コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
~働羽根朝顔(ペニチュア)~
すち視点
長い夏休みもあっという間に終わっていった。
少し寂しい気持ちもあるけど、うれしいこともある。
それは最近こさめちゃんが笑顔を見せてくれるようになったこと。こさめちゃんは最近よく俺らの前で笑うようになった。
学校ではあんまりみたいだけど、、、(なっちゃんから聞いた)
こさめちゃんの余命は半年くらい。そんななか文化祭が近づいていた。俺のクラスの準備はだいぶ進んでいて
敵情視察、、って名前でこさめちゃんの様子を見に行くことにした。こさめちゃんのクラスについた。
こっそりのぞき込むと目が凍り付いた。
笑ってない。こさめちゃんが。いや、正確には笑ってる。愛想笑いをこれほど極めた人がほかにいるだろうか?
なっちゃんは?と思って探すといなかった。黒板の買い出し担当に名前が載っていた。
うつむいていた。はきかけたため息を飲み込むようにしてまたしゃべりったり、作業をしてる。
見ているこっちがつらかった。クラスの子が気づけないのは当然だ。だって俺らだからわかることだから。
するとどうしようもない怒りが込み上げてきた。なんでなっちゃんはこさめちゃんがこういう状況にあるってわかりながら買い出しに行ったの?、どうしてこさめちゃんのようすに俺は気づいてあげられなかったの?、なんでなっちゃんはこさめちゃんの様子を知ってたはずなのに俺らに言わなかったの?
噂をすれば、、というのは本当にあるようでなっちゃんが女の子たちと楽しそうにしゃべりながら帰ってきた。
「なっちゃん、ちょっといい?」「ん?すち?いいけど、、」
なっちゃんの手引いて教室を後にした。こさめちゃんがこちらを振り向いてみえたのはきっと気のせいだ_
「どうしたんだよ?すち、急に。」「なんでなっちゃんは今日、買い出し係に行ったの?」
「えっ?そりゃ頼まれたし、俺も行きたかったから、、」「こさめちゃんがあの状態なのを知ってても!?(怒)」
「!?どうしたんだよすち、、今日いつもとちが」「こさめちゃんがあんなに苦しそうに笑顔つくってやってんのになんでなっちゃんは買い出しにいったの?(怒)」「そ、それは、、」
「というかさ、なっちゃん、こさめちゃんと同じクラスでしょ?じゃあさ、こさめちゃんがああなのを知ってたよね?見てたよね?一番近くで!なのになんで今まで言ってこなかったの?そしたらこさめちゃんがここまで思い悩むこともなかったかもしれないじゃん、、」「っ、、」
言っちゃだめだ。なっちゃんを傷つける。これは八つ当たりだ。それもわかってる。でも、止まらなかった。
俺はなっちゃんの胸倉をつかんでにらんで、いつも出さないような低い声で
「なっちゃんさ、最低。こさめちゃんを追い詰めてたのってなっちゃんなんじゃないの?そういうの、傍観者っていうんだよ」
「っ!、、(泣)」ガラガラガラッ「それは違う!」
こさめちゃんの声だった。今にも泣きだしそうな声だった。
「すち!?なつ!?すち!何してんの!なっちゃん離して!」
「っ!ごめん、、」「なつ!平気か?すち、どうしたんだよ、、」
「すっちー、落ち着いて」
「違うんだよすっちー、、なつくんには、、黙っててって言ったの。こさめが。今日もこさめは平気だからって言ってなつくんに買い出しに行ってもらったの。だからなつくんは悪くない。こさめが悪いの。わざとそういうのを見せないようにみんなに心配かけないようにってそうしたの。だから、、殴るならこさめを殴ってよ!(涙)」
「こさめちゃん、、」
ふらりと立ち上がる。
「すっちー!」「やめろ!」「殴るなら俺を殴れよ!」「すち、、」
俺はこさめちゃんのすぐそばまで歩いた。こさめちゃんはキュッと目をつぶっていた。
俺は、、こさめちゃんを抱きしめた。その瞬間肩にこさめちゃんの涙が落ちた。
「なぐれ、、ないよ」
「すっちーがこさめのこと大事に思ってくれて、心配してくれて、同情してくれて、誰よりもこさめのこと考えてくれてたのすっごいうれしかった。こさめのためにおこってくれてうれしかった。」
「ごめん。こさめちゃん。本当にごめん。今までも、今も、こさめちゃんがしてほしいことしてあげられなくてこさめちゃんのこと傷つけてごめん。」
「すっちー、、ありがとう。大好き」「俺も。こさめちゃんが、みんなが大事。世界のだれよりも。」
こさめちゃんから体を離すとなっちゃんの目の前に行った。
「なっちゃんごめん。」「ううん。すちの言う通りだよ。こさめのためを思ってやったことがこさめをかえって傷つけた。
ごめん。みんなの気持ち、すちの気持ちを考えられなくて、、」
「すっちー!」みこちゃんだった。みこちゃんが抱きついてきた。
「ごめん。すっちーが悩んでること気づいてあげられなくてごめん。」「みこちゃん、、」
「俺も、、さっきすちを責めるみたいな言い方して、、ごめん。俺、最低だ」「いるまちゃん、、」
「すち、バカ!なんで俺らに言わないの?なんで抱え込むの?言えよ。仲間だろ?」「らんらん、、」
「みんな、、ごめん。それにありがとう」
「お礼言われるようなことしてねぇーよ」「そうそう」「今日みんなでクレープ食べん?」
「いいね!こさめも食べたい!!」「ま~た校則違反しようとしてる人たちがいるわ」
「なっちゃんにだけは言われたくないでしょ(笑)」「俺は規則守ってるし!」
「どの口が言ってんねん!(笑)」
笑いあえるっていいよね。ほんとうに。いい仲間だなぁ。そう思った。
後日。
こさめの体には働羽根朝顔(ペニチュア)の痣が増えていた。
作者追伸
最近更新できてなくてごめんなさい。本日二話更新いたしましたのでどうかゆるして、、(´;ω;`)
これからも読んでいただけると幸いです!!!