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◇◇◇◇◇
メヒカール帝国王城、帝王の居室。
「帝王様!緊急です!」
「なんだ、ホセ!騒がしい。」
「早速、黒の軍団が来ました!」
「おー、もう来たか!早かったな。というか、早すぎんか?まあ、いいか。
それでは、そいつらは第一応接室に通せ。
それと例の王女もその場に呼んでおけ。
両方入ったら呼びに来い。」
「はっ!承知いたしました!」
ぱたぱた!
「早速、罠にかかったな!ははは!」
黒い笑みを浮かべて、すでに大陸を制覇した気でいる。
丞相のホセは、まず、黒の軍団を迎えに行く。
「これはこれは、ようこそおいでくださいました。メヒカール帝国で丞相をやっておりますホセでございます。長旅でお疲れでしょうが、帝王様が早速お会いしたいと申されておりますゆえ、こちらの方へよろしくお願いします。」
「はい、黒の軍団で頭領のマサユメです。出迎えありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。」
丞相のホセさんに案内されて、第一応接室に入る。
「しばらく、こちらでお待ちください。」
パタン。
続いて、レイラを呼びに行く。
「レイラ様!黒の軍団がお越しになりました。先日お話しした通り、お願いしますね!では参りましょう!」
レイラは無言で何回か頷いて、ホセの後ろをついて歩いていく。
「失礼します。マサユメ殿!こちらの方は、メヒカール帝国第七王女のレイラ様でございます。
帝王様が来られるまで、ここで一緒に待たせてください。」
「はい、黒の軍団で、頭領をしているマサユメと申します。よろしくお願いします。」
レイラは無言で、会釈する。
「それでは、帝王様をお呼びしますので、もう少々お待ちください。」
パタン!
「帝王様!準備が整いました!」
「そうか!では、行くとするか!ははは!」
もう、勝った気でいる。自信過剰なこの性格は、優秀な家臣によって国が成り立っているのだが、本人は自分の能力で成り立っていると勘違いしている。いわゆる、生まれながらの王の立ち振る舞いである。
先程の丞相が、帝王と思われる人を連れて、応接室に入ってきた。
帝王は当然のように一番奥の上座に座る。
「よく来た!お前たちが黒の軍団か?」
「はい、招待いただきありがとうございます。僕たちは黒の軍団です。僕は頭領のマサユメです。こちらから、なかまのカグヤ様、ハガネ、コガネ、モニカ、エマです。よろしくお願いします。」
「そうか。俺は帝王のミゲルだ。お前たちの活躍を聞いてな。一度会ってみたいと招待したわけだ。皇国と王国では、いろいろ活躍したみたいだな。」
「そうですね。情報が早いですね。」
あれ?なんか、顔が笑ってない。むしろ、不機嫌な感じになったな。
そこへ、丞相のホセさんが割って入る。
「ユメ殿とお呼びすればよろしいですか?
貴殿たちをお呼びしたのには、深い意図はございませんでして、まあ、顔合わせみたいなものです。
ところで、黒の軍団として今後の予定とかはありますでしょうか?なければ、せっかく来ていただいたので、こちらに滞在いただき、おもてなしさせていただこうかと考えております。」
「ありがとうございます。実は、トニナダンジョンに入ろうと思ってまして、冒険者ギルドで登録するためにこのあと寄ろうかと思ってます。」
「ほう、それは良かった。
では、ぜひ部屋をご用意いたしますので、こちらでご滞在いただければ。
こちらに控えているレイラ様が、ユメ殿のお世話をさせていただきますゆえ。
他のなかまの方には侍女がお世話させていただきます。」
「いえ、申し訳ないです。お構いなく!」
「いえいえ、そういうわけには参りません。招待している以上、おもてなしするのは当然でございます。むしろ、このまま、お返しすれば、国の恥になります。何とぞ、ご配慮いただき、ご滞在いただければ幸いです。」
『カグヤ様!どうします?』
『まだ、意図がわからんが、泊まるくらいやったらええんとちゃうか?』
『そうですね。』
「それじゃ、お言葉に甘えてお世話になります。よろしくお願いします。」
「おー、ありがとうございます。では、みなさん、部屋にご案内いたします。」
え?これで謁見終わり?
帝王様とほぼ話ししてないけど。
何が目的なんや?
そのまま、ホセさんとレイラさんと一緒に部屋を出る。よくわからん。レイラさんも一言も喋らんし、どうしたんやろ?
◇◇◇◇◇