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Ryryyyyyy
38
#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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❄️白鳩🕊️
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花嫁さんに祝福を
・・・・・・・・・・
「柊依さん、いよいよ明日だね」
「緊張してる?」
『そうね、少しドキドキしてる』
不死川さんとの結婚式を翌日に控えている柊依さん。今は明日の式に必要な物の最終確認をしている。そして、ついでに不要な物を手放す為整理していた。
戦いの後、蝶屋敷で不死川さんが柊依さんに求婚している様子を目撃した俺と無一郎。べつに俺たちが触れ回ったわけではないけれど、2人が恋仲になったこと、結婚するという話はあっという間に拡まった。不死川さんはもう隠そうともせず堂々としていたし、柊依さんも始めは照れくさそうにしていたけれど、もうみんなからやんややんや言われるのにも慣れたみたいだ。
痣が出た2人に残された時間はたったの4年しかない。だから一刻も早く式を挙げようと周りのほうが張り切っていた。もちろん、俺と無一郎もそうだ。
「結婚したらさ、柊依さんは“不死川柊依”になるの?」
『そうね。でも実弥さんは婿入りでもいいぞって言ってくれたの』
「そしたら“倭実弥”になるね」
『うん。だけど自分がお嫁に行くのに憧れてたから。喜んで“不死川”の姓になるわ』
「そっか〜。“不死川柊依”…なんか強そう」
『ほんとね』
3人で顔を見合わせて笑った。
お昼過ぎ。雲行きが怪しくなってきた。
『有一郎くん、無一郎くん。お洗濯物取り込むの手伝ってくれる?』
「うん!」
「急ぐね!」
空はあっという間に厚い雲で覆われて今にも雨が降り出しそうだ。
大急ぎで洗濯物を取り込む。なんとか間に合った。その数分後、雨が降り出した。
『ありがとう。助かったわ』
「間に合ってよかったね」
「せっかく干してたのにまた洗い直しになるとこだったもんな」
『早く止むといいんだけどね…』
雨はそのまま降り続いた。
俺たちは仕方なく室内に戻り、式の準備や不用品の整理を再開した。
『……ねえ、2人とも』
「「? 」」
急に重々しく口を開いた柊依さん。
「柊依さん、どうしたの?」
「元気ないよ?」
『…うん……』
どうしたんだろう?明日は結婚式で、好きな人と結ばれて、幸せいっぱいな筈なのに。なんでそんな暗い顔をするんだろう。
「…もしかして、不死川さんと結婚するの急に嫌になっちゃった?」
無一郎が恐る恐るたずねた。
『ふふ。それはないわ』
眉をハの字に下げて、少し可笑しそうに柊依さんが笑った。
『…ただ、気に掛かることがあって……』
あまりにも暗い顔の柊依さんに、俺たちは思わず作業の手を止め、身体ごと彼女のほうを向いて正座した。
『……あなたたちのことを置いて行ってしまうことよ…』
「「………」」
無一郎と同様に、不死川さんも柊依さんも痣を出現させた。だから当然25歳までに命を終えてしまう。柊依さんは21歳。夫婦共にあと4年の命なんだ。
『これから3人で幸せになろうって約束したのに、残された時間がとても短くなってしまって。あと4年しか2人の傍にいられないって考えると切なくて。死ぬのが怖いわけじゃないの。でも、大事な弟たちを残して死んでしまうのが悲しくて…… 』
柊依さんが俯いた。
涙が込み上げる。柊依さんたちは戦いの最中、痣を出して爆発的な強さを得ることができたけれど、それは寿命の前借りに過ぎないんだ。
柊依さんはあと4年、無一郎はあと11年の命。俺は大好きな2人を見送ることになる。このことを考えなかったわけじゃない。でもやっぱり悲しくてつらくて、考えないようにしている自分もいた。
「…大丈夫だよ、柊依さん」
無一郎が口を開いた。
「4年後、僕たちは18歳だ。この国では男は17で結婚できるから。早くお嫁さん見つけて家族を作るよ。…っ…だから心配しないで。……奥さんに子どもも産んでもらって、…柊依さんにも抱っこしてもらうんだ」
後半は涙で声を詰まらせながら話す無一郎。
「俺も早く家庭を持つよ。柊依さんを安心させたいから。…柊依さんが俺たちにたくさん愛情をくれたように、俺も奥さんや産まれてくる子どもたちを絶対大事にするよ。…柊依さんや無一郎がいなくなるのはめちゃくちゃ寂しいけど…っ…、まだ4年もあるんだから…、その間にまたたくさん思い出を作ればいいじゃん…!」
堪えきれずに俺も泣いてしまった。
『2人とも……』
柊依さんも泣いていた。群青色の瞳から零れた透明な雫が頬を伝って落ちる。
「…それにさ、“3人で”って約束、不死川さんも加わって4人になっていいじゃん。しかもさ、不死川さん、“3人まとめて幸せにする”って言ってくれたんだよ。僕ら3人の家族にもう1人増えるんだよ。幸せな思い出ももっと増えるよ!」
まだ涙の残った目で無一郎がニッと笑った。
『…そうね』
濡れた目元や頬を拭いながら柊依さんも笑ってくれた。
俺も無一郎も服の袖で涙を拭う。
そして立ち上がり、2人で一緒に柊依さんを抱き締めた。今までは柊依さんが俺たちを包み込むように抱き締めてくれていたから。今度は俺たちが不死川さんと一緒に、柊依さんを守るよ。
家族を皆殺しにされて鬼狩りになった柊依さん。家族の仇をとって、仲間の無念を晴らして、鬼殺隊最高位の柱からようやく普通のお嬢さんに戻れた柊依さん。残された時間、どうか、どうか幸せであってほしい。
『有一郎くん、無一郎くん。ありがとう。大好きよ』
柊依さんが笑った。とても、とても綺麗だった。
夜、晩ごはんの後、お風呂を済ませた俺たちを、柊依さんが部屋に呼んだ。
『2人とも、いらっしゃい』
「「はい」」
柊依さんと向かい合って座る。
『これ、あなたたちに』
「あっ!」
「これ…!」
差し出されたのは小さなお守り袋だった。
最終選別の前に持たせてくれたお守り袋は、俺も無一郎も任務をこなしていく中で破れたり紐が千切れたりして、その度に綺麗に繕ったり作り直してもらっていたけれど。最後の戦いの時に隊服も裂かれて、首から下げて服の中にしまっていたお守り袋もぼろぼろになってどこかへ行ってしまったんだ。
「また手作りしてくれたの?」
『うん。よかったら受け取って』
「嬉しい…!」
「ありがとう!」
柊依さんが作ってくれたお守り袋をぎゅっと胸に抱く。
もう戦わなくていい。戦う相手もいない。でも、柊依さんが変わらず俺たちを大切に想ってくれているのが伝わってきてとても嬉しかった。
「柊依さん、ありがとう。大事にするね」
「明日、晴れるといいね」
『うん。…じゃあ、2人とも、おやすみなさい』
「「おやすみなさい」」
柊依さんと順番に抱擁して俺たちは自室に戻った。
次の日。いよいよ不死川さんと柊依さんの結婚式の日だ。
雨こそ降っていないけれど、空はまだ雲に覆われていた。
朝早くから支度して、宇随さんの奥さんたちに手伝ってもらいながら花嫁衣装を身に着ける柊依さん。お化粧もして、誰もが見惚れるくらいに美しかった。
2人の結婚式には大勢の人が参列した。
輝利哉くん、かなたさん、くいなさん。宇随さん夫妻、冨岡さん、鱗滝さん、煉獄さんのお父さんと弟さん。炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、伊之助、栗花落さん、神崎さん、蝶屋敷の女の子たち。藤の花の家紋の家を代表してひささん。刀鍛冶の里から鉄珍さん、鋼塚さん、無一郎の担当だった鉄井戸さんの後任の鉄穴森さん。
みんな、みんな笑っていた。不死川さんも暴れ馬だった頃の姿からは想像もつかないくらい穏やかで優しい表情をしていたし、柊依さんもとても幸せそうだった。
宇随さんの奥さんたちや不死川さんの強い希望で、柊依さんは白無垢だけでなく“うえでぃんぐどれす”を着ることになっていたので、新郎新婦は式の途中の区切りのいいところで一旦退室。
しばらくして戻ってきた柊依さんは純白のドレスに身を包んで登場。腰から裾にかけてふわりと大きく拡がるドレスは刺繍やレースやビーズ等の飾りでキラキラ輝いていて。そんな衣装を身に纏った彼女は息を呑むほど綺麗だった。“たきしーど”に着替えた不死川さんも一緒に柊依さんと腕を組んで歩く。そんな彼も隣を歩く柊依さんのドレス姿に顔を真っ赤にしていた。
西洋の結婚式では“ブーケトス”なるものがあるらしくて、宇随さんの提案でそれも行われることになっていた。参加者みんな外に出て、少し高いところから後ろ向きにお嫁さんが花束を投げるのだそうだ。
「嫁入り前の娘は前に行け〜!ブーケを取れた奴は次に結婚できるらっきぃがーるだぞー!」
宇随さんの言葉に、禰󠄀豆子、栗花落さん、神崎さん、なほちゃん、すみちゃん、きよちゃん、かなたさん、くいなさんがそわそわした様子で男衆より前に出る。
「あっ、須磨!あんたもう嫁入りしてるでしょうが!戻ってきなさい!」
「だって〜!あたしもブーケ取ってみたいんですもーん!」
「まきを、いいんじゃない?楽しければ。私たちも行きましょうよ」
「おいおい、お前ら旦那の目の前でブーケトスに参加たあ、派手派手だな!…よし行ってこい!ブーケ取れた奴はもっペん挙式すっぞ!」
既に人妻になっている宇随さんの奥さん3人も参加することになった。しかも旦那のほうもノリノリだ。
「禰󠄀豆子ちゃあ〜ん!頑張ってえ〜!」
善逸が叫ぶ。次に結婚しようと思っているんだな。
『…それじゃ、行きまーす!』
柊依さんが後ろを向いて、力一杯ブーケを投げた。
わあああっ!
歓声があがる。
流石は元柱。柊依さん、肩も強かったみたいだ。意外と遠くまでブーケが飛んでいく。
そして、ブーケを手にしたのは……
「蛍〜!?」
鉄珍さんが声をあげた。
「ぉっ、ぉぉっ……!」
ブーケを手に取った鋼塚さんがひょっとこのお面の下で小さく声を発した。
「次の花嫁…じゃねえな。花婿は鋼塚さんだってよ!おめっとさん!」
宇随さんが豪快に笑った。
「この前のお見合いも破談したばっかりじゃったが、またいいご縁があるかもしれんな!」
「ほんとですね!37歳独身の鋼塚さんにもこれでようやく春が訪れるかもしれませんね!」
鉄珍さんと鉄穴森さんの言葉にみんなが笑った。
その後の宴会は、夜が明けるまで食べて飲んで騒いでの大盛り上がり。みんな元々鬼殺隊で不規則な生活をしていたからか、なかなか潰れなかった。
朝方。流石にみんな疲れてその辺に転がって眠っている。俺もいつの間にか寝ていたみたいだ。風に当たろうと思って屋敷の縁側に出ると、そこには柊依さんがいた。
『あら、有一郎くん。おはよう』
「おはよう、柊依さん」
『無一郎くんもおはよう』
振り返ると無一郎も起きてきていた。
「柊依さんおはよう。昨日は楽しかったね」
『ほんとね。あんなに楽しかったの、初めてだったかも』
柊依さんが笑った。
そうだよな。柊依さんは8歳で家族を無惨に殺されて、鬼殺隊に入って鬼を狩っていたんだ。ゆうべみたいに仲間と夜通し楽しく過ごすなんてできなかっただろうな。
「不死川さんは?」
『宇随さんと鉄珍様と飲み比べして、2人してベロンベロンに酔って寝てるわ。結局鉄珍様が勝負に勝ったみたいよ』
「みっともない大人だね」
『まあ、たまにはいいんじゃない?』
くすくすと笑う柊依さん。
まあ、ようやく鬼を倒したんだし、今日くらいは“義兄さん”が酔い潰れてるの、大目に見てあげよう。
「!…柊依さん、無一郎、あれ見て」
『えっ?』
「なに?」
俺が指さしたほうを見る2人。そしてぱっと目を見開いた。
そこには、雲の間から射し込むいくつもの光の筋。
「綺麗……」
「“天使のはしご”、柊依さんが名前を教えてくれくれたよね」
『そうだったね。懐かしい』
「僕も覚えてるよ。あの時は最終選別から帰ってきた時だった。…ここ数日曇ってたのは残念だったけど、この光景をまた3人で見られて嬉しいよ」
『うん、私も』
3人で空を見上げる。
「…柊依さん、今、幸せ?」
『うん、とっても。想いを寄せた人と結ばれて、それをみんなが祝福してくれて。何より、大好きな弟たちと今のこの瞬間を一緒にいられてすごく幸せよ』
俺の質問に、柊依さんは花が咲いたように笑って応えてくれた。
柊依さん、ありがとう。あの夜、俺を鬼から救ってくれてありがとう。無一郎のことも助けてくれてありがとう。
俺たちを弟子にしてくれてありがとう。家族だと言ってくれてありがとう。
たくさん稽古をつけてくれてありがとう。つらい時に支えてくれて、励ましてくれてありがとう。
感謝してもしきれないよ。柊依さんがいてくれたから俺たちはこうして今幸せに生きている。
今度は俺たちが恩返しするからね。
どうか誰よりも幸せになって。
自慢のお師匠様、優しいお姉ちゃん。
柊依さん、結婚本当におめでとう。大好きだよ。
終わり
コメント
1件
柊依さんの結婚式、本当におめでとうございます…! 有一郎くんと無一郎くんが「今度は俺たちが守る」って抱きしめ返す場面、涙が止まらなかったです。残された時間の話は切ないけど、それでも「4年もある」って前を向く3人の強さに心打たれました。 最後の天使のはしご、あの優しい光が祝福みたいで本当に綺麗でした。阿部さん、宝物みたいな最終話をありがとうございます🕊️🤍