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勿忘草色の晴れ晴れとした天気に、煌めく太陽の日差しが、窓の隙間から寝ているベルに光を差していく中、大好きなラズベリーの香りと、バターのような香りに、アップルミントを詰みとったばかりの香りが鼻腔を擽る中、其れよりも朝を知らせとして目覚ましの代わりとなった物はヘラクレスがベッドで寝ているベルの肩にのって、コツコツとベルの額を軽く突っつく姿であった。
『ベル……おはよう?汝の為に我が料理を作って置いたぞ?喜びたまえ。』
ベルは布団から欠伸を出しながら起き上がると目元を右手にて、擦り上げる。
上半身だけベッドから起き上がれば、セミシングルベッドの深みのあるロイヤルブルーに、フカフカの柔らかい枕クッションが大量に散らばっている星々のデザインが揺れては起きる自分の緩慢さを伝えており、眩しさに瞬けば、ベルは視線を斜め右に向けた場所には、半円型の窓のカーテンはロイヤルブルーに煌めく星々が散らばったデザインの視界に広がる其れが昨日は確か閉ざしていたのに、横開きになって窓から朝日を部屋に覗かせていた。
更には、ベッド近くに置いてあるキャビネットの上に蝋燭たてに置いていた蝋燭から、仄かにバターアッサムと、ラズベリーの香りが漂っていては、匂いがしては匂いはこれかと寝ぼけ眼で思うと、次は円卓テーブルに、小瓶にはロイヤルエデンの妖精が好む華がコップに飾らせていて、お皿二つの上には、イチゴにクランベリーに、バナナの上に小さなアップルミントがそれぞれ飾らせていた。
『……作ってくれたんでしょうか?』
『どうだ?我が美味しいご馳走様に、更には気分が良いように華をテーブルに飾ってバターアッサムの蝋燭をとって火を付けて見たんだ。中々、気分が良い朝だろう?』
ふふん、と得意気に胸を張るヘラクレスを見ては、鳥籠から自力で出てカーテンも開けて、食事まで用意したのを想像すると、口をぽかんとベルは開けた。
『凄いですね。……ですが、果物だけの朝ごはんじゃ、私はお腹一杯になりませんよ?』
冗談っぽく笑うと、ベッドから完全に起き上がって、床へと足を乗せた後、少しずつテーブル付近の椅子の背凭れの笠木上に乗るヘラクレスの嘴に人差し指でツンと突っつくように触れては茶目気あるような笑みを浮かべる。
『文句を言うなら、これを食べてからだ。今日は忙しいぞ?ヒュドラを朝から探しに行かねばならないし、何ならば我がベルの護衛をせねば…』
『……私は、掃除だったり、悪魔祓い用の薬草を調合したいんですが…、朝から?……一人で行ってくれないでしょうか?』
『…否、一人は駄目だ。昨夜、ベルが外に行ってる間だと思うが悪魔がベルに近寄って魔法を掛けたみたいだ。……我が保護魔法を掛けたのに、ベルは情緒不安定になって、まさかの自らバジリスクの猛毒を飲んでいたからな。我は、汝を一人には出来ないし、その魔法を掛けた悪魔から汝を守ってやらねばな…』
『そういえば……実は途中から記憶が無かったんですよね。……私の周りにいた悪魔…。…私は身近にそんな人がいたと思うとぞっとします。』
『……すれ違っただけの人かもしれぬ。…そもそも、昔から一緒にいた人ならば汝を殺すのは容易くももっと早くにした筈だ。…何か心当たりは無いか?』
『心当たりなら……そういえば、昨日、友達と一緒に買い物をしていたら、薔薇売りの人に詰め寄られて、友達が薔薇を私に買ってくれたんです。……だから、薔薇売りの人に……もしかしたら、悪魔が…』
ヘラクレスはウィンクをしては、羽ばたいてベルの座る椅子の向かい側にあるイチゴやクランベリーにアップルミントが彩ってある皿の近くに羽を休めた。
『それなら、今日は外にヒュドラを探すと一緒に例の薔薇売りを探そう。……悪魔ならば、祓うかベルが金にならないと惜しむならば、ローズマリーに大量に塩とキンモクセイ等を乾燥させたポプリを強引に其奴に渡そう。』
『それならば、私なら………ちょっと無くしたら高いからあまりしたくないですが、触れたら悪魔なら手が火傷するルビーを握手すると共に渡したいです。』
『まるで悪魔のような考えをするんだな?ベルは。……悪魔の位が高いとそれでも焼けない奴がいるが故、我が実際に其奴を見てから、どうするか一緒に決めよう。』
『ルビーは、やはり無しです。貴重な物だから無くなったら私の給料2ヶ月分貯めて新しいのを買うのは苦しいです。あれは護身用に持っておきたいです。』
『承知した。ところで、こんなご馳走を作る我とそろそろ契約したくなった頃だろう?』
にこやかな笑みを浮かべるヘラクレスにベルはクスクスと笑みを溢しながら、椅子に座って手を組んでお祈りの言葉を口にしながら、ヘラクレスに答える。
『神よ、健やかなる朝に食事が取れる事に感謝致します。……ヘラクレス、出してくれるのは嬉しいんですが、契約したかったなら出すのはサラダでも良いから料理した物にすべきですよ?ふふっ…』
『鴉の軀じゃ出来ない贅沢は言わないでくれたまえ!…ベルよ!』
冗談っぽく言ったベルに鬼畜な条件にすかさず突っ込みを入れるヘラクレスに食卓は笑いで賑わっていくのであった。