。
『あれ?わ、…私の鴉、いつの間にか…話せていたの?』
『否、彼奴はただの鴉だが、我が今乗り移てるだけだ。目が覚めたようで何よりだが、ベルには悪魔が取り憑いてしまって、そのせいでバジリスクの毒を先程飲んでしまった。……故に我がこの鳥に取り憑いて助けた』
『取り憑く……助け…、何処かで聞いたような……、えっまさか、あなたは…』
『嗚呼、そうだ。朝に我が夢に現れただろう?汝の為に魔法を掛けた筈が、どうやらかかりが弱かったみたいだな。』
『…かけた、……この独特な話し方と…いい、貴方は、もしかして…悪魔ですよね?』
『よく知っているな?人の子よ』
『私は貴方に命を守ってくれとお願いしても無いし、守って貰ったが、貴方の都合ですよね?…なんで助けたんでしょうか?…まさか契約を?』
『それは…一応あるが、我の願いはヒュドラを倒す事だ。……汝は、どうやらエクソシスト故に悪魔からは命は狙われやすいし、さっきみたな虐めも、悪魔は汝を殺しにかかってるだろう。容赦なく人に取り憑いて汝に生きる希望を無くすような言葉を人に取り憑いて出してるだろうな』
『……ずいぶんと私をよく見て、エクソシストについても分かってるようですが、……私は悪魔とは、契約出来ませんよ。法律で悪魔との契約は、禁止されてます。』
『だったら、この鴉に我は暫くは取り憑いてあげよう。我は、ヒュドラという悪魔に用があってな。…契約は汝が気がむいたらしてくれるのを祈る。それまでは、我が側で汝を守ってやろう』
『勝手に私の鴉に取り憑いて、守るんですか?………契約なんて、絶対しませんよ。……ヘラクレスさん。』
『……何にせよ、我は既に汝を助けたんだから、側には置いておくれ?』
『……それは、私は様子見します。……確かに、貴方は助けてくれましたからね。』
ベルは人差し指を自身の唇に当てがいながらシーッと、小さな音を出す。
『エクソシストが悪魔を払わずに、更には側に置くなんて、人を快楽に陥らせる白い粉を所持してるような物。……もしも、誰かにバレそうになった際は、貴方は私が悪魔を研究する為に、側で拘束してるって人には話します。……その時は話を合わせるなり、上手い具合に演技をして下さいよ?』
双眸を細めながら笑みを浮かべるベルに、純白の鴉に取り憑いたヘラクレスは貫禄ある笑みを見せる。
『分かった。それまでは、一緒にいながら我はヒュドラを探すぞ。さて、汝は何やら食事をしながらも、色々と散らかしていたな。』
エルフの純白の煌めく白い羽が詰まったコルク瓶やらハーブ類等や、ミモザを乾燥させた物が入ってるポプリや、バターアーム等が入ってる瓶等、所々散らばった後がある。
『これは、明日実は悪魔を退治しに行くんですが……その為の準備です。…先ずは、悪魔を探す為に水晶で占いからです。……試しに私の鴉……ヘラクレスを占いましょう。』
ベルは疲労を感じる中、エッグプラントの上に水晶が置かれてるそれを手にして、自分の席の前に滑らせればヘラクレスは鴉の姿を借りて、水晶の前へと飛びながら座る。
いつの間に鳥籠に入れたヘラクレスが扉から出たのかと思うものの、水晶に手を翳してベルは占い始めると、ガラスのように星白色で透き通る白さを持つそれは、灰鼠のように濁った色をなしたかと思えば、色は変わらない侭、純粋な白に、そして光り輝いている。
『あれ?……可笑しいです。水晶の色が変わらない?……悪魔を目の前にしてるのに』
不適にヘラクレスは高笑いをするなり、羽を広げればボウ・アンド・スクレープをするように片方の羽を自分の胸に置いてお辞儀をする。
『世の中には、占っても白しか出ない悪魔がいる。…それが我だが、……我ならば悪魔の気配だってわかるぞ?…例え白しか出なくてもな。…側に強い味方がいて良かったな?』
呆然とするベルににこやかに話すヘラクレスの姿がある中、ふとベルは悪魔に対して、謎の安心感を感じては、よく無いと下唇を噛んで感情を抑える事にした。
『ま、まぁ……これならば、ヘラクレスが他のエクソシストに占われて見つかる心配は無いみたいですね。』
『……素敵だろう?』
眠気が少しずつ感じるなり、ベルは欠伸をした後、手を自分の口許に当てがいながら、立ち上がる。
『ヘラクレス……私は、もう眠いです。……準備していた物はまた別の日に教えますので、私の部屋で寝ましょう?』
ヘラクレスは頷くと、天使のような羽を羽ばたかせて自ら、鳥籠にて入ると扉を嘴を使って自分で閉めて行った。
何だか悪魔の癖に甲斐甲斐しいというか、律儀だとベルは思いつつヘラクレスの入った鳥籠を掴むと、自分の部屋へと向かい寝る準備をするのであった。
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