テラーノベル
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先のファイヤードレイク戦をふり返りながら食事会となった。
相変わらす酒場のオヤジは王女に話しかけられるとカチンコチンになるね。
「フロルたちは帰らないの」
「今日は特別な日だから、銀のグリフォン団で飯を食うって言ってある」
「お父さんに言ってきた~」
「ハカセによろしくって、お父さんが言ってたよ」
「俺んちも、今度飲もうって、かあちゃんが伝えてくれって」
「チョリソーの家もかい」
「かあちゃんハカセの事気に入ってるしなあ」
「また行きますって伝えておいて」
「おう、かあちゃん喜ぶぜ」
カウンターにレイラさんが現れた。
赤い女の人も一緒だな。
「おーい、キアラ、飯は?」
「まだだぞ、チョリソ」
「一緒に食わねえ? 今日、地下二階でドラゴンみてさあ、みんなで話してんだっ」
「そ、そうか、ドラゴン……、かっこ良かったか?」
「かっこ良かった~~、すんごい怖かったけど、綺麗だった」
「そうか!」
キアラが私たちのテーブルにやってきた。
「知り合いなのか?」
「ああ、紹介する、田舎から出てきたキアラ。この前パン屋で困ってたから助けてやったんだ」
「キアラだ」
「マレンツです、よろしく」
「……」
なぜ私を睨むのだろう、この人は。
レイラさんもやってきた。
「レイラさん、ご報告があります」
「ファイヤードレイクが二階に出たらしいですね、あと魔王レティシアとおぼしき怪人物も」
「はい、魔王さんと竜は転移の魔法で逃げました」
「そうですか、詳しく聞かせて下さい。オヤジさん、私も夕食を一つ」
「わかりやしたー」
レイラさんも席についた。
現場に居た人間に話を聞き、羊皮紙に、目撃情報を書き留めていく。
「マレンツ博士、魔王はどういう感じでしたか?」
「綺麗でしたね、銀色の髪、真っ赤な目、白い肌、赤い唇、とても優美で目が奪われました」
「まあ、そうですか」
なんか嬉しそうだなレイラさん。
みなが証言を補足して報告書はまとまった。
「ありがとうございました」
「ギルドとしては、魔王をどうするつもりですの?」
「S級冒険者に賞金を掛けるぐらいですか、三百年ぶりですからね」
「依頼なのね」
「冒険者ギルドに出来る事はそれぐらいです。王府の対応はどうなりますか、リネット王女」
「軍は出せるかしら、近衛騎士団長」
「軍は迷宮に慣れてませんからなあ、真っ暗な中で戦うのがあれほど勝手が違うとは思いませんでしたわい」
「そう……」
リネット王女は口を尖らせた。
レイラさんは食事を口に運びながら考え込んでいた。
銀のグリフォン団のメンバーは、キアラと一緒に夕食を食べながら騒いでいた。
意外と気があうっぽいね。
ウジェニーさんが開き戸を勢い良く開けて駆け込んで来た。
お風呂上がりらしく頬が上気しているね。
「お風呂入って来ましたーっ!! オヤジさん私も夕食!」
「あいよう」
そういって無理矢理私とペネロペの間に割り込んできた。
「無茶すんなよ」
「ここは私の席です、ペネロペにも、王女さまにも、ギルマスにも譲りませんっ」
「あら、私も?」
「マレンツ博士と仲が良い女性はみんな敵でーすっ」
#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
7,485
#異類婚姻譚
和泉
471
#えっち要素有
わいまる @最近忙
112
アトハ
153
まっすぐにぐいぐい来ますね。
ウジェニーさんは。
「黄金の禿鷹団さんはどうですか、ファイヤードレイクと戦った感想は」
「マレンツ博士と組めば討伐可能と思われます、ブレス攻撃を防げますしね」
「そうだな、ドラゴン種はブレスがやっかいだが、それさえ防いでしまえばなんとか」
キアラがムッとした顔をした。
立ち上がろうとした時にアルバーノさんがプリンを持ってきて彼女の前に置いた。
一口食べたあと彼女はニコニコしてスプーンでプリンを口に運び始めた。
それを見た銀のグリフォン団のメンバーがアルバーノさんにプリンをねだった。
うなずいて彼は厨房に消えた。
「魔王さんは……」
「ありゃ無理だな」
「存在の格が違いました、あのバリアを打ち抜く方法がありません」
確かに、魔剣の斬撃も、魔槍の貫きも、私の【着火】も全て弾いた。
あれを攻略しない限り魔王さんに攻撃を届かせる事が出来ないだろう。
「S級冒険者パーティでも無理なの?」
「あれは規格外でさあ、お姫さん」
「伝説の勇者とかじゃないとね」
「当代の勇者は見つかってるんだっけ?」
「いや、まだだな、そろそろ現れると予言されてはいるが」
「勇者でもヤバイんじゃないかなあ、これまでレティシアは討伐された事が無いわけだし」
「あまり魔王は暴れないのが救いだな」
魔王が出る迷宮は大変だな。
まあ、たまにパーティを全滅させるぐらいで、ほとんどは何もしないらしいが。
なぜ、迷宮に顔を出すのだろうか。
何かを探しているのか。
アセットタブレットかなあ。
「おい、ウゴリーノ、深層にはあんなドラゴンがごろごろしているのか?」
「あんなでっかいのは珍しいが、ドラゴンは結構出るぜ」
「それは、良いな」
ペネロペはエールの杯をぐいっと傾けた。
「マレンツ、今後のスケジュールは?」
「ん、私のかい? そうだね、一週間ぐらいは銀のグリフォン団と一緒に浅層をうろうろして、その後、他のパーティに移って潜って行く感じかな」
「父ちゃんがハカセに入って欲しいって言ってたぜ」
「フロルの父さんか、それも良いかもね」
「深層へは?」
「だんだんと迷宮になれながら下りて行く感じだよ」
「深層まで来たら、黄金の禿鷹団に入ってくれ、マレンツ博士がいれば心強い」
「あの【着火】は破格ですからね」
「ありがとう、その時はお願いします」
「ママ、マレンツ博士と一緒にダンジョンアタック!! 夢のようですっ」
「ぎゃはは、私はマレンツと一緒に潜っていくぜ」
「ええ、ズルいですペネロペ!」
「お前は先に潜って臭くなってろ」
「ひどーい」
いやあ、迷宮都市に来て、いろんな仲間と知り合えて良かった。
一年ぐらいしたら深層に潜れるかな。
沢山の冒険や、未知の現象、魔物たちが見られる事だろうな。
子供の頃の丘の向こうに行く気分が蘇ってワクワクするね。
ギルドの両開き戸を開いて、誰かが入って来た。
私の父さんとステイシーだった。
「マレンツ」
「父さん、どうしたんだ」
父さんはすっかり老け込んでいた。
いったい何が……。
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