side パラオ
状況です。
それではどうぞ。
「大人しく降参してくれたら国連は返してあげる。 」
パラオは静かに中国へ言った。
「降参、アル?w」
中国がパラオを心底馬鹿にするような口調で答える。
「なら言い方を変えるよ。中国さんに戦闘不能になってもらう事が目的なんだ。…反抗するなら国連を殺す。」
中国は分からなかった。国の化身とは違う国連の耐久値が。
基本、国の化身は肉体的な損傷だけではそう簡単に死なないし、すぐに治る。ただ、国連がそうとは限らない。
アメリカだったらすぐに見捨ててやるのに……。
それに、国連が戦闘によって怪我などをする事は望ましくない。
本当は、世界平和を目的とする国連が戦場に居る事がおかしいのだ、国連きっての望みだったので仕方無いが。
「で、どうするの。」
中国の考えは纏まっていた。
…一撃で取り返してやろう。と。
この判断には根拠は無いが、中国が感じていたのは、
(パラオはきっと即座に国連を傷つけられないアル…)
ということ。
他と違って温厚で優しいパラオが、そう簡単に出来るはずが無い。
ただ複数回の攻撃は望ましくない。
また、戦闘に慣れていない者は大概本能的に自分を守る行動に出る。するとパラオはこちらへナイフを向けてくるだろう。その隙に国連を奪い返すだけの事。
場合によってはパラオが怪我をするが、今の彼は敵国なのだ。
「どうするか?そんなの決まっているアル。」
そう言った次の瞬間中国は目にも止まらぬパラオへ飛びかかった。
「ッ、……!!」
そこで中国が見たのは何一つ体制を変えず、自身を守らず、ただこちらだけをキッと見据えて来る決意の瞳。
まさかこんな少年が!
生存本能にも勝る決意をしているなんて思いもしなかった。
これでは何も出来ない。中国は刺激を控えて一旦離れた。
「……舐めないでよ。」
そう言うとパラオは、国連の頬へとナイフを近づけた。
「ッ待つアル、ッ!!」
国連の頬から一筋の血が流れ落ちる。
パラオはナイフに付いた鮮血を何か言いたげな表情で眺めていた。
そこに映った自身の表情が、見た事も無い程に冷酷だった。赤々と光る鮮血はまるでパラオへの罪の象徴の様。
眼下には珍しく焦った様子の中国が此方を見上げている。
「お前。…正気アル? 」
「正気だけど。」
「…ほら。さっさとしてよ。決めてよ早く。さっきの見たでしょ?ねぇ。ねぇねぇねぇねぇ!!」
暫くの沈黙。
すると、パラオの持っている無線機の音が響いた。
《こちらイタ王〜!》
《朝鮮達とイギリスは片付けたから〜っ!じゃ!》
「ッな、……!?」
中国が冷や汗をかいているのが手に取る様に分かる。
「早くした方がいいんじゃないの?」
中国が懐へ手を掛けた。
次の瞬間には事はもう済んでいた。
地面に横たわって真っ赤な血を流す姿を眺めている2人。
「せめて何か言ってよ。」
「悪かったね。……」
「パラオ頑張ったんだから少しぐらい褒めて?国盟さん。」
パラオが視線を向ける先にあるものは、中国の死体。そして、赫い血の滴る鎌を持った国盟の姿であった───────
〜本日の犠牲者〜
中国
〜残り 生存者〜
アメリカ
カナダ
ロシア
国連
国盟
日帝
イタ王
ナチス
パラオ
コメント
9件
相変わらずハートの数は一体どうなっているのか、、、
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ最推しがおなくなりにぃぃぃぃぃぃぃぃ
これもしかして…国盟が今回の事件(?)の首謀者だったりするのか…??