コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
~紋 天竺葵(ゼラニウム)~
「文化祭当日だね!」
朝からみんなテンションが高い。その理由は今日がこさめたちの学校の文化祭だからだ。
中学の頃もあったような、、でももう朧気だった。
学校について朝学活を終えると文化祭が始まった。みんなとの集合場所にいくともうみんなきていた。
「こさめ、人生最後の文化祭だね」「だね!楽しまなきゃ!!」
らんくんが教えてくれた。これから楽しめばいいって。だからこさめは最後の文化祭を精一杯楽しむって決めてる。
でも、最近、みんなとのこの時間が終わってしまうのが寂しいと思うことが増えた。
こさめにはまだこの気持ちの正体がわからない。
「なあなあ、こさめ、どこ行きたい??」「えっ~(笑)、食べ物全制覇したい!!」
最近は自分のやりたいことが少しだけどわかるようになってきた。欲が出てきたのかもしれない。
「やっぱり食べ物だよなぁ~(笑)」「すぐ売り切れるもんね」「よっしゃ!いくぞ!!」
「クレープ、三個ください!」「三個も!?」「マシュマロ五カップください~」生徒「食べすぎじゃ、、」
「みんな食べすぎじゃない(笑)?」「じゃあ俺は抹茶ドーナツ四個ください~」「すちもだった(笑)」
「おれはどうしようかな~、あっ!ベビーカステラ!!十個ください!」「大食漢(笑)」
「俺はカップケーキ八個ください」「なっちゃんそんなに食べれるの?(笑)」「よゆう、よゆう!(笑)」
「俺はう~ん、全部一個ずつください!」「こさめにもドーナツ頂戴!」「いいよ~、じゃあマシュマロ頂戴!」
「いいよ~」「らん、この味うまい!食う?」「んー!もらう!!俺のもあげる!」「みこと、べビカスくれい」
「じゃあなっちゃんのカップケーキ頂戴!」「りょ~」
「次は乗り物行こうぜ!!」「ジェットコースター行こうぜ!」「俺、謎解きやりたい!!」
「こさめはこの海の乗り物乗りたい~!」「映画見たい!!」「全部行こうね」
一日で半分くらいの乗り物に乗れた。文化祭って楽しいんだなぁ~、最初で最後だけど。
中学のときも文化祭みたいなのあったな、とふと思い出す。朝思い出しかけていたものが鮮明になった。
「中学の時もこういうのあったよね」「あっ!あったあった!こさめがギャン泣きしたやつ!」
「えっ!?」「覚えてねぇの?」「えっ、、あっ!」「接客してるときにドリンクこぼして失敗しちゃったぁ~って泣いて抱き着いてきたの、覚えてるんだから」「ちょっとらんくん!恥ずかしい、、」
「そうそう!次の日あったらこさめ、ケロッとしてるから大笑いしたよな」「なつくんまで!」
「あのときは、本物のこさめちゃんだった?」
みこちゃんがきいてくる。考えたこともなかった。もうほんものと偽物の区別がつかなくなっていた。
偽物があることはわかってももう人形のように自動コントロールされてるからわからなかった。
でも、今のこさめならわかる。きっと
「うん!ほんもののこさめだった!」
笑顔で答えた。みんなも笑顔になった。
こさめ、きっとみんなのこと大好きなんだ。大好きだから__
急にめまいがした。この言葉の先をこさめの頭は考えたくないらしい。でかかった言葉をこさめは飲み込んだ。
後日
こさめの体には紋 天竺葵(ゼラニウム)の痣が増えていた。
足や手に浸食していてもう時間の問題だと悟った。