元最強勇者は人外魔法でやり返す!!

俺はメルドさんとギルドの地下室へと向かった。へ〜。地下なんてあったんだ。でもちょっと、ほんの少しだけ心配。何故って？俺が攻撃を仕掛けた途端に崩れ落ちそうだからだよ。

「ここで試験を行う。準備運動でもしとくんだな」

はーい⋯って、よく見たらこいつ城の戦士じゃないか？お？待て待て、まさかあのドM変態第2兵隊のリーダー？そうだよね？

俺がまだ勇者をやっていた時、城には全部で8の軍があった。兵隊だね、うん。それぞれ独特すぎる個性の塊（性格？）が集まってて、なんかムカついてたんだよね。

簡単に言うと、第1は無駄にイケメン、第2はさっき言った通りドM、第3は脳筋、第4は女子軍団でエロい、第4は全員アホだけど何故か必要な情報は必ず持ってる。不思議だよね。第5はピンチの時人にすがりついてくる虫、第6は⋯第6が1番まともだったな。第7はオ・カ・マ、第8は王に絶対忠誠を誓っていて話しかけても話しかけられても王のことしか話さない。

この中で1番やばいのは第5と第7だと思うだろう。だが違う。まあ、俺（勇者）の場合だが。

そんなドMのリーダーさんが、こんな所でなにやってんの？

「よし、いつでもいいぞ」

「ははっ！いくぜ？」

試験はこの瞬間から始まる。ザザッと足を前後斜めに開き、お互い木剣を握る。

「────────おらぁっ！」

「ふっ」

『ゴキィン！』

やはり、すごい力だ。何度剣を交えても感じさせるこの圧。

「俺の件を受け止めるとはな。おもしれぇじゃねぇか」

そう、国の軍だけあって、戦闘は皆一通りできるのだ。性格が異常なだけ。王様もなんでこんなヤツら採用したんだよ。ま、

「今度はこっちから行くぞ」

成長したのかどうか見てやるか。この地下室が壊れない程度にスキルを使うとしよう。

《身体強化》を使い、ビュンとメルドの死角に入る。さぁどうする？これくらい目で追えないとお国は守れな⋯

「はははっ！甘いぞガキぃ!!!」

「！」

反応速度が良くなってるな。⋯ん？魔法式？

『ガキィィィン───』

はっ？？待って、今金属の音した！木の音じゃない！さっきの魔法って⋯

「お前っ、《錬金術》使ったろ！」

しかも俺の剣まで！なんてやつだ！

「はっ、こうしねぇと面白くねぇだろうが！」

うわ〜⋯やっぱりコイツMだ⋯。まあいい。そうだ。こういう病気だから仕方がないんだ。うんうん。

俺は転生する前にルディギアと戦ったことがある。あ、名前変わってるじゃん。午前中からスタートだったのだが、終わったのはなんとまぁ深夜1時。あ、次の日じゃん。もちろん俺が全勝したけどドMのリーダーだけあって、もう1回、もう1回と俺にうんぬん言わせずに突っ込んできた。

そのせいでその日の魔物討伐はとてつもない時間がかかり、寝不足に。生活習慣が崩れた。ただでさえブラックだってのに。

「ガアッ！」

『ドカーーン!!（ミシミシ⋯⋯）』

あ、あれ？

「ん？メルドどこいった？」

目の前の壁が凹んでる。その中心にドMはいた。まさか俺がやった？あら、色々思い返してたらムカついて、つい吹っ飛ばしちゃった☆

「く⋯はははははっ！⋯ゲボッ⋯痛てぇなおい⋯。きんもちぇ〜！」

は、始まった⋯。他に試験受けに来た人全員にこの対応してたら、そりゃあ人居なくなるわ。

「《雷鳴斬》っ！」

「《物理魔結界》、《雷桜斬》」

ここは同じ雷で対応。

初心者（ビギナー）に攻撃魔法放つなー！〇人が出る！

「なっ、相殺された？団長の俺と同等の強さだと言うのか?!」

お口ダダ漏れだよ。

「団長？国のか？なんでこんなとこにいる」

「バレたか。なんでって、強え奴らと戦いたいからだよ。ショウゴがいなくなって暇ができたしな」

勇者の名前ポッとだすな！もう！今日が俺でよかったな！

で、結局理由は強いやつ探しかよ?!そうだろうとは思ってたけど、本当だなんて。⋯知ろうと思った俺が馬鹿だったよ。

「それより続きだ！」

え？もういいって！

こんなとこで無駄に魔力と体力を使うつもりは無い。よし、拘束しよう。

「おらっ《速雷》！」

はい、避けます。そして引力魔法、拘束魔法、《合成》して⋯

「《重速縛》」

俺の背後から現れた無数の鎖がメルドを押さえつけていく。

「うわっ！何だ、このぉっ」

くくくっ。足掻いても無駄だ。それは俺のオリジナルの魔法。外したければ腕を切り落とすんだな。

「ははwww」

「な、何笑ってんだ！俺になにかするつもりか?!」

ははは⋯て、ニヤニヤしながら言うなそれを。キモすぎる。

ま、ここではやり返さないことにしよう。今回は、な。次邪魔したらゆるさん。

「これで勝ちだ。認めてくれるよな？」

「は?!何もしねーのかよ?!ほら、俺を早く痛めつけろ！」

「嫌だ」

犯罪者になりたくない。あーめんどくさい。前も結構ストレス溜まっちゃって、城の壁静か〜に壊しちゃったんだよね。

「とにかく、合格したってことで。上行くぞ」

「ちょ、待てって。この状態はやばいから！」

ああそっか。わっすれってた☆ばずすはずす。

「上がってからな」

「外せってぇぇぇぇ!!!!!」

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では！